池田信虎
はじめまして、池田信虎と申します。ある知識がなぜ「客観的な事実」や「科学」として信頼を得ていくのか、その歴史的な過程を研究しています。
大学院生だった20代前半、右も左もわからないまま様々な研究会に飛び込み、第一線の研究者たちと過ごす中で、一人の参加者から一人の研究者へと育てていただきました。こうした経験から、研究は一人で行うものではなく、共同体のなかで育まれるものだと考えるようになりました。
その考えを形にすべく、哲学若手研究者フォーラムの運営や日本哲学会の若手支援活動を重ね、2024年11月、フーコー協会を設立しました。
私が研究を通して実現したいのは、一人ひとりが、科学と社会の関係を自分自身の手で問い直せる社会です。
近年、気候変動否定論や陰謀論、フェイクニュースが世界的に広がり、事実よりも感情や信念が社会を動かす、いわゆるポスト・トゥルースの時代が深刻さを増しています。人文学が積み重ねてきた知見もまた、専門家の内側に閉じ、社会から遠いものと見なされがちです。
こうした時代にこそ手がかりを与えてくれるのが、ある知識がなぜ「客観的な事実」や「科学」としての権威を得ていくのか、その歴史的な過程を問いつづけたミシェル・フーコー(1926-1984)という哲学者です。彼が問うたのは科学の否定ではなく、知が作られ、信頼され、広まっていく仕組みそのものです。
この視点は、私たちの立ち位置を変えてくれます。医療や環境、教育など、知が社会と交わるあらゆる場面で、専門家の言葉を鵜呑みにするのでも、頭から否定するのでもなく、自分の頭で問い直せる側に立てるからです。
私が研究を通して実現したいのは、この視点を専門家のなかだけにとどめず、一人ひとりの手に取り戻すことです。
その具体的な実践の場が、フーコー協会です。2024年11月、若手のフーコー研究者お一人おひとりに私自身が声をかけてまわり、発起人として設立しました。
すでに、その歩みは形になっています。2025年11月には『監獄の誕生』刊行50周年を記念したシンポジウムを開催し、哲学だけでなく教育学など複数の分野・所属から6名が登壇、オンラインで80名以上にご参加いただきました。本番に先立つ読書会も5回開催し、毎回20名以上が継続的に参加してくださいました。
こうした活動のなかで、若手研究者は所属や分野を越えて議論する場を得て、教育学の専門家からは分野を横断する具体的な質問が寄せられるなど、専門を越えた対話が生まれています。哲学研究者に限らず、学生や会社員、編集者、海外の大学関係者など、さまざまな立場の方にご参加いただいています。
今後も読書会やオンライン研究会を重ね、この研究共同体を少しずつ社会へと開いていきます。今回のプロジェクトは、その歩みを一段階進めるための挑戦です。
今回の研究テーマは、「知が科学としての権威を得ていく道筋を示すこと」です。フーコーはしばしば「科学的事実を否定する相対主義者」と名指しされますが、彼が見つめていたのは、まさにこうした科学の道筋でした。具体的には2027年度中にミシェル・フーコー生誕100周年を記念したシンポジウムを開催し、国内外の研究者とともに、この問いを開き直します。
参加者として想定しているのは、フーコーや人文学の研究者だけではありません。教育・出版・医療・法律などに携わる方々、そして人文学の議論に初めて触れるさまざまな方にご参加いただきたいと考えています。第一線の研究者による研究発表について、水準を落とさずお届けし、そのうえで議論を解きほぐすアフタートークと、参加者との対話の時間を設けます。会場参加とオンライン配信を組み合わせたハイブリッド形式での開催を予定しています。
このシンポジウムを通して、研究者には所属や専門を越えたつながりを、教育や医療をはじめさまざまな現場に携わる方にはご自身の実践と響き合う視点を、一般のみなさまには人文学を自分も参加できる営みとして感じる機会を、それぞれ持ち帰っていただきたいと考えています。
みなさまからいただいたご支援は、シンポジウムの会場費や登壇者をお招きする交通費、配信環境の整備費、そして事前の読書会やアフタートークの開催費など、研究者と市民がともに考える機会をつくるために使わせていただきます。
クラウドファンディングを通じた支援は、知を一方的に受け取っていただくためだけのものではありません。すでに動き出しているこの研究共同体にみなさま自身が加わっていただくためのものでもあります。読書会や研究会、オンライン交流を通じて、支援してくださった方お一人おひとりが、この歩みをともにする仲間になっていただければと思います。
