この度は、「緒形拳さんのアーカイブを構築し、大衆文化の変遷に迫る!」プロジェクトにご支援をいただきまして、誠にありがとうございました。おかげさまで当初の目標支援額を達成することができました。ご支援いただきました皆さまをはじめ、Facebook、Twitter、チラシ等々で情報を広めてくださった皆さま、本プロジェクトの開始からサポートやアドバイスをくださった皆さまに心より厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
皆さまからのご支援金は、当初の目的通り、緒形さんの資料を整理して、戦後芸能史、大衆文化史を研究していくこと、その成果を公開するために、10月5日(土)より横浜市歴史博物館で開催する展覧会に向けて、有効に活用させていただきたいと思っております。
しかしながら、とくに展覧会にあたっては、ポスターや写真、映像などの借用や二次資料、肖像権なども含め、まだまだ費用がかかります。さらに充実した展覧会にするために、もし可能であれば、もう少し皆さまからのご支援をお願いできればと存じます。残り2週間弱ですが、セカンドゴールとして225万円を設定させていただきたいと思います。引き続きまして、皆さまの温かいご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。
俳優・緒形拳さんは、1958(昭和33)年に劇団新国劇に入団以来、2008(平成20)年に71歳で亡くなるまで、半世紀にわたって、舞台、映画、テレビドラマ、ドキュメンタリーなどの各分野で、晩年まで主役を務めるなど、まんべんなく活躍を続けた戦後日本を代表する名優です。
緒形さんが出演した作品は、舞台267本、テレビドラマ209本、テレビドキュメンタリー30本、映画70本にもおよびます。まさにその軌跡自体が、戦後の芸能史、大衆文化史の変遷を示しているのです。しかもこの時代は、大劇場大衆演劇や映画の全盛期から、テレビの登場によって大衆文化が大きく変わっていく時代、さらにはインターネットの普及によって、テレビを含む既存のメディアが変容していく時代と重なっています。また、その道のりは戦後の高度経済成長からオイルショック、バブル経済、バブルの崩壊、IT革命とめまぐるしく移り変わっていった戦後日本の歩みとも重なっています。
1人の俳優の歩みそのものから、戦後の芸能史、大衆文化はもとより、戦後日本の歩みを通覧していく——そんな大胆な試みができるのも、緒形さんの業績はもとより、緒形さんが大量の資料を残されてきたからです。こうした芸能関係の資料というのは、なかなか残りづらいものですが、緒形さんは舞台、映画、テレビに関係する台本、パンフレット、チラシ、ポスター、写真、衣裳、小道具などのほかにも、出世作となったNHK大河ドラマ「太閤記」(1965年)以来亡くなるまでのスクラップブックや書簡、葉書、書籍などその歩みを分析するための資料が揃っています。
さらに緒形さんは、書画や作陶、貼り絵など、趣味人でもありましたから、それらの作品も高い評価を受けています。そうしたなかには、直筆の原稿もたくさん残されており、俳優としての心構えや師匠のことなど芸能関係から、時事問題、自然や環境に関する問題など、社会的な問題についても書き残してあります。それもまた、時代の生き証人の言葉として、貴重な資料です。だからこそ、1人の俳優から、舞台、映画、テレビといったジャンルを超えた研究、そしてその背後にある時代の動きを分析する研究ができるのです。
NHKアーカイブや脚本アーカイブなど、アーカイブ(Archive)という言葉もずいぶんと浸透してきたように思われます。ただ、なかにはそれはライブラリーやミュージアムだろうと思われるものも少なくありません。本来アーカイブとは、ある特定のものを収集するのではなく、組織や個人によって作成され、保存・伝来されてきた資料の全体をいいます。だからその総体は「資料群」と呼ばれます。そしてその資料群全体を調査し、収集・整理したうえで分析しなければ、組織にせよ個人にせよ、その全体像や資料が物語る世界の構造を把握することはできないのです。
私どもはすでに、将棋棋士阪田三吉の物語で知られる「王将」の作者、劇作家北條秀司さんが大量に残された資料群を整理してきたという実績があります(馬場弘臣「演劇アーカイブズの可能性-劇作家北條秀司資料について-」大石学編『時代考証学ことはじめ』東京堂出版、2010年)。北條さんは93年に亡くなるまで、実に220編におよぶ舞台脚本を世に送り出しています。北條さんは緒形さんの恩師であり、仲人でもありました。現在、北條さんの資料は東海大学の付属図書館が預かっています。
