村松仁人(BIOMOD TUAT)
BIOMOD (Biomolecular design competition)は1mmの100万分の1であるナノスケールの生体分子をデザインする、学部生向けのものづくり世界大会です。
私たちBIOMOD TUAT (旧Team NoKo)は2023年から活動を開始し、2023年大会で銀賞、2024年大会では金賞とBest YouTube賞を受賞しました。チームメンバーはみな、「研究を通して成長したい」という思いで日夜努力しています。大会出場後である現在は、学会発表と論文化を目指して2024年のプロジェクトの実験を続けています。
2025年のBIOMODには全く新しいプロジェクトで出場する予定です。何卒応援よろしくお願いします!
私たちは本研究で「さまざまな環境下でも応用可能な耐久性を有する分子ロボット」を作りたいと考えています。
分子ロボットとは、タンパク質などの分子で構成された小さなロボットのような存在で、自律的に動いたり、特定の分子と反応したりする機能を持ちます。これまで私たちは、この分子ロボットの本体として、細胞膜と同じ成分からなる「リポソーム」というミクロなカプセルを用いてきました。このカプセルに動きを制御する仕組みを組み込むことで、リポソームはただの容器から、反応する「ロボット」へと進化します。
この分子ロボットにさまざまな機能を搭載するために、多くの研究者が試行錯誤しています。体内から自動で病気を診断・治療する分子ロボットや、微細な汚染物質を回収・除去する分子ロボットなどが期待されており、分子ロボットは私たちの社会をより豊かにする大きな可能性を秘めています。
しかしながら、現在の分子ロボットは最適化された限られた環境下でしか動くことができないという課題があります。そのため、実用化のためには「より高い耐久性の高い分子ロボット」の開発が不可欠です。
私たちはより耐久性の高い分子ロボットを作ることを目標に、「Bilayer Gel Bilayer (BGB)」という構造体を考案しました。
BGBは、リポソームを二重にし、そのあいだに網目状構造を持つDNAハイドロゲルを挟み込んだ3層構造のカプセルです。DNAハイドロゲルは、水を多く含む柔らかいゲル状物質で、DNAの塩基配列を設計することで3次元的な構造を形成します。このハイドロゲルは温度やイオン環境の変化に応じて形状や性質を変えられる特徴を持つため、分子レベルでの細かい制御が可能です。そのため、DNAハイドロゲルは分子ロボットの構造や機能を精密にコントロールするために最適な材料といえます。
さらに、BGBでは中間層のDNAハイドロゲルと外側・内側のリポソームが密着していることで、リポソームの安定性が向上し、より頑丈な構造になると考えています。これにより、通常の1枚膜リポソームと比べて、BGBはより高い耐久性を示すことが期待できます。
本研究はBIOMOD2024で発表したプロジェクトの続きとなります。大会後も継続して実験を行い、その成果を第8回分子ロボティクス年次大会にてポスター発表することもできました。今後は学術論文として発表することを目指しています。
現在私たちはBGB構造の作製・観察には成功しています。しかしながら、未だBGBの収率が高くないこと、耐久性試験の標本数が少ないことが課題です。そこで今後は以下の実験を計画しています。
BGBの収率向上
現在の作製方法では不完全な構造体も多く含まれてしまうため、適切な3層構造を形成している構造体をより高い収率で作製できるように実験手法の最適化を行います。具体的には、リポソームの脂質組成やゲル層を形成する際の温度など、作製する際の条件を詰めていきます。
耐久性試験
通常のリポソームと比べてBGBの耐久性が向上しているかどうか、検証を行います。具体的には水道水に晒す、氷点下の環境に置くなどの試験を行い、その際の溶液中のBGBとリポソームの生存率を比較します。
BIOMOD TUATは、分子ロボットや人工細胞などに興味があったり、研究活動に意欲的な学部生たちが自発的に集まり活動しています。私たちはこの活動を持続的なものにできるように日々努力を続けています。しかしながら、全員が学部生であることもあり、研究助成金の獲得は大変困難なものとなっています。また、為替レートの影響も非常に大きく、大会会場へ行くことだけでも負担が大きい状況です。
大会に参加して、会場での世界中のBIOMODチームや先生方との対話は非常に刺激的で有意義な経験であると身に沁みて感じました。私たちはメンバー全員で新しい生体分子システムをデザインし、全員で現地での発表に臨みたいと思っています。
いただいたご支援は、現在取り組んでいる論文化のための研究費、およびBIOMOD2025に向けた活動資金として大切に活用します。実績こそ少ない私たちですが、皆さまのご助力にお応えできるよう、尽力してまいります。
ご支援何卒よろしくお願いいたします。
留学やインターンシップなど多様な学外活動がある中で、アイデアの立案から実験、発表に至るまで、自らの手で研究に取り組む機会は非常に貴重です。こうした環境で力を磨いた学生は、次世代の科学や日本を牽引する人材として、大いに活躍が期待されます。また、高いモチベーションを持つ学生にこのようなチャンスを提供することは、未来を担う人材への確実な投資だと信じています。
学部生のみで構成されたこのチームは、国際大会BIOMOD2024で金賞受賞し、確かな実力を示してきました。海外では同様の学生研究活動への公的支援が充実している一方で、国内での支援獲得は困難を極めています。彼らは厳しい環境の中でも、世界と伍する研究開発に情熱を注ぎ続けています。国際舞台での経験は、次世代の科学を担う人材育成に不可欠です。皆様のご支援が、この優れた若手研究者たちの更なる飛躍を支えます。
