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ヒト腸内細菌の定着メカニズムを「腸管モデル」で解明する!

Monthly academist Prize 2nd adopted

Keisuke Nomura

筑波大学、2nd year of master course

Challenge period

2022-11-01 - 2026-03-31

Final progress report

Wed, 17 Apr 2024 14:56:34 +0900

Progresses

21 times

Supporters

9 people

Elapsed time

Tue, 01 Nov 2022 10:00:00 +0900

Profile

Keisuke Nomura

筑波大学大学院修士2年の野村佳祐です。微生物研究の道に進んだきっかけは、小5から現在まで続けている陸上競技です。陸上競技は、己の限界に挑戦する過酷なスポーツであり、その競技力向上のためには、究極の肉体と運動機能が求められます。私は、自身の競技力向上のための方法として、筋トレ、走り方の技術、走りの練習メニュー、栄養管理等を試してきました。その過程で「新しい方法を作り、ヒトの身体をさらに強化できないか」と考え始め、未解明な点が多い腸内細菌の機能からアプローチするために腸内細菌の研究をスタートさせました。陸上も続けながら、自他ともに「強いヒト」へ進化させる事を目指し、これからも邁進してゆきます。

What do you want to achieve through your research?

私の夢は、腸内細菌のチカラで世界中の人々をより健康に、より強くする事です。

現在、日本をはじめとする多くの先進国では、少子高齢化に伴って国民一人当たりの医療費負担が増加しており、それを肩代わりする政府の財政を逼迫しています。そのような背景から「高齢となっても医療に頼らずに健康を維持できる社会」が求められています。また、スポーツ、音楽、登山など、面白い娯楽がたくさんある現代社会の中で、このページをご覧の皆様の中には、より元気に、より長く人生を楽しみたいと考える人も多いと思います。健康に暮らしたいと考える人々にとって、腸内細菌はとても強力な味方になってくれます。

ヒトの腸管には約100兆匹もの細菌が生息しており、その中には、ヒトの免疫、認知機能、運動機能、筋肉量などを向上させる細菌も存在する事が知られています。そのような有用な細菌をヨーグルトなどの発酵食品や、整腸剤などの医薬品に応用する事で、ヒトをもっと強く、健康にできる可能性が眠っているのです。そんな腸内細菌の可能性をさらに高めるために、腸内細菌の基礎研究を行っています。

What kind of process are you trying to achieve?

腸内細菌の腸管への定着性を細菌種ごとに比較・解析し、その定着性をコントロール可能な方法を開発したいと考えています。

そのためのプロセスとしてまず、腸内細菌のヒト腸管への定着性を解析する技術を開発します。意外にも、体外からやってきた細菌が、ヒトの腸管にどれだけ定着するかは未解明です。現在、様々な腸内細菌のヒトへの定着性を比較するために広く行われているのは、「ヒトに特定の腸内細菌を摂取してもらい、その後ヒトが排泄した糞便に含まれる、その細菌の菌体量を調べる」という研究です。しかし、この方法では実際にどれだけの菌体量が腸内に留まってヒトに影響を与えているかを解明できません。そこで本研究では、実際の腸管の物理的環境を再現した「腸管モデル」を開発し、腸内細菌の腸管モデルへの定着性を細菌種ごとに比較・解析を行います。

What research topics are you currently working on?

実際の腸管の物理的な環境を再現した「腸管モデル」の開発を行っています。現在、腸内のような低酸素環境や微細な凹凸などを再現した環境の中で腸内細菌を培養・観察する事を目指し、μmスケールで構造をデザイン可能な流路である「マイクロ流体デバイス」を設計・開発中です。

本技術を開発した後、腸内細菌の腸管モデルへの定着性を細菌種ごとに比較・解析を行います。さらにヒトの健康に有益な細菌の定着性を向上させる条件、あるいは有害な細菌の定着性を低下させる条件(例:栄養、他の細菌の存在… etc.)を解明する事で、究極的には、ヒトに定着する腸内細菌種を人為的にコントロール可能な食品・医薬品の開発に繋げてゆきたいと考えています。

Why are you challenging Academist?

私がacademistに挑戦する理由は、研究費を獲得して研究を大胆に推進したいというだけではなく、研究現場の実際や自身の研究テーマの意義を伝える事を通して、私自身が目指す「社会とともにある研究者」に近づけると考えているためです。

私を含め、多くの研究者は「社会課題を解決する知識を見出し、現在・未来の人類を幸せにする事」を目指しています。しかし、一般社会から「研究者」と聞くと、「自分の好奇心を追求してるだけ」と誤解されて冷遇される事も少なくありません。この現状は研究者側にも責任があり、伝え方や、伝えようとする熱意と行動が、求められていると感じます。

私は、academistの支援者の皆様とともに、ヒトがより健康に暮らせる社会を作っていければ幸いです。

Recommender Comment

野村暢彦
筑波大学生命環境系 教授

彼は腸内細菌の働きを解明する事でヒトの健康に貢献したいという思いから微生物研究の世界に飛び込みました。彼には「困難な課題に挑み続ける熱意」、「自ら研究を発展させる力」があります。既存の方法で乗り越えられない壁を、自ら試行錯誤して開発した方法で乗り越えてきました。本テーマも自発的に発案し、必要な方法も彼自身が構築しました。さらに、世界で活躍するために重要な「研究を伝える力」と「語学力」に関しても、学会への積極的な参加や留学生との協働を通して大きく成長させました。博士に進学する彼が研究者としてさらに成長する事を期待し、応援します。

Andrew Utada
筑波大学生命環境系 准教授

野村くんとは学部時代からの付き合いです。彼は自主的に行動し、基礎と応用の両方の研究プロジェクトに熱心に取り組む学生です。自発的にアイデアを出し、それを実行に移すことができる科学者に成長しつつあります。加えて、学術研究の国際的な協働がますます進む世界において、彼は日本語と英語の両方で効果的にコミュニケーションする能力を身につけつつあります。彼は学術界や社会の発展に貢献する研究者に成長する道を歩んでいるのだと、確信しています。

Project timeline

Date Plans
2022年10月 実験を進めてデータ取得
2023年3月 日本細菌学会で発表
2023年6月 論文執筆開始

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