劇作家と俳優。どちらも一流であったからこそ、この2つをアーカイブとして構築していけば、さらに広がって、戦前・戦中・戦後の芸能の展開と、その背景にある時代の歩みを研究することができます。
ご支援いただきました研究費につきましては、まず資料整理に必要な器材(資料保存容器・封筒・ファイルなど)および資料整理のための人件費に充てたいと思います。これからはとくに、写真、ポスター、スクラップブック、手紙、葉書、自筆原稿などの整理が必要です。
こうして整理した資料は、横浜市歴史博物館において、2020年10月3日(土)から12月6日(日)までの日程で開催を予定している企画展「俳優緒形拳とその時代-戦後大衆文化の軌跡-(仮題)」で展示していきます。また、その一部は、同時に刊行する冊子にも掲載する予定です。この展示にも冊子への掲載にも、著作権や著作隣接権、肖像権などが発生しますので、それらの権利関係を適切に取り扱うための用途にも使用させていただきます。
アーカイブは、このように資料の収集から整理、そして活用・公開、さらには保存処置までを含めてはじめて構築できるものです。江戸時代の古文書や戦前の資料ならいざ知らず、こうした芸能関係の資料については、まだまだアーカイブ学の世界でもKNOW-HOWが確立しておりません。それは紙を中心とした文字資料だけでなく、芝居の小道具や衣裳、また緒形拳さんのように読書家であり、書画や作陶などに秀でていた人物であればなおさら、ライブラリアンやキュレーターとしての役割も果たさなければならないからです。
今回の挑戦が形をなしていければ、今後も芸能関係に限らず、さまざまな人物の資料整理に応用し、活用できる可能性があります。また、これらの資料を展覧会としてどう活かしていくかのモデルにもなることでしょう。ご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします。
時期 | 計画 |
---|---|
2020年2月 | クラウドファンディング挑戦 |
2020年4月 | クラウドファンディング終了 |
2020年5月 | 資料整理体験会とビデオ製作開始 |
2020年6月 | 資料整理体験会 |
2020年7月19日 | 緒形拳さんアーカイブ・カフェ 資料整理体験会 |
2020年8月 | 資料整理体験会 |
2020年10月 | 冊子刊行 |
2020年10月3日(土)~12月6日(日) | 横浜市歴史博物館で企画展覧会 |
2021年3月 | 論文刊行 |
ご支援いただいた御礼として、御礼のカードと「緒形拳研究会」Webサイトの限定ログイン権をお渡しします。
御礼カード(PDF)と「緒形拳研究会」Webサイトのログイン権
15人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
論文のPDFファイルをお送りします。また緒形拳の書画の中から厳選したもの3枚をポストカードにしてお送りします。写真はサンプルとなります。
論文のPDFファイルと3枚組のカードの送付 / 横浜市歴史博物館ペア招待券 / 御礼カード(PDF)と「緒形拳研究会」Webサイトのログイン権
33人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
論文の謝辞にお名前を掲載いたします。また、横浜市歴史博物館の展覧会のために製作した冊子をお送りします。
論文謝辞にお名前掲載、製作する冊子の送付 / 論文のPDFファイルと3枚組のカードの送付 / 横浜市歴史博物館ペア招待券 / 御礼カード(PDF)と「緒形拳研究会」Webサイトのログイン権
94人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
緒形拳さんに関する資料整理を体験いただける権利です。論文にはスタッフとしてお名前を掲載いたします。作業は4月から7月にかけて6回に分け、1回は10名ほどで開催する予定です(お一人様2回まで)。作業は資料整理のベテランが指導し、学生たちと一緒に整理作業を体験していただくことができます。スタッフTシャツをお贈りします。
(プランA)緒形拳さんの資料整理への参加権 / スタッフTシャツ / 論文謝辞にお名前掲載、製作する冊子の送付 / 論文のPDFファイルと3枚組のカードの送付 / 横浜市歴史博物館ペア招待券 / 御礼カード(PDF)と「緒形拳研究会」Webサイトのログイン権
8人のサポーターが支援しています (限定 30 個)
