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精神障害者の持つ力に着目して、災害を生き抜く人・まちづくりへ!

月額支援型

堀田 有沙

京都大学、修士課程

挑戦期間

2024/04/22 - 2025/03/31

最終活動報告

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活動報告

0回

サポーター

0人

経過時間

2024/04/22 10:00:00

挑戦者の自己紹介

堀田 有沙

 私は被災地のボランティア活動を通じて、被災された方々の困難を目の当たりにしました。そこで災害看護に関心を持ち、精神科で看護師経験を積みました。
 未曾有の災害が起こる中、日頃から災害への当事者意識を持つことで守れる命や生活があります。地域住民がwell-beingに過ごせる防災・減災の可能性を研究していきたいと考えています。

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

 私は、「災害を生き抜く人・まちづくり」を目指しています。

 日本は多種多様な自然災害が発生する国であり、近年の気象災害の激甚化や頻発化、大規模地震の発生確率の高まりなどは、人々の生活や社会に多大な影響を与えることが予想されます。

 今後はより災害に対して当事者意識を持って行動に移すことが求められます。それは障害の有無に関係なく必要なことです。特に精神疾患においては、被災後の新規発症や予防に注目が置かれ、既に発症している患者は研究対象外として扱われることが多いように感じます。

 また、災害に関する障害者の実態調査は、障害の種類を区別せずまとめて障害者として報告しているものや、視覚的に支援の必要度が高いことが分かりやすい身体障害者を中心に報告されているものが多いです。

 これらのことから、精神障害者の災害時の問題が潜在化している可能性があります。災害時に向けて一様に障害者とまとめて支援していくことは、「災害を生き抜く人・まちづくり」を目指す上で果たして適切なのか疑問を抱きました。

 そのため、災害を生き抜く上で精神障害者自身が災害時のことを考え行動しようとする思いも大切にしていきたいと思っています。

どのようなプロセスで実現しようとしていますか?

 精神障害者は障害特性によって災害の影響を大きく受けやすく、精神疾患外来患者数は年々増加していることから、今後地域で被災する精神障害者が増加すると思われます。特に地震災害は、突発的で迅速な対応が求められるため、日頃の備えが大切です。

 今まで防災教育等主体的に参加する機会が十分になかった精神障害者の方々も、「災害を生き抜く」上で、自分の身を守る自助の力が必要です。自助によって、共助や公助がより有効に働くと考えます。

 災害時は想定外のことが発生しやすく、災害時の困りごとを完全に予測することは難しいです。障害があることで非力に思われる精神障害者が、精神障害を抱えながら自分にできる備えを考えることは、災害対策における精神障害者の主体的参加の第一歩となり、「災害を生き抜くまちづくり」を考えるきっかけにもなります。

 そのために、今回の研究ではアクションリサーチを用います。アクションリサーチとは、理論と実践の橋渡しのような研究であり、研究者自身が現場に入ってアクションを起こし、その過程や結果を分析します。アクションリサーチによって、地域で生活する精神障害者の方々と、今できる備えについて一緒に考えていきます。

現在取り組んでいる研究課題はなんですか?

 今回の研究では、どこに避難すればいいか分からない等、地震災害で起こり得るシチュエーションを設定し、そこから地域で生活する精神障害者の方々と一緒に、今できる災害への備えについて意見交換をしていきます。

 現在は地域のデイケア施設において、精神障害者の方々とこの意見交換を行うための準備を行っています。地域で生活する精神障害者の方々は、災害への備えについてどのような考えを持っているのかなど、意見交換における発言内容を分析したり、この意見交換による災害への関心などの変化についてデータを収集したりすることで、災害への備えについてどのような内容が得られるか明らかにしていきます。

 さらにその結果をもとに、精神障害者が災害対策に主体的に参加していけるように論文をまとめる予定です。

なぜacademistに挑戦していますか?

 皆さまと一緒に「災害を生き抜くこと」を考えていきたいからです。

 第1に、いつ発生するかわからない災害への対策を継続していくことは簡単ではありません。また、誰かと共に考える機会も少ないと思います。特に、精神障害者に関することは身近に当事者がいないとなかなか考える機会がないかと思います。academistへの挑戦を通じ社会に向けて私たちの研究を発信し、皆さまと一緒に災害対策を意識するきっかけにしたいと思います。

 第2に、災害対策はさまざまな専門職がつながりそれぞれの知見を共有できる分野だと思います。そのため災害分野に少しでも関心のある研究者と交流する機会になることも期待しています。

 最後に、皆さまからの支援金は、研究のための教材など、研究成果につながるものに有効活用したいと考えています。活動報告を通じて、看護職の専門性を活かした知見を共有し、さまざまなバックグラウンドを持つ皆さまと一緒に「災害を生き抜く人・まちづくり」を考えていきたいです。応援よろしくお願いします!

推薦者コメント

塩見美抄
京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 准教授

今年も、災害によって人々の命と生活が脅かされる事象が発生しました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。災害は個人の状況や脆弱性とは無関係に発生します。しかし、被災時にどう生きるかは、個人の力が大きく影響します。だからこそ、災害弱者と言われる人々が災害を生き抜く力を高める事が重要です。今回大学院生は、精神障害者自身の災害を生き抜く力を高める研究に挑戦します。経験を活かし、当事者と共に知見を生み出そうとするこの研究に期待しています。

平和也
京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 助教

日本は災害大国であり、今後も南海トラフや首都直下型地震などの大規模地震や気候変動による水害の発生が予測されています。各地方自治体が災害対策を行っているものの、精神障がい者などの特別な配慮を要する住民への支援は多くの課題があるのが現状です。精神科での看護師経験を持つ堀田さんの研究が、彼らの声を直接聞き、災害時の具体的な支援策を地域社会に提案することで、すべての人が安心して生活できるまちづくりへの貢献できることを心より願っています。

研究計画

時期 計画
2024年4月 月額支援型クラウドファンディング開始
2024年7月 データ収集
2024年8月 データ分析
2024年10月 論文執筆開始
2025年2月 修士論文発表会

リターンの説明

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