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Hiromu Yamada
奈良先端科学技術大学院大学、1st year doctoral cource
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Hiromu Yamada

奈良先端科学技術大学院大学博士後期課程1年の山田大夢です!
自身の創り出したものが社会に求められ、人々や生き物を笑顔にする。そんな夢を幼い頃から抱き続けてきました。

私の研究への想いは「世の中の役に立つものづくり」です。

学部4年次に高分子合成の研究に携わった際、優れた材料を開発するだけでなく、その製造プロセスにおける環境負荷や安全性への配慮も同様に重要であることを学びました。材料開発では「何を作るか」と「どう作るか」の両方が社会貢献につながることを実感し、この経験が現在の研究の出発点となっています。

今後も持続可能な化学産業に向けて邁進してまいります。
応援よろしくお願いします!

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

グリーン溶媒の利用拡大により、化学産業が抱える健康被害と環境汚染の問題を解決したいです。

有機溶媒は化学製品の製造において重要な役割を担っており、2023年には全世界で約5,000万トンが消費されました。今後も化学産業の成長に伴い、溶媒需要の更なる増加が予想されます。しかし、代表的な有機溶媒であるトルエンが、有機溶剤中毒予防規則やPRTR制度、毒劇法、女性労働基準規則で規制されているように、多くの有機溶媒が人体に対して毒性を示します。さらに、有機溶媒は揮発性有機化合物として大気中に放出され、浮遊粒子状物質や光化学オキシダントの原因となり、深刻な大気汚染を引き起こしています。

特に懸念すべきは、これらの環境負荷と健康被害が一過性の問題ではなく、長期にわたって蓄積し続けることです。現世代で生じる負の影響が将来世代に環境負債として引き継がれない、持続可能な化学技術を確立することが、私たち化学者にとって重要な課題だと認識しています。環境負荷が低く、安全性の高いグリーン溶媒への転換は、まさにこの理念を体現する重要な取り組みです。

私は、自身の研究を通してグリーン溶媒への転換を加速させ、持続可能な化学産業の実現に貢献したいと考えています。化学産業全体の環境負荷を削減し、工場で働く人々の健康を守り、次世代により良い地球環境を残すこと—それが私の目指す研究ビジョンです。

どのようなアプローチで実現しようとしていますか?

元々製造に使用されていた溶媒を別の溶媒に置換するには、溶媒が反応性に与える影響(溶媒効果)の理解が重要です。溶媒効果は極性や分子間相互作用などの多次元的な因子が複雑に相互作用して発現し、溶媒の分子構造がわずかに変化するだけで実験結果は大きく変化します。このため、人間が溶媒効果に関係する要素を全て考慮して、最適な溶媒を選択し、さらに実験条件を決定することは極めて困難です。

そこで私は、AIを活用してこの問題を解決します。AIの利点は、人間が把握困難な多次元の関係性を数理モデルとして表現できることです。

まずは、これまでに蓄積された有機溶媒での実験データと理論計算による計算データを用いて、グリーン溶媒使用時の実験結果を予測できるAIを構築します。

次に、構築したAIとベイズ最適化を組み合わせた実験条件の探索手法を確立します。この手法では、AIによる実験結果の予測値および予測の不確かさを指標とし、目標とする実験結果を達成するための最適な実験条件を探索します。結果として、本手法は、溶媒効果を定量的に考慮した科学的根拠に基づく意思決定が可能となります。

手法の確立後は、化学産業の企業と連携し、現場での実装に向けた課題を明確化します。企業が抱える具体的な技術的・経済的課題について対話を重ね、実用化に向けた改良を進めることで、グリーン溶媒の普及拡大を促進させます。

今回のプロジェクトで行う研究テーマはなんですか?

本プロジェクトでは、高分子合成におけるグリーン溶媒使用時の実験結果を予測するAIを確立し、溶媒効果の定量的な理解に取り組みます。

プラスチックの世界生産量は、年々増加の一途をたどり、2020年には3億6,700万トン、2040年までには2倍になると予想されています。このような生産規模の拡大に比例し、溶媒も大量に消費されるため、高分子産業では環境負荷の低いグリーン溶媒への転換が強く望まれています。

この需要に対して、AIを活用したアプローチが考えられます。しかし、従来のAIでは学習データの範囲を超えた予測が困難であり、データにないグリーン溶媒使用時の実験結果を予測するには、その溶媒に関する実験データを都度収集する必要がありました。

そこで本研究では、溶媒効果を含んだ量子化学計算値を説明変数として活用し、グリーン溶媒の実験データを必要としないAIを構築します。このAIを解析することで、どの溶媒のどの化学的性質がどの程度実験結果に影響するかといった、溶媒効果の定量的理解も深めることが可能になります。