シンポジウムは、ゴールではなくはじまりです。フーコーという知が、専門家の外へ、社会へとひらかれていく、その最初の一歩に、どうか立ち会ってください。フーコー協会の歩みは、このシンポジウムで終わるものではなく、これからも続いていきます。ご支援ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
フーコーの思想は、既成の学問領域や常識を揺さぶり、生・病・狂気・統治をめぐる問いを根底から組み替える力をもっています。若い研究者たちがその力を引き受け、安易な権威化や定説化を避けながら、批判と論争に開かれた研究の場を築こうとする本企画は、哲学が現代に働きかけるための貴重な試みです。既存の枠組みに安住しない思考を次代へつなぐためにも、活発で持続的な議論の場が実現することを期待し、応援します。
20世紀を代表する思想家のひとり、ミシェル・フーコーは、多くの知の領域に影響を与えてきました。1984年のその死の後、彼のさまざまな文章や講義が現在に至るまで続々と刊行されています。新たなテクストに接するたび、私たちはそこに新たなフーコー像を発見してきました。若い世代の研究者によって、未知のフーコーの全貌が解明されること、それはフーコー研究のみならず、社会にも大きなインパクトを持つことになるでしょう。
フーコーを中心とするポストモダン期といわれる哲学は、デリダやドゥルーズとなら21世紀の思考にとってすでに不可欠なものとなり、また現在の国家主義・宗教原理主義・戦争の時代を再びとらえなおすためにも必要です。若い人たちの研究会の開催におおいに期待いたします。
医療、健康、感染症、先端技術をめぐる問題は、私たちの身体と生がいかに知と権力によって形づくられているかを問い直すことなしには理解できません。フーコーの思想は、そのための重要な視座を今なお与え続けています。フーコー協会による生誕100周年記念シンポジウムが、研究領域を越えて多くの人びととともに、現代社会の切実な課題を考える開かれた場となることを期待し、この挑戦を応援します。
| 時期 | 計画 |
|---|---|
2026年10月 |
クラウドファンディング終了 |
2026年12月 |
支援者のみなさまへ経過報告 |
2027年3月 |
国内外の登壇者確定、プログラム公開 |
2027年6月以降 |
フーコー生誕100周年記念シンポジウム開催 |
2027年6月以降 |
シンポジウムの記録集・報告書作成 |
研究の進捗をまとめた成果レポートを、メールで定期的にお送りします。
このリターンの初回実施は2026年12月を予定しています。
研究成果レポートの定期的な受け取り
| リターン | 実施予定日 |
|---|---|
| 研究成果レポートの定期的な受け取り | 2026年12月 |
9人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
専門的な話を少し肩の力を抜いて語る、オンライントークイベントにご参加いただけます。フーコー協会のメンバーと、研究の裏話や最近気になっていることなどを、ゆるやかにお話しします。このリターンの実施は2026年10月を予定しています。
オンライントークイベントへの参加権 / 研究成果レポートの定期的な受け取り
| リターン | 実施予定日 |
|---|---|
| オンライントークイベントへの参加権 | 2026年10月 |
| 研究成果レポートの定期的な受け取り | 2026年12月 |
5人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
フーコー協会が定期的に開催している研究会・読書会に、継続してご参加いただけます。研究者たちが実際に議論を交わす場を、間近でご覧いただけます。このリターンの実施は2026年10月より開始予定です。
定例研究会への参加権 / 研究成果レポートの定期的な受け取り / オンライントークイベントへの参加権
| リターン | 実施予定日 |
|---|---|
| 定例研究会への参加権 | 2026年10月 |
| 研究成果レポートの定期的な受け取り | 2026年12月 |
| オンライントークイベントへの参加権 | 2026年10月 |
6人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
