【プロジェクト終了のご報告】
おかげさまで、70名を超えるサポーターの方から、当初の目標を大きく超えて多大なご支援を賜ることができました。この場を借りて御礼申し上げます。
UJAアンケート2019は引き続き回答を受け付けておりますので、以下のURLからご協力いただければ幸いです。
https://forms.gle/7PPiN1CS2fC7DZkYA
今後も、世界で活躍し日本を主導する若手研究者の支援に向けてUJAは尽力して参ります。ご支援・ご指導の程どうぞよろしくお願い申し上げます。
田中奈穂美
これまで日本のアカデミアは、世界の科学技術の促進において重要な役割を果たしてきました。ここ数年の日本人ノーベル賞受賞者の数がこれを輝かしく示しています。しかし、これらの多くは数十年前の科学的な発見の成果であり、近年いくつかのレポートが大変残念なことに現在の日本の科学技術の衰退を示しています。
さらに最近では、文部科学省『柴山イニシアティブ』でも言及されているように、日本の論文の質・量ともに国際順位が下がり、我が国の研究力の相対的な低下が声高に叫ばれています。現在海外に留学している日本人研究者たちは、この状況を現場の肌感覚で感じており、日本の科学技術の孤立と停滞に対する危機感を共有しています。
このような危機感を持った研究者たちが集まり、2012年に海外日本人研究者ネットワーク(United Japanese researchers Around the world: UJA)は発足しました。留学を考える人へ情報・支援を提供する窓口の整備、日本・国際舞台において活躍し続けるための支援とキャリアパスの透明化、教育・科学技術行政機関との情報交換および連携を行うことで、日本のサイエンスの活性化を目指しています。これまで私たちは、日本分子生物学会、日本生化学会などの学会活動を通して、留学経験者の言葉を伝えることで若手研究者の海外留学をサポートしてきました。
研究者の海外留学(研究留学)は必要不可欠な経験なのでしょうか? インターネットを使ったり、定期的に国際学会に参加したりすれば、十分に情報を得ることができます。わざわざ研究拠点を海外に移さなくても、国内で国際的な研究活動は遂行できるのです。若い研究者にとって海外留学はリスクが多く、経済的、精神的な困難ばかりが頭をよぎってしまうかもしれません。しかし私たちUJAは、それでもあえて以下の3つの点から研究留学を推奨しています。
ひとつ目は、海外における異分野融合です。国際学会の参加は、自分の関心あるものに限られ、特定の分野での国際連携にしか繋がりません。研究留学によってさらに幅広い人的ネットワークの形成が可能であり、関心がなかった分野との交流を増やすことができます。2つ目は外からの視点です。研究推進やラボ運営の方法など研究に関することはもちろん、国外から見ることで初めて日本の現状や世界における位置を知ることができます。これは日本国内だけでは決して実感することができません。3つ目は、機会の増大です。研究助成費、アカデミアのポジション、国際的コンソーシアムへの参加など、世界中からより多くのチャンスを掴む確率が格段に上がります。
個別の分野に限ってみると、研究留学することが必ずしも研究業績の向上につながるわけではないかもしれません。しかし、未来を切り開く研究者のキャリアパスとして考えたとき、研究留学は単純な業績アップ以上のかけがえのない財産となるのです。また、留学経験者の増加と周囲への影響が、将来的に日本の科学技術の孤立や衰退に歯止めをかけるのではないかとも考えています。
そうはいっても研究留学に対して不安要素があることは重々承知です。その要因のひとつが研究留学に関する情報がまばらで集約されていないことだと考えています。もし留学経験やその実態に関するさまざまな情報収集と解析を行い、留学を検討している研究者に届けることができれば、不安を解消できるかもしれません。
そこで今回、UJAに参加している海外日本人研究者コミュニティに所属する6000人に及ぶ日本人研究者、および、今後留学をする可能性のある若手研究者を対象とした大規模アンケートを企画しました。留学中、あるいは留学経験のある日本人研究者を対象に、研究留学を成功に導くために気をつけるべきポイントを統計的に解析することや、どのような人が留学を志す傾向にあるかなどを明らかにするための解析を行うことを目的とします。さらに、留学中の研究者が日本に帰ってきたいと思う条件などキャリアパスの整備を提案します。
アンケートを進めるにあたっては、公衆衛生や社会学の専門家と協力して内容を吟味し、調査・解析したいと考えています。そして解析結果は、UJAのWebサイトで情報提供するだけでなく、学会での発表や科学雑誌の論文にまとめることを目標にしています。また論文をもとに日本語の総説を執筆し、一般の人にもわかりやすく紹介します。
