Challenge period
2022-11-01 - 2027-10-31
Final progress report
Tue, 07 Oct 2025 19:37:48 +0900
Progresses
65 times
Supporters
37 people
Elapsed time
Tue, 01 Nov 2022 10:00:00 +0900
京都大学で所属している研究部門のウェブサイトができました。
京都大学成長戦略本部 Beyond 2050 社会的共通資本研究部門
https://www.beyond2050.iac.kyoto-u.ac.jp/lp/
社会の共有財産をどのようにつくり、育てることが可能なのか?という問いを、寄付などの財源の面から探求していこうと思います。
このプロジェクトは日本の大学を対象にしていますが、大学もまた社会的共通資本(Social Common Caiptal:SCC)です。
日本に住む私たちはこれまで、医療、文化(観光地など)、学術研究、自然資源(水源など)といった、さまざまなSCCが生み出すゆたかさを享受してきました。
近年、日本のインターネット上で喧伝されている「外国人」に対する反感は、こうしたSCCが誰のものであるか、誰に対してSCCへのアクセスが許諾されるべきか、という問題と切り離せないように思います。
・自分たちの医療システムが、外国人にフリーライドされるのは許せない。
・自分のふるさとの森が買われ、水源が奪われるのは恐ろしい。
・自分の国の大学が、留学生で埋め尽くされるのはけしからん。
・観光地が外国人観光客でいっぱいで、地元の住民としては迷惑だ。
こうした声をインターネット上で目にしない日はないようにも思います。
また、このような感情を刺激することで、経済的利益や政治的利益を得ようとするアクターもいます。
医療ツーリズムのように、SCCによっては利用に対して多額の費用を払っているケースもあります。
そのような場合は「フリーライド」とは言えないかもしれませんが、逆に「お金を払いさえすれば、どこの国のどんな共有財産にでもアクセスして良いのか?」というような違和感も残りそうです。
これらの問題は、私が専門とする経営学やマーケティングだけで考えられる範囲を(かなり)超えています。
だからこそ、冒頭に示したような研究部門で、様々な分野の研究者と一緒に、また研究者以外の実務者の方、市民の方々との対話をもとに、追求していきたいと考えています。
私は、SCCのうち特に制度資本に関心を持っており、アカデミストのプロジェクトと関連性の強い、下記の研究テーマを当部門での課題として設定しました。
「寄付募集のための制度的実践のアクションリサーチ」
https://www.beyond2050.iac.kyoto-u.ac.jp/lp/institution/philanthropic_giving/
今後も、コツコツと研究を進めていきたいと思います。