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脳オルガノイドを作り神経発達障がいの病態を解明したい!

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藤谷昌司
島根大学、教授
Pledged: 1,610,000 JPY
Target Amount: 1,000,000 JPY
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御礼が遅れまして申し訳ありませんでした。
昨日解剖関係の大変重要行事である有終会の総会、慰霊祭、納骨式を無事終了することが出来ました。ほっとしました。
さて、皆様のおかげで、目標の100万円を達成いたしました。このたびは友人、医療関係者、同僚の先生方のみならず(もしかして学生さんも)関連した疾患に思い入れのある一般の方々からも多くのご支援と応援のお言葉をいただき、大変ありがとうございました。普段は狭い世界で仕事をしており、一般の方々からこのように、共感して頂く声を聞くことは少なかったので、ご支援の声をしっかりと受け止めて、可能な限り良い方向を向いて研究室一同頑張って参りたいと存じます。

これだけご支援頂いているにもかかわらず、厚かましいとお思いかもしれません。今後残りの期間ではセカンドゴールとして200万円を目標として、より、積極的に治療開発へ向けた研究準備を行っていきたいと考えております。今後とも応援の程、よろしくお願いします。

Comment from academist staff
患者さんが少ない病気であっても研究を進めたい

miho otsuka

神経内科の医師、神経再生の研究、神経幹細胞の研究を経て、現在は神経発達障がいの病態解明に取り組んでいる島根大学の藤谷さん。その根底には「マイナーな病気であっても研究を進める必要がある」という想いがあるといいます。今回のプロジェクトでは、近年技術開発が進んでいる「脳オルガノイド」に着目しました。iPS細胞から脳オルガノイドをつくり、それを研究に用いることで、より現実に近い環境で病態解明を進めます!

神経再生と神経幹細胞の研究経験を活かす

私はもともとは神経内科の医師で、脳卒中などにより脳に損傷を受けた患者さんをたくさん診療してきました。患者さんが回復する方法をなんとか見つけたいと神経細胞の再生(神経再生)の研究を志し、現大阪大の山下俊英教授の門を叩きました。その後、若い頃からの夢であった留学を果たし、トロント小児病院で研究を進めることができました。

留学先のトロントで出会ったのが神経幹細胞の研究です。神経幹細胞とは、神経細胞などを作り出す元となる細胞のことを言います。トロント小児病院は幹細胞の研究が盛んな研究所です。そのなかでも非常に精力的に活動している研究室のひとつに参加し、幸いなことに、神経幹細胞の異常が脳発達に長期に渡り影響を及ぼすことなどを発見しました。

もともとの神経再生の研究から、トロントで出会った神経幹細胞の研究に身を委ねる形で研究を進めてきましたが、今後はこれらの研究技術を活かして病態の解明をしていきたいと考えています。現在は、脳の発達の病気と考えられている「神経発達障がい」の研究に取り組んでいます。

脳の発達の病気「神経発達障がい」

神経発達障がいとは脳の発達が正常とは異なることで、発達期に発症する障がいです。この障がいは典型的には発達期早期、しばしば小中学校入学前に明らかとなり、個人的、社会的、学業、または職業における障がいを引き起こします。脳の活動を司る神経細胞は神経幹細胞から作り出されるため、脳の発達と神経幹細胞とは切っても切れない関係にあります。

脳の発達について、これまでは特に、遺伝的要因による異常(遺伝子異常)について研究をしてきました。しかし、現在では遺伝子異常に環境的要因が加わることで障がいが起こるのではないかと考えられていることから、ヒトの細胞を用いて、「遺伝的要因+環境的要因による病気の発症」に関する研究を行いたいと考えました。

遺伝的要因と環境的要因を検証

そこで、まず患者さん由来のiPS細胞を樹立し、そのiPS細胞から神経細胞を作って、健常な方から作られた神経細胞と比較します。患者さんのiPS細胞に見られる異常としてはたとえば、うまく神経細胞を作ることができないといったことや、うまく細胞が増えないといったことが挙げられます。これは遺伝的要因による異常と考えられます。

環境的要因としては、母親がウイルス等に感染することにより脳の発生に何らかの影響が及ぼされるということが挙げられます。今回のプロジェクトでは、ヒトがウイルスに感染した際に、そのウイルスを排除するために分泌されるサイトカインに着目します。免疫機構に関与するサイトカインの投与などを行うことで環境的要因を培養液中に加え、脳発生を真似する環境を作り研究を進めます。

脳オルガノイドを用いてさらなる研究を

一方、お皿の上にへばりつくように培養した脳細胞はあくまでも細胞であり、脳組織そのものとは異なります。この問題点を解決する方法が最近になって開発されました。三次元培養法という方法です。前述の実験を行なった後、細胞ではなく、三次元構造をもった脳の組織の一部(脳オルガノイド)をお皿の上で作って、健常な方から作られた脳オルガノイドと比較するという流れで研究を進めます。脳オルガノイドを用いることで、より現実に即した形で病態を解明していきたいと考えています。