さらに日本学術振興会(JSPS)、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)、日本医療研究開発機構(AMED)とも協力しながら、このアンケート結果を参加していただいたみなさまへフィードバックし、留学を考えている人たちへの貴重な情報源、文部科学省をはじめ公的機関における政策・行政に反映していただくための根拠として提示します。
今回の研究費は、このアンケート結果の解析と論文掲載の費用、およびUJAの運営費用に充てます。UJAの構成メンバーは、大学生、大学院生、博士研究員、大学教員、企業研究員など幅広い層からなり、全員がボランティアとして活動しています。運営資金は寄付や企業様からの広告収入に依存しており、UJAの目標を達成させるには十分な資金力がありません。そこで今回、UJAとしては初の試みであるクラウドファンディングに挑戦し、活動にご興味のあるみなさまからのサポートをお願いすることにしました。
また、私たちはクラウドファンディングに挑戦することを通じて、広く一般の方々にも、私たちの持っている日本の科学技術の孤立と停滞に対する「危機感」を共有したいと思っています。私たちは、日本のアカデミアが国際的に孤立することなく、今後も輝き続けていくために、若手研究者の海外留学をサポートし、留学経験のメリットを最大化するキャリアパスにつなげることで、日本のアカデミアにおける「頭脳循環」を促進するための活動を今後も続けていきます。ご支援のほどよろしくお願いいたします。
海外日本人研究者ネットワーク(UJA)
海外日本人研究者ネットワーク (United Japanese researchers Around the world: UJA):
海外の日本人研究者のキャリアにおける相互支援の場として、留学を検討する方への情報提供や支援の場として、そして教育・科学技術行政機関との情報交換および連携の場として、2012年に発足。現在までに日本の一般社団法人とアメリカのNPO法人を設立し、国際的な取り組みを推進している。
佐々木 敦朗 (ささき あつお):シンシナティ大学医学部准教授;慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授;広島大学大学院医系科学研究科客員教授;海外日本人研究者ネットワーク(UJA)会長。2002年に米国での独立を目指し留学。国際的研究者への修行の滝に打たれること10年、2012年にシンシナティ大でラボを開設。日本と日本人研究者の素晴らしさを認識する一方、情報不足が留学とキャリアそしてサイエンス発展の障壁になっていることを痛感する。みなで繋がり生み出される力が、研究者個人とサポーターの皆さま、そして人類のより豊かで明るい未来を拓く。UJA一同の信条であり原動力である。Lab HP: http://www.thesasakilab.org/index_j.php
本間 耕平(ほんま こうへい):慶應義塾大学医学部眼科学教室、特任助教。慶應義塾大学理工学研究科後期博士課程2008年修了(理学博士)。理化学研究所研究員を経て、2012年UJA発足に関わる(当時、アメリカ国立衛生研究所研究員)。現在、UJA学術・イベントワーキンググループリーダー。専門は、網膜細胞生物学、神経科学、バイオイメージング。iPS細胞から網膜細胞組織を分化誘導し、網膜変性疾患における視覚機能の再生や治療法開発を目指す。
三嶋 雄太(みしま ゆうた):京都大学 iPS細胞研究所 特定研究員/T-CiRA program Sub-PI。医薬学博士。専門はエピジェネティクス、再生医療、血液学、腫瘍免疫学、レギュラトリーサイエンス。薬学部を卒業後、大学院在学中にiPS細胞を世界で初めて事業化したバイオベンチャー企業のアメリカ支店設立プロジェクトに参画。その後ボストンへ渡米、ハーバード大学医学部・ベスイスラエルメディカルセンター研究員を経て現職。iPS細胞技術と遺伝子改変免疫細胞を組み合わせた次世代型がん治療製品の実用化を目指し、現在はiPS細胞研究所と武田薬品工業の共同プログラム(T-CiRA)にて研究開発に従事。
UJAでは広報ワーキンググループリーダーを担当。ボストンで19年目を迎える最大の日本人研究者コミュニティ、ボストン日本人研究者交流(BJRF)日本支部幹事長など、ボストンや海外研究者のコミュニティの形成、留学支援活動も行っている。
時期 | 計画 |
---|---|
2019年9月 | クラウドファンディング挑戦 |
2019年10月頃 | アンケート調査開始 |
2019年11月末 | クラウドファンディング終了 |
2019年12月5日 | 日本分子生物学会「留学のすゝめ」イベント |
〜2020年はじめ | アンケート終了 |
2020年1Q | アンケート結果解析 |
2020年2Q | 論文執筆 |
2020年3Q | 「留学のすゝめ」イベントでの結果発表+学術誌投稿 |
2020年4Q | 学術誌掲載 |
調査結果をレポートにまとめてお送りします。応援よろしくお願いいたします!
研究報告レポート(PDF版)
16人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
