皆様、私達のクラウドファンディング挑戦課題『「血液のがん」の発症メカニズム解明に挑む!』に対し、ご支援をくださり、大変ありがとうございました。お陰様で、セカンドゴールまで達成することができました。
クラウドファンディングは、初めての試みでしたが、たくさんの方々が研究成果に期待されていること、また応援くださる方が多数おられることを知り、大変励みになりました。研究では、資金面だけではなく、様々な「壁」に行き当たります。皆様の応援や激励は、今後、これらの困難を乗り越える大きな助けとなると考えております。
ご支援くださった皆様には、リターンを通して交流させていただくことで、本研究だけではなくサイエンスの価値を知っていただく機会とさせていただければと考えております。
最後に、皆様のご支援を重ねてお礼申し上げます。
小松 則夫 拝
柴藤亮介
私たちは、骨髄増殖性腫瘍といわれる「血液のがん」を研究しています。あまり有名な病気ではないかもしれませんが、米国では1000人に1人が発症するというデータがあります。
この病気は、私たちの血液を作っている細胞の「アクセル」と「ブレーキ」に該当する部分に不具合が生じることで発症します。この不具合によって、細胞は常にアクセル全開の状態となってしまい、本来作るべき数を大幅に上回った数の血液細胞を作ってしまいます。私たちは、アクセル全開の状態を引き起こしている不具合の場所を見つけることで、この病気を治す薬を作ろうとしています。
昨年私たちは、骨髄増殖性腫瘍を引き起こしているアクセル全開の状態が、どのようにして起こっているかということを明らかにしました。
具体的には、この病気の患者さんで見つかるCALR遺伝子変異(=不具合)により、TPO受容体MPL(=アクセル)がいつも踏まれた状態になっていることを発見しました。これはこの病気の治療薬を作るうえで重要な発見であり、大きな一歩を踏み出せたと考えています。
しかし、アクセルが踏まれたままの状態が、細胞の中のどの部分でどのようにして生じているかについては明らかにされていません。これがわからないことには、この病気の薬を作れたとしてもどこに薬を持っていけば良いのかわからないため、治療に使えるかどうかを確かめることができません。
この問題を解決するためには、患者さんに特異的に存在する変異型CALRタンパク質が、細胞内のどの部分において、TPO受容体MPLと結合しているかを明らかにする必要があります。受容体との結合がどのようにして制御されているかを理解できれば、薬の開発に必要な情報が得られるはずです。
今回のプロジェクトでは、さまざまな細胞内部の器官を染色するマーカーと変異型CALRやMPLに対する抗体を用いて、変異型CALRやMPLが細胞内部のどの部分に存在しているか、そしてどこでTPO受容体MPLを踏んでいるのかを、蛍光顕微鏡を用いて詳細に調べたいと考えています。
解析用の細胞は既に入手しているのですが、抗体は非常に高価な試薬であり、未だ購入できていません。今回の実験には、少なくとも1本5万円の抗体が10種類ほど必要となります。そこで今回、皆さまからのご支援をいただくことで、研究を加速させていきたいと考え、クラウドファンディングに挑戦することにしました。
最近は、研究の高度化が進んでいることから、私の研究室では、積極的に工学、薬学などのバックグラウンドを持つ基礎研究者と医師がチームを組んで、病態の解明に取り組んでいます。日本は工業資源の少ない国ですので、科学技術で世界をリードしていかなければ、将来経済的に行き詰まってしまいます。医学生物学の研究レベルは、世界的に見ても高いレベルにあります。国産の革新的な医療技術を作ることは、このレベルを維持・発展させることにつながるため、是非皆さまのご協力を賜りたいと考えています。創薬の道のりはとても長いのですが、次なる一歩のご協力をいただけると幸いです。
小松則夫
時期 | 計画 |
---|---|
2017年3月 | クラウドファンディング挑戦 |
2017年5月 | 実験開始 |
2017年6月 | 学会発表@ヨーロッパ血液学会 |
2017年8月 | 論文執筆 |
みなさんから頂いたご支援で進んだ研究の進捗について、レポートにまとめてメールにてお送りいたします。
研究報告レポート(電子版) / オリジナル画像
11人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
1000円のリターンに加えて、学会講演で利用した資料(PDF版)をメールにてお送りいたします。最先端研究の雰囲気をお楽しみいただけると幸いです。
学会講演資料(電子版) / 研究報告レポート(電子版) / オリジナル画像
30人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
3000円のリターンに加えて、順天堂大学で開催するサイエンスカフェにご招待いたします。開催日時は、 第1回:2017年9月3日(日)10:00〜11:30 第2回:2017年10月15日(日)10:00〜11:30 です。いずれかの日程でご参加いただければと思います。少人数でのイベントになりますので、ふるってご参加ください。
サイエンスカフェ / 学会講演資料(電子版) / 研究報告レポート(電子版) / オリジナル画像
19人のサポーターが支援しています (限定 25 個)
10000円のリターンに加えて、研究室見学ツアーを行います。開催日時は、 第1回:2017年9月3日(日)13:00〜13:45 第2回:2017年10月15日(日)13:00〜13:45 です。研究室ツアーでは、普段の私たちの研究風景をご覧いただくと共に、本プロジェクトで用いている細胞を、顕微鏡で観察していただく予定にしております。研究がどのように行われているかを実際に見ていただくことで、私たちの行っている研究をより身近に感じていただけるのではないかと考えておりますので、ぜひご参加ください。
研究室見学ツアー / サイエンスカフェ / 学会講演資料(電子版) / 研究報告レポート(電子版) / オリジナル画像
5人のサポーターが支援しています (限定 15 個)
30000円のリターンに加えて、論文謝辞にみなさまのお名前を掲載いたします。15名様限定リターンです。将来的に創薬を目指していく基礎研究の成果に、あなたの名前を残してみませんか?ご検討いただけると幸いです。
論文謝辞にお名前掲載 / 研究室見学ツアー / サイエンスカフェ / 学会講演資料(電子版) / 研究報告レポート(電子版) / オリジナル画像
7人のサポーターが支援しています (限定 15 個)
50,000円のリターンに加えて、研究チームとの意見交換会にご招待いたします。開催日時は、 第1回:2017年9月3日(日)14:00〜15:00 第2回:2017年10月15日(日)14:00〜15:00 です。研究内容に関するご質問はもちろん、医療に関する身近なトピックに関して、できる範囲でお答えできればと思っております。限定2名様のリターンですので、お早めにお申し込みください!
研究チームとの意見交換会 / 論文謝辞にお名前掲載 / 研究室見学ツアー / サイエンスカフェ / 学会講演資料(電子版) / 研究報告レポート(電子版) / オリジナル画像
5人のサポーターが支援しています (限定 6 個)
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研究報告レポート(電子版)
11
人
が支援しています。
(数量制限なし)
学会講演資料(電子版) 他
30
人
が支援しています。
(数量制限なし)
サイエンスカフェ 他
19
人
が支援しています。
(限定 25 個)
研究室見学ツアー 他
5
人
が支援しています。
(限定 15 個)
論文謝辞にお名前掲載 他
7
人
が支援しています。
(限定 15 個)
研究チームとの意見交換会 他
5
人
が支援しています。
(限定 6 個)