脳オルガノイドを作る研究はここ数年、最も進歩した研究のひとつです。ヒトの脳を調べたいとき、脳そのものを取り出したり切り取ったりするわけにはいかないため、モデル動物を用いて検証する場合も多いです。しかし、動物愛護の問題と、やはりヒトと動物の脳は根本的に異なる面も多いことから新しい手法の開発が進められてきました。現在の研究では患者さんの皮膚や血液から作られたiPS細胞やES細胞から脳組織を作り、それを研究に用いることができるようになってきています。

Why we need your support

私は今年の4月から島根大学医学部で研究者として独立しました。非常に少ない病気であってもそこに患者さんがいる限り研究する価値があるという信念のもと、研究を立ち上げようと考えています。そして、独立する前からクラウドファンディングには着目していて、地方の研究者の生き残る方法のひとつではないかと考えていました。

大変ありがたいことに、早速さまざまな学生さんが私自身と神経科学に興味をもって私の研究室の門を叩いてくれています。しかし、現在、我々の研究室はまだ軌道に乗った状況とは言えません。若い先生をはじめ、学生さんが自由に研究を行うためには高価な試薬、研究機器などが必要です。今回、科研費で採択された内容に加えて三次元脳培養の実験系を立ち上げていくために、クラウドファンディングに挑戦することを決めました。ご支援いただいたお金は試薬や培養機器を購入するための研究費に使用いたします。

今後は、教育については解剖と生理学の教育をしっかりと牽引すること、そして、研究については1本でも論文を多く書くことと、それを社会に還元することが目標です。わかったことを広げていくことが重要ではないかと考えています。研究者の原石である若い先生や大学院生、医学部の学生さんのために、神経科学の研究環境を整えさえすれば、優秀な人たちが自然と研究室を盛り上げてくれるに違いないと考えております。ご支援のほどよろしくお願いいたします。

***
寄附いただきました皆様へ領収書を発行いたします。

【法人様からのご寄附】
・全額損金算入が可能です。(2004年3月財務省告示第178号)

【個人様からのご寄附】
・所得税…寄附金額(総所得金額の40%を上限とする)から2,000円を差し引いた額が、当該年の課税所得から控除されます。
・個人住民税…お住まいの都道府県・市区町村が条例で島根大学を指定している場合、翌年の個人住民税額から控除されることがあります。詳しくはお住まいの都道府県・市区町村にお問い合わせください。
***

Profile

藤谷昌司

大阪出身で、大阪育ちです。高校は、山中伸弥教授と同じ、大教大附属天王寺高校で、出身研究室は、大阪大学、山下俊英教授のもと自由にのびのび育てていただきました。普段は野球(タイガース、大谷君)が大好きで、以前の勤務先の兵庫医大に勤めているときは年に甲子園に何回も通いました。出雲に来てからは中継が少ないのが残念ですが、radikoに助けられ、仕事三昧な毎日を送っております。医学部の学生さんとは基礎医学の関門である、解剖、解剖実習、生理学、(生理実習)での関わりが大変深いです。将来の日本の医師の卵を預かっているため、良い医師に育ってくれると信じ、授業をしています。一方で研究については、最近増えてきている発達障がいの研究を大阪大学の頃から続けてきております。1人でも多くの医学研究者を育てることが人生のミッションだと考えております。いかに研究が楽しくて、苦しくて研究者の人生そのものを表しているか、不動のものと言うよりも、もっとvividな、ライブ感のあるものであると言うことを伝えていけたらと考えております。マラソンが好きです!みんなで一緒に走りましょう!

Project timeline

Date Plans
2018年9月 クラウドファンディング挑戦
2018年9月 倫理委員会承認
2018年10月 実験開始(疾患iPS細胞作成)
2019年 京都大学iPS細胞研究所(CiRA)よりiPS細胞完成・搬送
2019年 二次元、三次元培養開始

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サイエンスカフェにご招待いたします。日時は未定で、場所は東京と大阪を予定しています。当日は脳の作られる様子とその異常、神経発達障がいについてお話させていただきますので、ご参加をお待ちしています! ※当日ご参加いただけない場合には、後日資料を共有させていただきます。

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本研究に関する発表をするすべての学会にて、謝辞にお名前を掲載させていただきます。また、発表資料(電子版)を送付いたします。お力をお貸しください。応援よろしくお願いいたします!

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本研究成果を論文発表する際の謝辞にお名前を掲載させていただきます。 ※研究成果をまとめられるよう努力いたしますが、論文の掲載に至らない可能性もございますこと、ご承知おきいただけますと幸いです。

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私たちの研究室をご案内いたします。培養室の見学や研究の説明をさせていただきます。日時は未定で、場所は我々の研究室やセミナー室を予定しています。ご参加をお待ちしています! ※当日ご参加いただけない場合には、skype等のビデオ通話で意見交換をさせていただきます。

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講演会に出張いたします。ざっくばらんな講演から専門的な講演までご要望にお応えいたします。ご支援のほどよろしくお願いいたします。 ※旅費・宿泊費等は別途頂戴いたしますのでご留意ください。

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