追記:皆さまのご支援のおかげで、最終的に目標達成金額を50%以上も超えて支援期間を終了させていただきました。これも本プロジェクトに多くのご賛同をいただいたから達成できてことです。本当にありがとうございました。
これからはプロジェクトを実行に移していく段階です。進捗は本サイトでご報告させてただき、ご支援いただいた方々にはプロジェクト実施後にレポートを送付させていただきます。引き続き、応援をいただけますと幸いです。
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御礼が遅れまして申し訳ございませんでした。
支援者となっていただいた皆様のおかげで、オープン期間の半分を過ぎることなく目標の40万円を達成することができました。私たちの研究に興味を持ってくださった方がたくさんおり、多くの応援コメントを頂戴できたことが何より嬉しく、研究に対するモチベーションが一層高まりました。皆様の声にお応えできるよう、メンバー一同、心を新たに研究に邁進していく気持ちです。支援者の皆様、大変ありがとうございました。
残されているクラウドファンディングのオープン期間50日は、セカンドゴールである80万円の支援達成という目標に向けて使わせていただきたいと思います。
皆様の支援、情報拡散が研究を推進する力になっていることを実感しています。今後とも応援のほど、よろしくお願いします。
太陽光エネルギーを効率よく有益に利用する方法を考えることが、いま、重要視されています。太陽光エネルギーは環境に優しい再生可能エネルギーであるためです。ソーラーパネルでの太陽光発電などはその一例で、すでに広く普及しています。小さいところでは時計や電卓の電源として、大きなところでは家庭の電源として実際に太陽光発電を活用されている方もいらっしゃるかもしれません。
太陽光発電では太陽光エネルギーを電気エネルギーへ変換しています。光エネルギーの変換効率に注目すると、最高でも約30%、一般的なソーラーパネルでは10〜20%程度の変換効率です。
一方、太陽光エネルギーから熱エネルギーへの変換の場合、窒化チタンナノ粒子を用いることで約90%以上という非常に高い変換効率が実現されています。そこで私たちは、太陽光エネルギーを熱エネルギーに変換し、それを水の蒸発に効率よく利用することで、海水の淡水化装置を作れるのではないかと考えました。
日常で「晴れた日に海を眺めていたら、水が蒸発する様子が目に見えた」という経験はないと思います。これは太陽光エネルギーを利用しきれていないためです。海水を太陽光によって温め、水分を効率よく蒸発させるために必要とされる材料の性質は、「太陽光を効率よく吸収すること」、そして「熱エネルギーを無駄なく水に伝えること」です。
太陽光を効率よく吸収する(光熱変換の効率が非常に良い)材料として、私たちは窒化チタンナノ粒子に注目しました。窒化チタンナノ粒子は、その表面に光が照射されると「プラズモン共鳴」という現象が起き、太陽光を広帯域に吸収することができます。そして実験の結果、約90%という高効率で光エネルギーを熱エネルギーに変換することが確かめられました。なお、窒化チタン自体は決して新しい材料ではありません。これまで、ドリルの刃等のコーティングやロシア正教会のチャペルの装飾、電子素子の電極材料に使用されてきました。しかし、太陽光を吸収する材料として使うのは新しい試みです。
さらに、この窒化チタンナノ粒子をセラミックウールという綿上のセラミックス素材を化学的に結合させることで複合材料を開発しました。セラミックウールは毛管現象により水を吸い上げることができます。そのため、毛管現象でセラミックウールが吸い上げた水分だけを窒化チタンナノ粒子が局所的に温めるため、水全体を温めることなく水を蒸発させることができるのです。これにより、「太陽光を利用した水の高効率蒸発材料」を開発しました。室内実験では、太陽光の約50%のエネルギーが水の蒸発に使われるという実験結果が得られています。
多くの発展途上国では安全な水を確保できないために困窮している人々が大勢います。また現状、海水を淡水化し生活水に使用するためには、逆浸透膜を用いた大掛かりな海水淡水化プラントが必要であり、これには高額の設備と多くの電力が必須です。
今回私たちが開発した材料に含まれるチタンや、セラミックウールに使われているシリコンとアルミニウムは、地球上に多く存在している物質であり、さまざまな用途で使われている安価な材料です。この新材料を利用することで、太陽光をあてるだけの「簡単な海水淡水化装置」が実現する可能性があります。そして、この装置を使えば、水不足に苦しんでいる多くの人々の生活を改善できるかもしれません。また、日本などの先進国でも災害地や離島などでの使用が考えられます。
一方で私たちのこれまでの研究成果は、人工太陽光を用いた室内実験に留まっています。実用化のレベルに引き上げるには、蒸発させた水の回収機構を含む装置を検討してプロトタイプを製作し、実際の太陽光を使った屋外実験を行うことが欠かせません。