将来的には、ベイズ最適化と組み合わせることで、高分子合成で使用される溶媒全体に占めるグリーン溶媒の割合を大幅に向上させることを目指しています。

Why we need your support

皆さまにご支援いただいた資金は、AIの学習データの収集に必要な試薬(モノマー、開始剤、溶媒)や研究機器(PC、実験器具)として大切に使わせていただきます。本研究は持続可能な化学産業を実現する重要な基盤技術だと確信しています。研究の完成に向けて精一杯努力してまいります。ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

最後に、本プロジェクトに挑戦する思いを述べます。

マテリアルズインフォマティクスの研究に従事する中で、「AIの予測って信用なるの?」「AIに仕事を奪われるのでは?」とAIの活用に対して対立的な質問を頻繁に受けます。しかし、私はAIと人間は競争ではなく、協働の関係にあるべきだと考えています。AIは多次元の相関関係を学習し、パターンを見つけ出すことに長けていますが、そこから真の科学的発見に結びつけるのは人間の役割です。AIの発展が目覚ましい今だからこそ、人間の役割や強みを正しく認識する必要があります。

私の意見はあくまでひとつの考えに過ぎません。本プロジェクトを通してこうした意見を発信し、多様な議論によって今後の科学のあり方を見つけることができれば理想的だと考えています。

Recommender's comment

藤井 幹也
奈良先端科学技術大学院大学 教授

山田君の研究は、グリーン溶媒への転換という重要な社会課題に対し、AIを活用した革新的なアプローチで挑む意欲的な取り組みです。この研究は、高分子化学、機械学習、材料シミュレーションといった幅広い専門知識が要求されます。そのため、従来の徒弟制度とは異なり、自らの成長に必要な要素を的確に把握し、多様な専門家からの学びを新しい知・技術として確立する能動的な探求姿勢が求められます。山田君は、これまでもその能動性を発揮し、研究推進の過程で生じる課題を着実に解決してきました。私は山田君がacademist Prizeの活動を通してさらなる飛躍を遂げ、持続可能な化学産業の実現という彼の熱い思いを果たすことを心より応援しています。

工藤 宏人
関西大学 教授

山田大夢君は、推薦者の研究室において卒業研究として、一年間在籍をしておりました。当初より、研究を通じて世の中に貢献するようになりたいとういう志が高い持ち主であり、自分自身の健康や名誉などのためではなく、少年が昆虫採集に夢中になるような気持ちで、純粋に研究を追及してみたいと考えていくような学生でした。その原動力になるのは、研究成果で世の中を変えることができるかもしれないという大きな夢を持っていたように思います。そのような志を持てる人は、実は貴重な存在でして、地味で苦労する地道な研究を、純粋な心で研究を楽しみながら継続し続けていくことができる山田君は、彼でなければ達成できないような研究成果を挙げてくれるものと思っています。

Project timeline

Date Plans
2025年9月 高分子討論会にて発表
2025年11月 実験によるAIの学習データの収集
2025年11月 Autumn School on Chemoinformaticsにて発表
2026年2月 量子化学計算によるAIの学習データの収集
2026年5月 AIモデルの構築と溶媒効果の定量的解析
2026年9月 論文執筆開始

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「なぜ博士進学を決めたのか」「博士学生の経済状況は?」そんな疑問や不安を抱えている方のための個別相談です。私自身も博士進学については本当にたくさん悩みました。実は、入学するまでは博士進学するとは全く思っていませんでした。実際の体験談も踏まえて、あなたの相談に寄り添います。
修士課程への進学や学校変更についてもお気軽にご相談ください。

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Featured : 博士論文の謝辞・研究報告レポートにお名前掲載、ブログ執筆

国立国会図書館などで公開される博士論文の謝辞(2028年3月を予定)とacademist Journalに寄稿する研究報告レポート(2026年9月を予定)にお名前を掲載します。
また、ご提案いただいたテーマについて、個人ブログで真剣に執筆いたします。研究に関することから哲学的な内容まで、私自身の考えや人となりをお伝えできればと思います。 ※内容が相応しくないと判断した場合は、テーマを変更させていただくことがあります。

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お礼のメッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載 / 博士論文の謝辞にお名前掲載 / ブログ執筆

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本プロジェクトに関するオンラインサイエンスカフェにご招待します。
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今回の研究が論文化した際に、謝辞を掲載いたします。

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Featured : 個別ディスカッション

本研究について個別にディスカッションする機会を設けます。具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。

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Featured : 出張講義(中高生向け)

「研究ってどんなことをするの?」「何が楽しいの?」そんな疑問にお答えするため、私が化学の世界に興味を持った経緯や研究の魅力について、中高生向けの講義を行います。
具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。
※宿泊費・交通費は別途いただきます。

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Featured : 出張講義(研究内容)

本研究に関する出張講義を行います。具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。
※宿泊費・交通費は別途いただきます。

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