私たちは「人生をアクティブに謳歌する健康寿命100年社会の実現」を目指して研究を進めています。
社会の発展によってヒトの平均寿命は伸び続けていますが、平均寿命と健康寿命のギャップは10年以上あり、そのギャップが埋まらないことが現代社会の課題となっています。健康で長生きするためには、生活習慣病をはじめとするさまざまな病気を予防することが重要です。そのため私たちは、健康寿命100年社会の実現のためには、食を通じた病気予防が最適解のひとつだと考えています。
健康社会実現のための素材として、私たちは三陸のイサダを活用します。世界の海に80種以上のオキアミが生息していますが、数万トンスケールでの漁獲ができる漁場は3ヶ所しかなく、三陸は世界的にも貴重なオキアミ漁場です。このように、日本は世界有数のオキアミ水揚げ国ですが、国内でも海外でも日本産オキアミの認知度は低く、イサダの需要は1980年代をピークに低下し続けており、現在の市場規模は最盛期の約10分の1まで縮小しています。気候変動による鮭や秋刀魚の漁獲量低下によって三陸水産業全体が落ち込んでいる今だからこそ、イサダの健康機能を活用した健康食品を社会実装して、健康長寿社会の実現と三陸水産業の振興に貢献していきたいです。
私たちは、イサダから新しく見つけた機能性成分の8-HEPE(8-ヒープ)を実用化して、ヒトの健康に役立てていきます。
8-HEPEは肝臓における脂肪燃焼を促進するPPARαという分子の活性化に働くことが、細胞試験によってわかりました。海洋のオメガ3脂肪酸であるEPAもPPARαを活性化しますが、8-HEPEのPPARα活性化作用はEPAの約10倍です。高脂肪食によって肥満を誘導したモデルマウスにおいて、8-HEPEは血漿と肝臓の中性脂肪を抑制しました。さらに、動脈硬化モデルマウスにおいて、高コレステロール食で誘導される動脈硬化相(アテローム)の抑制と悪玉(LDL)コレステロール低下と善玉(HDL)コレステロール増加作用を示しました。
これらの結果から、8-HEPEにはメタボリックシンドロームや高コレステロール血症の予防に効果が期待されます。8-HEPEを社会実装することで、メタボや高コレステロールに悩む人たちに新たな健康維持・増進方法を提供でき、疾病予防に貢献できると考えています。
今回のプロジェクトでは、食品素材として使える8-HEPE素材の製造方法を確立し、8-HEPEを含有するグミの作製を目指します。
これまでの研究成果から、8-HEPEの1日摂取目安量は10mgと考えています。イサダから10mgの8-HEPEを摂取するためには、1kgのイサダを食べる必要があり、毎日続けるのは現実的ではありません。8-HEPEを数mg含有するグミを実用化することで、数粒のグミで毎日無理なく8-HEPEを摂取することができます。
8-HEPEを食品として素材化するためには研究室で実施している精製方法ととは異なり、保健所の許認可が得られる工程での濃縮方法を開発し、三陸地域での製造方法を確立する必要があります。さらに、生産となると取り扱うスケールも異なってきますので、製造に関するさまざまな検討が必要になります。製造した素材の安定性や安全性なども検討していく必要があります。また、食品ですので味や匂いも重要なポイントになってきます。消費者に好まれ継続摂取される8-HEPE食品を作ることも、普及のためには欠かせません。本プロジェクトではこれらの課題に取り組み、8-HEPEグミの実用化に近づけていきます。
8-HEPEは新規成分なのでポテンシャルが高いのですが、新しいが故に越えなければいけないハードルも多くなります。これまで私たちは、8-HEPEの実用化に興味を持っていただいた企業と共同開発を実施してきましたが、既知成分と比較して見通しのたたない部分が多いことがリスクと捉えられてしまい実用化に至りませんでした。ならば自分達で実用化しようと考え、今回のクラウドファンディングにチャレンジすることを決意しました。
イサダを活用して健康寿命100年社会を実現したいと考える私たちの思いに共感していただき、研究費をサポートしていただくことで、皆様の手元に健康のための新しい素材をお届けしたいと考えています。研究費は、製造方法検討のための消耗品類、食品試作のための材料や器具の費用、打ち合わせや製造試験のための旅費や謝金と委託費、サンプルの発送や受け取りなどのその他経費として有効に活用させていただきます。ぜひ、応援をよろしくお願いします!