緒形拳さんの舞台やテレビのメーキングビデオ製作の現場を見学していただける権利です。緒形拳氏のマネージャーがドラマや映画、舞台の現場にてメイキングビデオを撮影していた「プライベート映像」を、展覧会開催中に上映する予定です。作業は5月から7月まで5回を予定しております(お一人様2回まで)。スタッフTシャツをお贈りします。
(プランB)ビデオ編集見学 / スタッフTシャツ / 論文謝辞にお名前掲載、製作する冊子の送付 / 論文のPDFファイルと3枚組のカードの送付 / 横浜市歴史博物館ペア招待券 / 御礼カード(PDF)と「緒形拳研究会」Webサイトのログイン権
2人のサポーターが支援しています (限定 20 個)
展覧会期間中に開催される講演会・座談会などの企画 ( 4回ほど ) に抽選なしでご招待し、特別席でご覧いただきます。画像は会場のイメージです。
(プランC)展覧会企画へのご招待 / 論文謝辞にお名前掲載、製作する冊子の送付 / 論文のPDFファイルと3枚組のカードの送付 / 横浜市歴史博物館ペア招待券 / 御礼カード(PDF)と「緒形拳研究会」Webサイトのログイン権
5人のサポーターが支援しています (限定 10 個)
2020年7月19日(日)に、緒形拳さんゆかりの場(大船を予定)で開催予定のアーカイブ・カフェ ( 軽食つき ) にご招待いたします。1支援につき合計2名までご参加になれます。当日は、ビデオ上映会や研究成果の中間報告などを予定しています。
緒形拳さんアーカイブ・カフェへのご招待(1名まで同伴可) / 論文謝辞にお名前掲載、製作する冊子の送付 / 論文のPDFファイルと3枚組のカードの送付 / 横浜市歴史博物館ペア招待券 / 御礼カード(PDF)と「緒形拳研究会」Webサイトのログイン権
6人のサポーターが支援しています (限定 12 個)
論文の謝辞と製作する冊子にお名前を掲載いたします。また、3枚組カード5セット、横浜市歴史博物館ペア招待券5セット、冊子5冊をお送りします。
論文と冊子にお名前掲載(企業様向け) / 製作する冊子の送付(5冊) / 論文のPDFファイルと3枚組のカード(5セット)の送付 / 横浜市歴史博物館ペア招待券(5セット) / 御礼カード(PDF)と「緒形拳研究会」Webサイトのログイン権
2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
緒形拳さんの書をお送りします。
緒形拳さんの書「証明書付き」 / 緒形拳さんアーカイブ・カフェへのご招待 / 論文謝辞と冊子にお名前掲載、製作する冊子の送付 / 論文のPDFファイルと3枚組のカードの送付 / 横浜市歴史博物館ペア招待券 / 御礼カード(PDF)と「緒形拳研究会」Webサイトのログイン権
1人のサポーターが支援しています (限定 1 個)
緒形拳さんの自筆色紙をお送りします。※どちらになるかは確約できませんので、その旨ご了承ください。
緒形拳さんの自筆色紙 / 緒形拳さんアーカイブ・カフェへのご招待 / 論文謝辞と冊子にお名前掲載、製作する冊子の送付 / 論文のPDFファイルと3枚組のカードの送付 / 横浜市歴史博物館ペア招待券 / 御礼カード(PDF)と「緒形拳研究会」Webサイトのログイン権
2人のサポーターが支援しています (限定 2 個)
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。
御礼カード(PDF)と「緒形拳研究会」Webサイトのログイン権
15
人
が支援しています。
(数量制限なし)
論文のPDFファイルと3枚組のカードの送付 他
33
人
が支援しています。
(数量制限なし)
論文謝辞にお名前掲載、製作する冊子の送付 他
94
人
が支援しています。
(数量制限なし)
(プランA)緒形拳さんの資料整理への参加権 他
8
人
が支援しています。
(限定 30 個)
(プランB)ビデオ編集見学 他
2
人
が支援しています。
(限定 20 個)
(プランC)展覧会企画へのご招待
5
人
が支援しています。
(限定 10 個)
緒形拳さんアーカイブ・カフェ ( 軽食つき ) へのご招待(1名まで同伴可) 他
6
人
が支援しています。
(限定 12 個)
論文と冊子にお名前掲載(企業様向け) 他
2
人
が支援しています。
(数量制限なし)
(プランB)緒形拳さんの書「証明書付き」 他
1
人
が支援しています。
(限定 1 個)
(プランA)緒形拳さんの自筆色紙 他
2
人
が支援しています。
(限定 2 個)