若者が社会の一員として主体性をもって活躍できるよう、必要な基盤となる能力や態度を育てることをとおしてキャリア発達を促す教育を、キャリア教育といいます。キャリア教育は、1999年の中央教育審議会の答申により学校教育への導入が提起され、小学校から高等学校および大学までの教育現場において、今日までさまざまな取り組みが発表されています。
一方、社会経済的格差を主な要因とする貧困や家族崩壊などの問題は依然として残っており、不登校や高校中退などの困難を抱える子どもたちが確実に存在しています。社会経済的格差から生じるこうした問題は、若者が居場所を失い、社会的に排除される可能性を高めています。
たとえば、北海道の姉妹州であるカナダ・アルバータ州における調査報告から、高校中退または中退リスクの高い若者の背景には、貧困や発達障害、家族問題など本人の力では対処しきれない課題があることが明らかとなりました。彼らは、学校や家に居場所を失い、自己肯定感が著しく低く、学校教育に意味を見いだすことが難しく、中退や学習意欲の低下といった課題に直面します。こうした傾向は、日本の高校教育でも同様に見られます。
私たち、北海道キャリア教育研究会は、北海道におけるキャリア教育および学校から仕事への移行にかかわる教育実践等の発展に寄与することを目的として、2015年に発足しました。キャリア教育研究における理論と具体的な実践とを統合し、若者の学校から仕事への移行を支援するための方策について広い視野を持って議論するため、年に1回の頻度でフォーラムを開催しています。
現在取り組んでいる研究テーマは、キャリア教育における「社会正義」です。社会正義とは、公正な社会を実現する考えのことをいいます。キャリア教育の文脈では、キャリア形成を個人の職業観や勤労感といった内面的な課題として捉えるのではなく、社会における格差や不平等といった構造的な課題に視野を広げ、学校から仕事への移行に際し困難を抱える若者に対する支援のあり方を追求することを指します。
これまでに4回のフォーラムを開催し、貧困や発達障害などの困難を抱える若者に焦点を当て、その実態を理解し、地域と学校および企業が連携してどのような支援ができるのかについて検討してきました。
2018年9月29日に開催を予定している今回のフォーラムでは、特に、少年院を出院した若者に焦点を当てます。少年院の中でどのような教育が提供されているのか、また、そうした教育は若者にどんな効果をもたらしているのか、そして、若者が仕事へ移行するにあたりどんな課題に直面するのかを明らかにしたいと考えています。また、少年院の教育的な役割について検討し、出院した子どもたちに対して、地域や既存の高校および企業との関わりのなかでどのように自立に向けて支援することができるのかについて提案していきます。
今回のフォーラムでは、先行して研究が進んでいるカナダ・アルバータ州の研究者に加え、日本と同じ課題を抱え、国策として若者のキャリア形成を推進している韓国からの研究者を迎え、日本・カナダ・韓国の3カ国での比較検討を行う予定です。
今回のフォーラムの開催をきっかけとして、すでに、日本・韓国(国立青少年政策研究院)・カナダ・アルバータ州カルガリー市教育委員会の間で研究協力体制が築かれつつあります。今後、国内(北海道中心)においても、(1)少年院で提供される教育プログラム、(2)入院している若者にもたらせている効果、(3)出院し学習を継続したり仕事へついたりすることで自立を図るうえでの課題について、心理学、教育行政学、キャリア教育などの視点から調査研究を進め、国外の同様の施設とも比較研究を行いながら、日本における矯正教育および若者の自立支援のあり方について提言をすることを目的とした研究グループを立ち上げる予定です。
また、今回のフォーラムでの研究の成果は、北海道キャリア教育研究会の次のフォーラムのテーマとするほか、国内外の学会などでの発表を行い、投稿論文として公表し、最終的には出版したいと考えています。
これまでは企業への広告協賛依頼や、個人の寄付などでフォーラムの運営を賄ってきましたが、私たちの取組をより多くの方に知っていただき、応援していただきたいという想いが強くなり、クラウドファンディングに挑戦することを決めました。ご支援いただいたお金はフォーラムの運営費の一部に充てる予定です。
日本の少子化と、それに伴う人材の不足は深刻です。特に、北海道では、人材難による廃業という問題が地元をベースとする中小企業に生じており、このままでは過疎化を助長することにもつながりかねません。しかし、それにもかかわらず、企業と教育の結びつきは、特定の分野や企業および学校間での連携などに限定されており、若者の社会的・職業的自立を支援する体制は十分とは言えない状況にあります。
今回の挑戦を機会に、もっと多くの方に研究会に興味を持っていただき、会員獲得に努めたいと考えています。また、多くの方の賛同を得られることで、社会を少しずつより良い方向へと変革する力になっていくことと信じています。すべての子どもたち、若者を社会的・職業的自立に向けて支援できるような地域づくりに貢献することが私たちの研究会の願いです。