今回、クラウドファンディングに挑戦しようと決めた理由は2つあります。ひとつは、屋外実験を行うための海水淡水化装置のプロトタイプを製作する研究資金が不足していることです。ご支援いただいた研究費は、このプロトタイプの製作費にさせていただきます。今回の研究成果をデスクに眠らせておくのではなく、1日でも早い実用化に向けて前へ進められればと思っています。
もうひとつの理由は、自分の研究成果をできるだけ多くの人と共有したいと思ったからです。「良い材料は世界を豊かにする」と信じて研究に励んでいますが、研究者ひとりでできることには限度があります。材料研究は基礎研究と呼ばれ、実際に製品化するまでには数多くの段階があり時間がかかります。多くの方々にこの研究を知ってもらい、ご支援いただくなかで生まれる出会いやアイデアが、この研究を飛躍的に前進させることにつながると思っています。
「天然のエネルギー源である太陽光を利用し困っている人を救う装置を作る」という目標をみなさまと一緒に実現できたら幸いです。どうかご支援のほどよろしくお願いいたします。
時期 | 計画 |
---|---|
2018年12月 | クラウドファンディング挑戦 |
2019年1月 | 光熱変換素材の作製 |
2019年2月 |
屋外実験準備
|
2019年5月 | 屋外での蒸発実験 |
2019年6月 | 装置の改良 |
2019年7-8月 | 屋外での蒸発再実験 |
2019年9月 | 研究のまとめ |
研究の詳細な進捗などをレポートにまとめてお送りします。応援よろしくお願いいたします!
研究報告レポート(PDF版)
32人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
応用物理学会にて本研究に関する発表をする際、謝辞にお名前を掲載させていただきます。また、発表資料(電子版)を送付いたします。お力をお貸しください。応援よろしくお願いいたします! ※記載の学会発表が叶わなかった場合、その後の学会発表資料の謝辞に必ずお名前を掲載いたします。
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
11人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
サイエンスカフェにご招待いたします。日時は2019年12月で、場所はつくば駅周辺を予定しています。当日は今回の結果を中心にお話しさせていただきますので、ご参加をお待ちしています! ※当日ご参加いただけない場合には、後日資料を共有させていただきます。
サイエンスカフェ参加権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
9人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
今回の実験に使った試料を少量お送りします。よく晴れた日に太陽光をレンズ等で集光すれば水が蒸発する様子を確認できると思います。ぜひご自身の手で実験をお楽しみください!
材料 / サイエンスカフェ参加権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
8人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
本研究成果を発表する際の謝辞にお名前を掲載させていただきます。 ※研究成果をまとめられるよう努力いたしますが、論文の掲載に至らない可能性もございますこと、ご承知おきいただけますと幸いです。
論文謝辞にお名前掲載 / 材料 / サイエンスカフェ参加権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
私たちの研究室をご案内いたします。実験材料を用いたデモンストレーションの見学や光熱変換材料に関する説明をさせていただきます。日時は相談のうえ決定し、場所はつくば市を予定しています。ご参加をお待ちしています! ※どうしてもご参加いただけない場合には、skype等のビデオ通話で意見交換をさせていただきます。
研究室見学ツアー / 論文謝辞にお名前掲載 / 材料 / サイエンスカフェ参加権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。
研究報告レポート(PDF版)
32
人
が支援しています。
(数量制限なし)
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 他
11
人
が支援しています。
(数量制限なし)
サイエンスカフェ参加権 他
9
人
が支援しています。
(数量制限なし)
材料 他
8
人
が支援しています。
(数量制限なし)
論文謝辞にお名前掲載 他
0
人
が支援しています。
(数量制限なし)
研究室見学ツアー 他
2
人
が支援しています。
(数量制限なし)