2027年開催のフーコー生誕100周年記念シンポジウムにて、会場およびオンライン配信上で、お礼のメッセージとともにお名前を掲載いたします。
イベントでのお礼メッセージ・お名前掲載 / 研究成果レポートの定期的な受け取り / オンライントークイベントへの参加権 / 定例研究会への参加権
| リターン | 実施予定日 |
|---|---|
| イベントでのお礼メッセージ・お名前掲載 | 2027年09月 |
| 研究成果レポートの定期的な受け取り | 2026年12月 |
| オンライントークイベントへの参加権 | 2026年10月 |
| 定例研究会への参加権 | 2026年10月 |
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
ご希望のテーマに合わせて、オンラインでオーダーメイドの講演を行います。フーコーや哲学に関するテーマはもちろん、勉強会や研修など、さまざまな場面でご活用いただけます。
このリターンの実施は2027年1月以降、個別にご相談のうえ決定します。
オンライン・オーダーメイド講演会 / 研究成果レポートの定期的な受け取り / オンライントークイベントへの参加権 / 定例研究会への参加権 / イベントでのお礼メッセージ・お名前掲載
| リターン | 実施予定日 |
|---|---|
| オンライン・オーダーメイド講演会 | 2027年01月 |
| 研究成果レポートの定期的な受け取り | 2026年12月 |
| オンライントークイベントへの参加権 | 2026年10月 |
| 定例研究会への参加権 | 2026年10月 |
| イベントでのお礼メッセージ・お名前掲載 | 2027年09月 |
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
ご指定の場所へお伺いし、フーコーや哲学をテーマとした出張授業を行います。学校での特別授業、企業や自治体での研修、読書会など、幅広い形式に対応いたします。交通費は別途ご負担いただきます。
このリターンの実施は2026年12月以降、個別にご相談のうえ決定します。
出張授業 / 研究成果レポートの定期的な受け取り / オンライントークイベントへの参加権 / 定例研究会への参加権 / イベントでのお礼メッセージ・お名前掲載 / オンライン・オーダーメイド講演会
| リターン | 実施予定日 |
|---|---|
| 出張授業 | 2027年01月 |
| 研究成果レポートの定期的な受け取り | 2026年12月 |
| オンライントークイベントへの参加権 | 2026年10月 |
| 定例研究会への参加権 | 2026年10月 |
| イベントでのお礼メッセージ・お名前掲載 | 2027年09月 |
| オンライン・オーダーメイド講演会 | 2027年01月 |
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
2027年開催のフーコー生誕100周年記念シンポジウムにおいて、特別協賛者としてスペシャルサンクスをお届けします。当日のご挨拶や、アーカイブ化に際しての特設ページでのご紹介など、シンポジウムに関連する形での御礼を予定しています。
このリターンの実施は2027年のシンポジウム開催に合わせて、個別にご相談のうえ決定します。
研究成果レポートの定期的な受け取り / オンライントークイベントへの参加権 / 定例研究会への参加権 / イベントでのお礼メッセージ・お名前掲載 / オンライン・オーダーメイド講演会 / 出張授業 / 特別協賛者としてのスペシャルサンクス
| リターン | 実施予定日 |
|---|---|
| 研究成果レポートの定期的な受け取り | 2026年12月 |
| オンライントークイベントへの参加権 | 2026年10月 |
| 定例研究会への参加権 | 2026年10月 |
| イベントでのお礼メッセージ・お名前掲載 | 2027年09月 |
| オンライン・オーダーメイド講演会 | 2027年01月 |
| 出張授業 | 2027年01月 |
| 特別協賛者としてのスペシャルサンクス | 2027年12月 |
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
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