2019年12月5日の日本分子生物学会「留学のすゝめ」シンポジウムにおける本調査に関する発表資料(電子版)を送付いたします。
学会発表資料(PDF版) / 研究報告レポート(PDF版)
20人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
2019年12月5日の日本分子生物学会「留学のすゝめ」シンポジウムにて本調査に関する発表をする際、謝辞にお名前を掲載させていただきます。また、発表資料(電子版)を送付いたします。お力をお貸しください。応援よろしくお願いいたします!
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 学会発表資料(PDF版) / 研究報告レポート(PDF版)
11人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
UJAのHPにお名前を掲載させていただきます。
UJAのHPにお名前掲載 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 学会発表資料(PDF版) / 研究報告レポート(PDF版)
17人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
本調査成果を発表する際の謝辞にお名前を掲載させていただきます。※研究成果をまとめられるよう努力いたしますが、論文の掲載に至らない可能性もございますこと、ご承知おきいただけますと幸いです。
論文謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版) / 学会発表資料(PDF版) / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / UJAのHPにお名前掲載
4人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
2019年12月5日の日本分子生物学会「留学のすゝめ」シンポジウム後の懇親会/ネットワーキングイベントにご招待いたします(なお、会場までの交通費はご負担ください)。
ネットワーキングイベント参加 / 論文謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版) / 学会発表資料(PDF版) / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / UJAのHPにお名前掲載
1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
2019年12月5日の日本分子生物学会「留学のすゝめ」シンポジウム後の懇親会/ネットワーキングイベントにご招待いたします(なお、会場までの交通費はご負担ください)。
ネットワーキングイベント参加(企業様向け) / 論文謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版) / 学会発表資料(PDF版) / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / UJAのHPにお名前掲載
1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
著書「研究留学のすゝめ!」(羊土社)に、UJAのメンバーのサインを入れてお送りします。
研究者のサイン入り著書「留学のすヽめ!」 / ネットワーキングイベント参加 / 論文謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版) / 学会発表資料(PDF版) / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / UJAのHPにお名前掲載
1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。
研究報告レポート(PDF版)
16
人
が支援しています。
(数量制限なし)
学会発表資料(PDF版) 他
20
人
が支援しています。
(数量制限なし)
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 他
11
人
が支援しています。
(数量制限なし)
UJAのHPにお名前掲載 他
17
人
が支援しています。
(数量制限なし)
論文謝辞にお名前掲載 他
4
人
が支援しています。
(数量制限なし)
ネットワーキングイベント参加 他
1
人
が支援しています。
(数量制限なし)
ネットワーキングイベント参加(企業様向け) 他
1
人
が支援しています。
(数量制限なし)
研究者のサイン入り著書「留学のすヽめ!」 他
1
人
が支援しています。
(数量制限なし)