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「元素戦略」で持続可能な次世代バッテリーをつくる!

五十嵐 大輔

東京理科大学、博士後期課程1年

挑戦期間

2022/05/16 - 2025/03/31

最終活動報告

2022/06/26 20:41:13

活動報告

2回

サポーター

7人

経過時間

2022/05/16 10:00:00

挑戦者の自己紹介

五十嵐 大輔

東京理科大学大学院 理学研究科化学専攻の博士後期課程に在学しています。出身は愛知県の片隅にある豊橋というのどかな街です。普段研究しているキャンパスが都心にあるので、ときどき都会から逃げ出したくなって一人で旅行に出かけるのが趣味です。
学部生の頃は大学のサークル、学生NPO、アルバイト等で子供向けの理科教育ボランティアや科学実験教室・科学系イベントを実施する活動を行っていました。その過程で科学を使った玩具の工作をする機会が多かったのですが、これが意外と今の研究で特殊分析用のオリジナルな電気化学セルの設計を考えるのに役立っています。

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

エネルギーを利用する人々の暮らしがより豊かになるような、それでいて地球環境にも優しい、理想的な蓄電池をつくり出すことを目指した研究を行っています。

現在のスマホやEVの電池として、リチウムイオン電池という電池が使われています。これは一般的に使われている電池の中では最も高い蓄エネルギー密度を持つ優れた電池ですが、その名前の通りリチウム(Li)という元素が製造に不可欠です。Liは地球上での存在量が少ない上、資源が南米など限られた地域に偏っている元素です。今後蓄電池用の需要が増えていくことで、Li資源の過剰な消費による環境への悪影響が懸念されています。

そのため、今のリチウムイオン電池並みのエネルギー密度を維持しつつ希少元素の使用量を減らしたり、資源の豊富な他の元素で置き換えたりした次世代の蓄電池をつくり出すことで、資源問題の解決や持続可能な社会の実現に貢献できると考えています。希少元素の使用量を減らせば原料の低コスト化が可能なので、電池全体の低価格化も実現できると考えています。

どのようなプロセスで実現しようとしていますか?

希少元素の資源問題に対するアプローチとして、最近では「元素戦略」と呼ばれる考え方が知られるようになっています。これは物質や材料の中での各元素の役割を詳しく研究することで、希少元素を身の回りにありふれた元素に置き換えた新しい物質・材料を開発していくという考え方です。

私はこの元素戦略の発想に則り「元素周期表でタテに並んでいる元素同士は似た性質を持っている」という基本的な化学の原則を利用して、元素周期表でLiの1つ下に位置するナトリウム(Na)や、さらに1つ下のカリウム(K)をLiの代わりに使う「ナトリウムイオン電池」や「カリウムイオン電池」といった次世代の電池をつくることを目指しています。

NaやKはLiと比べてイオンのサイズが大きく、そして重い元素です。リチウムイオン電池に含まれるLiを単純にNaやKに置き換えるだけでは電池全体が大きく、重くなってしまう(エネルギー密度が減ってしまう)場合がほとんどです。リチウムイオン電池用の物質の流用ではなく、NaやKの特異的な大容量貯蔵が可能な新しい材料を探索していく必要があります。

現在取り組んでいる研究課題はなんですか?

蓄電池を構成する様々な材料の内、私の場合は特に[1]負極(電池のマイナス極)用の炭素材料や、電池内部のNaやKイオンイオンの通り道である[2]電解液に着目した研究を行っています。

[1] ナトリウム・カリウムイオン電池負極用の炭素材料の新規合成と分析
負極材料として、多孔質な非晶質炭素材料の合成と評価を行っています。原料と合成方法を工夫することで、Na, Kを多量に貯蔵できる(=大容量の充電ができる)新しい炭素材料を合成しています。合成した材料の一部では一般的なリチウムイオン電池の負極材料(黒鉛)を大きく超える容量を持つものも得られており、詳しい充放電のメカニズムについても研究しています。

[2] 新規な電解液のナトリウム・カリウムイオン電池への適用
液中のNaやKイオンの濃度を極限まで高めた「濃厚電解液」や、イオンのみから構成される液体である「イオン液体」といった特殊な液体を電池の電解液として採用し、ナトリウム・カリウムイオン電池への適合性を調査しています。最適な組成の液を使用することで、電池の高電圧化や長寿命化が期待できます。

なぜacademistに挑戦していますか?

最近ではSDGsの観点から蓄電池技術に対する世の中の関心が高く、次世代電池の研究に多くの期待が寄せられているのを感じます。もともと研究を始める前から科学技術と社会との関係や、学術研究の社会的な価値について関心を持っていたこともあり、学会発表や論文投稿以外の手段でも多くの方に情報を発信したいと考え、リターンを通じて支援者の皆様と双方的な関係を築ける学術系クラウドファンディングに挑戦することにしました。

また大学院で勉強や研究を続ける過程で、世の中は「すごい!」「おもしろい!」と思える学術研究に溢れていることを日々実感しています。私を含め、皆が自由に好きな研究や研究者を応援できる世の中になったら良いな、と感じています。
私の研究に興味を持ってくださる方・考え方に共感していただける方は、ご支援をいただけると嬉しいです。皆様からのご支援は、実験器具・試薬の購入費・学会発表のための参加費・海外渡航費、大学院の学費等に使用させていただきます。
研究の進捗に加え、現在の電池研究のトレンドや過去の研究背景、私自身の研究生活などについて発信していきたいと思っています。

推薦者コメント

駒場 慎一
東京理科大学 理学部 教授

挑戦者は学部生の頃から電気化学や電池材料の研究に関わり、時には民間企業や海外の大学とも共同で次世代電池の研究・開発に取り組んできました。専門分野や立場の異なる研究者との活発な議論や共同研究を通して自らの研究の幅を広げていく、優れたコミュニケーションの能力が挑戦者の長所です。クラウドファンディングへの挑戦を通して、固定的な学術研究の方法に縛られない、自由で多様な研究活動を展開してくれることを期待しています。

山崎 詩郎
東京工業大学 理学院 助教

皆さんが使っているスマホには、小型で大容量なリチウムイオン電池が使われています。しかし、近い将来リチウムは不足し、地球環境にも負荷が…そこで、挑戦者は新しい電池の開発に挑んでいます。さらに、挑戦者は科学をわかりやすく市民に伝える「科学コミュニケーター」の団体代表経験があり、私もイベントでは挑戦者の人脈と器用さに頼りっぱなしでした。科学技術と科学コミュニケーションで地球を救う。そんな挑戦者を、私は強く推薦します。

研究計画

時期 計画
2022年5月 クラウドファンディング開始
2022年9月 国際学会で発表予定
2022年12月 国際誌への論文投稿予定
2023年秋 国内学会(電池討論会など)で発表予定
2023年12月 国際誌への論文投稿予定2
2024年秋 国内学会(電池討論会など)で発表予定2
2024年12月 博士論文提出
2025年3月 クラウドファンディング終了

リターンの説明

330 円/月 (税込)

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4人が支援しています。

(数量制限なし)

1,100 円/月 (税込)

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3,300 円/月 (税込)

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