地方創生の開始から10年が経ちましたが、残念ながら地方からの人口流出は止まりません。とくに深刻なことは、地方から生活インフラ(食品スーパーや高齢者サービスの拠点など)が消えつつあることです。地方では、もはやコンビニの24時間営業すら困難となっています。もちろん、さまざまな対策がなされてきましたが、もはや行政の力や補助金頼みでは解決が出来ない状態です。
私たちは、地方創生とくに地方での生活インフラ整備にフランチャイズという「仕組み」が活用できるのではないかと考えています。フランチャイズと聞くと、本部の搾取や支配が厳しいとか、利益がすべて本部に吸い上げられるとか、地域の商業が衰退するとか、個性が無くなるとか、悪いイメージを抱く人も居るでしょう。確かに企業によっては加盟者とのトラブルも存在しますが、それは個々の企業の問題であって、フランチャイズという「仕組み」自体の問題点とは別です。また、地方の人々も都市的な利便性を享受する権利があります。フランチャイズ店を利用するかどうかは、最終的にはそこで暮らす人々が決めることでしょう。
客観的に見ると、フランチャイズは、地方において大きな可能性を持つ「仕組み」です。第1に、地方で不足する生活インフラを整備できる可能性を持っています。第2に、地元の人がオーナーになれるので地域の事情が反映できますし、オーナーの利益は地元で循環します。もちろん、地元の事業者も加盟出来ますし、フランチャイズ事業の経験を基に別の事業を起こすことも可能です。
ただし、フランチャイズという「仕組み」が地方において正しく適切に機能するためには、解決すべき課題も多くあります。この研究は、フランチャイズが有する「可能性」の解明と、その「課題」の解明を目指しています。法的な課題も視野に入れながら、新しい時代の地方創生のあり方を慎重に模索したく思っています。ぜひ、ご理解のほどをよろしくお願いします。 (研究代表:川端)
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。