山田先生は、15年にわたり国産クリル(イサダ)の研究に取り組んでおられます。私が会長を務めるクリルオイル研究会では、クリルオイルの基礎および応用研究の推進が人々の健康と疾病予防に貢献すると考えて、クリルオイル研究の活性化と普及に取り組んでいます。ω3系脂肪酸の誘導体である8-HEPEは国産クリルオイル(イサダオイル)に特徴的な成分であり、また極めて特徴的な生理活性を有する機能性成分です。8-HEPEの社会実装はヒトの健康福祉・増進に資すると同時にクリルオイル普及の起爆剤となってくれるものと確信をしており、山田先生のさらなく研究進展を期待しております。
帝京科学大学 生命環境学部 生命科学科では、「ヒト健康を科学する」をモットーに教育に研究に取り組んでいます。山田先生は医学系バックグランドを活かして機能性脂質の作用機序解明に関する研究を推進しつつ、長年取り組んでこられたイサダオイルおよび8-HEPEの活用にも精力的に取り組まれています。8-HEPEの社会実装は、山田先生の研究の一つの集大成となるプロジェクトであり、健康長寿社会の実現に向けて大きなインパクトを持つと期待しています。
私たち日本リポニュートリション協会は、食生活における脂質と健康の関わりと重要性を社会に広めることにより、健康維持や疾患の改善に寄与することを目的として取り組んでいます。8-HEPEは体内の脂質バランスを整える効果が期待されるため、多くの人の健康に寄与してくれると期待しています。8-HEPEの社会実装によって、脂質の大切さを多くの人が知るきっかけになると期待しています。
株式会社國洋では、2010年に岩手県で先駆けて食用乾燥イサダの製造を開始しました。山田先生とは東日本大震災の日に、大船渡市場で開催していたイサダ食用化等研究会で知り合い、イサダの機能性素材開発で共同研究をしております。三陸地域においてイサダは重要な魚種の一つであり、8-HEPEの社会実装は三陸水産業の活性化に貢献すると期待しております。
時期 | 計画 |
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2025年 5月 | 小スケールでの8-HEPE素材製造試験 |
2025年 10月 | 8-HEPE含有グミの試作 |
2026年 1月 | 岩手県での8-HEPE素材製造試験 |
2026年 3月 | 学術集会での発表 |
メールでお礼のメッセージをお送りします。
このリターン実施は2025年4月を予定しています。
お礼のメッセージ
リターン | 実施予定日 |
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お礼のメッセージ | 2025年04月 |
6人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
academist Journalに寄稿する研究報告レポートにお名前を掲載します。
このリターン実施は2027年10月を予定しています。
研究報告レポートにお名前掲載 / お礼のメッセージ
リターン | 実施予定日 |
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研究報告レポートにお名前掲載 | 2026年10月 |
お礼のメッセージ | 2025年04月 |
3人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
本プロジェクトに関するオンラインサイエンスカフェにご招待します。
このリターン実施は2025年9月を予定しています。
オンラインサイエンスカフェ / お礼のメッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載
リターン | 実施予定日 |
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オンラインサイエンスカフェ | 2025年09月 |
お礼のメッセージ | 2025年04月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2026年10月 |
3人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
イサダ漁の時期に現地(岩手県大船渡市)をご案内いたします。岩手県大船渡市までの交通費は別途ご自身で負担いただく必要があります。
このリターン実施は2026年3月を予定しています。
現地参加が難しい方に向けて、オンデマンドでの配信を実施予定です。
漁は天候等の条件に左右されますので、イサダの水揚げをご覧になれない場合があることをご了承ください。
イサダ漁の現場をご案内 / お礼のメッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ
リターン | 実施予定日 |
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イサダ漁の現場をご案内 | 2026年03月 |
お礼のメッセージ | 2025年04月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2026年10月 |
オンラインサイエンスカフェ | 2025年09月 |
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
本研究について個別にディスカッションする機会を設けます。具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。
このリターン実施は2025年9月を予定しています。
個別ディスカッション / お礼のメッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / イサダ漁の現場をご案内
リターン | 実施予定日 |
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個別ディスカッション | 2025年09月 |
お礼のメッセージ | 2025年04月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2026年10月 |
オンラインサイエンスカフェ | 2025年09月 |
イサダ漁の現場をご案内 | 2026年03月 |
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
本研究に関する出張講義を行います。具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。
※宿泊費・交通費は別途いただきます。
このリターン実施は2026年2月を予定しています。
出張講義 / お礼のメッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / イサダ漁の現場をご案内 / 個別ディスカッション
リターン | 実施予定日 |
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出張講義 | 2026年02月 |
お礼のメッセージ | 2025年04月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2026年10月 |
オンラインサイエンスカフェ | 2025年09月 |
イサダ漁の現場をご案内 | 2026年03月 |
個別ディスカッション | 2025年09月 |
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
大学の食品化学や食品分析学の講義で学ぶ内容から、脂質の構造、機能、分析に関する計3回のセミナー(1回 1時間程度)を実施します。企業や団体での勉強会などにご活用ください。現地までの交通費と宿泊費は別途支給していただきます。2026年2月の実施を予定しています。
脂質の構造、機能、分析に関する計3回のセミナー / お礼のメッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / イサダ漁の現場をご案内 / 個別ディスカッション / 出張講義
リターン | 実施予定日 |
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脂質の構造、機能、分析に関する計3回のセミナー | 2026年02月 |
お礼のメッセージ | 2025年04月 |
研究報告レポートにお名前掲載 | 2026年10月 |
オンラインサイエンスカフェ | 2025年09月 |
イサダ漁の現場をご案内 | 2026年03月 |
個別ディスカッション | 2025年09月 |
出張講義 | 2026年02月 |
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
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