

挑戦期間
2022/11/01 - 2027/10/31
最終活動報告
2026/04/04 22:43:37
活動報告
72回
サポーター
32人
経過時間
2022/11/01 10:00:00

このプロジェクトは制約理論(TOC)という理論とEvidence Based Managementを用いて研究へのファンドレイジング実務を改善し、それによって日本の大学の未来を変え、より望ましい変化を世の中に起こそうというものです。
制約理論で最も重要な概念は「制約」ですが、この言葉よりも「ボトルネック」という言葉の方が知られているかもしれません。
Google trendsで調べてみると、bottleneckという検索語の検索需要が、2025年末ごろから日本では劇的に増えているということが分かります。
これは世界的な傾向であり、その中身は、bottleneck calculator(パソコンのGPUとCPUなど、どの部分がボトルネックになっているかを特定するサービス)が多いようです。
もちろん、生成AIがごく普通に使われるようになる中で、
・米国のAI計算能力拡大の最も厳しい制約は電力供給だ
・AIのスケーリングを妨げるのはハードウェア制約だ
といった話に関連した検索需要も混ざっているようです。
いずれにせよ、ボトルネックという単語を検索する人がどんどん増えていることは、やはりこの概念が、状況が変化した時に何をすべきか、という実務的な問いに答えてくれるのではという期待を抱かせるものであることを示していると思います。
一方で、この研究プロジェクトを通じて分かってきたことは、ボトルネックによってシステムを改善できる場合と、そうでない場合の違い、つまりTOCが適用できる境界条件です。
ボトルネックを特定し、そこに適切な資源を再配置して、その結果としてアウトプットが望ましい変化を起こしたかを確認する。
この作業を、AIやロボットができる産業もあれば、原理的にそれが不可能であるような産業もあります。
一般的には、製造業は前者の典型例であり、教育などは後者の典型例である、と思えるかもしれません。
しかし、物事はそこまで単純ではありません。
典型的には、目的関数が比較的明確で、工程が観測可能で、介入の結果が短い時間で測れる産業では、AIやロボットがかなり深く入れます。
逆に、何が「望ましいアウトプット」か自体が多義的で、評価が価値判断に依存し、介入対象が人間の意味世界そのものである産業では、原理的な限界があるわけです。
そしてこの二つは、じつは製造業であっても、教育業界であっても、組み合わさっていること、混ざり合っていることがよくあります。
雇用を全部AIに置き換えれば良いのだけれど、会社には社員の雇用を守るという意味もある。
教育の重要な目的関数のひとつを学習の到達度だと考えた時に、教師がそれに関係ない仕事に従事している時間を減らすべく制約を取り除くのが最適であるが、それが徹底されていない。
このように、「制約特定によるアウトプット向上」というシステマチックな打ち手と、「意味的・解釈的・多義的な営み」が混ざり合っているから難しいということが分かってきました。
さて、原理的には、この二つを峻別することができれば、解決は進むということになります。
その峻別にAIをどう使うか?ということが重要です。
少し長くなったので、続きは次回にしたいと思います。