BIOMODの活動は、情熱や才能を有する優秀な学生がさらに成長できる機会・場所であると考えています。まだ研究室に配属されていない学生がオリジナルの研究テーマに取り組むことで、さまざまな力が養成されていく様子を長年見てきました。貴重な経験値を積める一方、このような活動に対する助成や奨学金は日本にはほとんどないのが現状です。日本の未来を担いうる優秀な学生の活動に対するご理解・ご支援をいただけると大変幸いです。
時期 | 計画 |
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2025年10月 | 実験データ解析に目処が立つ |
2025年12月 | 論文提出 |
2026年3月 | 分子ロボティクス年次大会で発表 |
メールでお礼のメッセージをお送りいたします。
このリターン実施は2025年10月を予定しています。
お礼のメッセージ
リターン | 実施予定日 |
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お礼のメッセージ | 2025年10月 |
1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
academist Journalに寄稿する研究報告レポートにお名前を掲載いたします。
このリターン実施は2025年11月を予定しています。
お礼のメッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載
リターン | 実施予定日 |
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お礼のメッセージ | 2025年10月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2025年11月 |
2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
BIOMOD2025での私たちのプロジェクトに関するオンラインサイエンスカフェにご招待します。分子ロボットの仕組みや私たちの研究の背景・想いについて、皆さんとお話したいと考えています。
また、国際発表で使用するスライドに謝辞を掲載いたします。
このリターン実施は2025年10月を予定しています。
お礼のメッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェへの招待 / 発表スライドに謝辞記載
リターン | 実施予定日 |
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お礼のメッセージ | 2025年10月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2025年11月 |
オンラインサイエンスカフェへの招待 | 2025年10月 |
発表スライドに謝辞記載 | 2025年10月 |
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
BIOMOD2025での私たちのプロジェクトwiki・YouTube動画に謝辞を掲載いたします。
このリターン実施は2025年10月を予定しています。
お礼のメッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェへの招待 / 発表スライドに謝辞記載 / プロジェクトwiki・YouTube動画に謝辞記載
リターン | 実施予定日 |
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お礼のメッセージ | 2025年10月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2025年11月 |
オンラインサイエンスカフェへの招待 | 2025年10月 |
発表スライドに謝辞記載 | 2025年10月 |
プロジェクトwiki・YouTube動画に謝辞記載 | 2025年10月 |
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
チームのHPと、論文化した場合には論文にもお名前を掲載します。
BIOMOD TUAT HPはこちら:https://sites.google.com/st.go.tuat.ac.jp/biomod-tuat
このリターン実施は2025年12月を予定しています。
お礼のメッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェへの招待 / 発表スライドに謝辞記載 / プロジェクトwiki・YouTube動画に謝辞記載 / 論文およびBIOMOD TUAT HPに謝辞を掲載
リターン | 実施予定日 |
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お礼のメッセージ | 2025年10月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2025年11月 |
オンラインサイエンスカフェへの招待 | 2025年10月 |
発表スライドに謝辞記載 | 2025年10月 |
プロジェクトwiki・YouTube動画に謝辞記載 | 2025年10月 |
論文およびBIOMOD TUAT HPに謝辞を掲載 | 2025年12月 |
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
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