時期 | 計画 |
---|---|
2018年7月 | クラウドファンディング挑戦 |
2018年9月29日 | 「少年院を出院した子ども達の自立支援」フォーラム開催 |
2018年10月 | 科学研究補助費基盤研究CあるいはB申請 |
2019年3月 | 紀要「北海道キャリア教育研究」発行 |
2019年4月 | 研究グループ発足 |
2019年11月 | 国際キャリア教育学会(International Association for Educational and Vocatioal Guidance)でのワークショップあるいは、シンポジウムでの発表(予定) |
2019年11月 | 日本キャリア教育学会での発表(共同研究として)(予定) |
2020年4月 | 研究成果の出版に向けて準備開始 |
2022年3月 | 研究成果の出版(予定) |
2018年9月29日開催の北海道キャリア教育フォーラムへの参加権に加えて、フォーラムの開催レポートをフォーラム終了後にPDFにて送付いたします。
フォーラム開催報告レポート(pdf版) / 北海道キャリア教育フォーラム2018ご招待
5人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
北海道キャリア教育フォーラムのHPの謝辞にお名前を掲載することに加えて、9月29日開催のフォーラムの記録を掲載した2019年3月発行予定の紀要「北海道キャリア教育研究」をメールにて送信いたします。
北海道キャリア教育フォーラムのHPにお名前掲載 / 紀要「北海道キャリア教育研究」贈呈 / フォーラム開催報告レポート(pdf版) / 北海道キャリア教育フォーラム2018ご招待
9人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
北海道キャリア教育研究会の賛助会員として2年間すべてのイベントに参加できる権利をお渡しします。 ※賛助会員についてはクラウドファンディング終了後、登録用フォームをご連絡させていただきます。
北海道キャリア教育研究会のすべてのイベントへの参加権(2年間) / 北海道キャリア教育フォーラムのHPにお名前掲載 / 紀要「北海道キャリア教育研究」贈呈 / フォーラム開催報告レポート(pdf版) / 北海道キャリア教育フォーラム2018ご招待
8人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
北海道キャリア教育研究会の賛助会員として6年間すべてのイベントに参加できる権利をお渡しします。また、2019年11月に開催予定の学会発表資料の謝辞にお名前を掲載いたします。 ※賛助会員についてはクラウドファンディング終了後、登録用フォームをご連絡させていただきます。
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 北海道キャリア教育研究会のすべてのイベントへの参加権(6年間) / 北海道キャリア教育フォーラムのHPにお名前掲載 / 紀要「北海道キャリア教育研究」贈呈 / フォーラム開催報告レポート(pdf版) / 北海道キャリア教育フォーラム2018ご招待
2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
北海道キャリア教育研究会の賛助会員として10年間すべてのイベントに参加できる権利をお渡しします!また、北海道キャリア教育フォーラム2018の懇親会にご招待いたします。 ※賛助会員についてはクラウドファンディング終了後、登録用フォームをご連絡させていただきます。
北海道キャリア教育フォーラム2018懇親会参加権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 北海道キャリア教育研究会のすべてのイベントへの参加権(10年間) / 北海道キャリア教育フォーラムのHPにお名前掲載 / 紀要「北海道キャリア教育研究」贈呈 / フォーラム開催報告レポート(pdf版) / 北海道キャリア教育フォーラム2018ご招待
2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
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フォーラム開催報告レポート(pdf版)、北海道キャリア教育フォーラム2018ご招待
5
人
が支援しています。
(数量制限なし)
北海道キャリア教育フォーラムのHPにお名前掲載、紀要「北海道キャリア教育研究」贈呈 他
9
人
が支援しています。
(数量制限なし)
北海道キャリア教育研究会のすべてのイベントへの参加権(2年間) 他
8
人
が支援しています。
(数量制限なし)
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 他
2
人
が支援しています。
(数量制限なし)
北海道キャリア教育フォーラム2018懇親会参加権 他
2
人
が支援しています。
(数量制限なし)