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アリに学べ!ロボットの集団行動最適化プロジェクト

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藤澤隆介、永谷直久
八戸工業大学、講師/京都産業大学、助教
Pledged: 671,540 JPY
Target Amount: 750,000 JPY
Funded
89 %
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50
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Support period closed
Comment from academist staff
幅広い分野で活躍する実験装置「ANTAM(アンタム)」

末広亘

さまざまな分野の研究者から構成される「ANTAM project」。プロジェクトのメンバーが開発した「ANTAM」を使えば、昆虫の行動パターン解析のような基礎研究と、ロボット開発のような応用研究が抱える課題を一気に解決できるはずだと、藤澤先生・永谷先生は主張します。ANTAMが拓く昆虫学・ロボット工学の可能性にぜひご注目ください!

ロボット工学 × 社会生物学

アリやシロアリなどは、統制のとれた集団行動をとったり、協働して巨大で複雑な建造物を作ったりすることから「社会性昆虫」と呼ばれています。しかし彼らの社会には、全体を把握して指示を出すようなリーダー格の個体はいません。フェロモンなどを利用してコミュニケーションをしたり、それぞれの個体がシンプルな行動ルールに従って状況判断することで、一匹ではできないようなことを集団で成し遂げています。そこには、人間とは異なる行動メカニズムが存在していると考えられています。

私(藤澤)は、社会性昆虫の行動をロボットに実装し、単体では難しい仕事を集団で解決するというような「群ロボット」の研究を進めています。研究を進めるうちに、社会性昆虫たちの実際の行動や認知機能を知る必要がでてきたのですが、先行研究を調べても、これらを明らかにするために必要な歩行軌跡などのデータは得ることができませんでした。

社会性昆虫の行動を解析したい!

なぜなら、社会性昆虫たちの行動を追跡しようとすると、屋外では風などの外部環境から受ける影響が大きく、実験室では壁が存在する有限の環境でしか計測することができないためです。そこで私たちは、「ANTAM(アンタム)」を開発しました。ANTAMとは、球体にアリを乗せて、アリが移動したときに球体をアリの進行方向と逆に回転させることで、アリをその場に留めたままでアリを自由に行動させ、歩行軌跡を記録する装置です。ANTAMを用いれば、無限の2次元平面上で外部環境からの影響をコントロールしながらアリの行動軌跡を記録できるようになります。

ANTAMの持つ、多分野での応用可能性

ANTAMは、昆虫の行動記録装置として、さまざまな分野での活用が期待できます。

たとえば、情報工学を専門とする永谷は、ANTAMを用いて昆虫の知覚に関する研究を行う予定です。嗅覚に依存している昆虫とそうでない昆虫に、さまざまな種類・方向・濃度の匂いを嗅がせることで、匂いに対する反応や共通する行動パターンを調べます。

また、共同研究者である京都大学の土畑重人博士(行動生態学者)と、国立情報学研究所の阿部真人博士(数理生態学者)は、ANTAMを用いて生物が元来持つ内在的な動きを明らかにしようとされています。外部環境からの刺激がない場合における生物の行動パターンを記録することで、生物の歩きかたが先天的に持つ何かしらの神経システムにより決まるのかどうかということを調べます。

さまざまな研究者との共同研究を実現することができれば、社会性昆虫たちの実際の行動や認知機能に関する多様なデータが得られるため、私自身の群ロボット研究の進展にもつながります。現在私が開発している群ロボットは、集団で特定のターゲットを探索することができます。今後、ターゲットを探索するまでの時間をできる限り短くしていきたいのですが、そのためには、無数にあるロボットの行動ルールを網羅的に調べるよりも、アリなどの実際の生物の行動ルールを参考にすることが重要になります。今回のANTAMプロジェクトを進めることは、よりハイスペックな群ロボットの実現につながる可能性があるのです。

Why we need your support

このように、ANTAMを使えばさまざまな分野における研究を進めることができます。私たちは現在、利用可能なANTAMを4台(各拠点に1〜2台)保有しているのですが、できれば各拠点に複数台のANTAMを設置し、並列的に行動パターンを計測したいと考えています。

なぜかと言うと、昆虫の行動ルールの解明には、それぞれの昆虫で何度も計測して正確にデータを得る必要があるのですが、昆虫には、特定の季節にしかいない種や寿命の短い種も多いため、短期間で計測を行わなければならないためです。また、昆虫の活動時期が種間で重複することも多いため、できる限り多くのANTAMを準備する必要があります。

そこで今回、皆さまからのご支援をいただくことで、3台のANTAMを増産して共同研究者に提供することで研究を加速していきたいと考えています。ご支援のほど、どうぞ宜しくお願いいたします。

Profile

藤澤隆介、永谷直久

ANTAM project代表の藤澤隆介(Ryusuke Fujisawa)と申します。出身は、茨城県つくば市で研究学園都市のど真ん中で育ちました。2009年4月から八戸工業大学機械情報技術学科で研究室を構えて群ロボット、生物模倣などをキーワードに研究を進めています。研究室には学部1年生からロボットに興味を持つ学生が集まって賑やかに研究活動をしています!
ANTAM project共同開発者の永谷直久(Nagaya Naohisa)です。主な研究テーマは人間の感覚機能を拡張する感覚拡張インタフェースの開発で、現在、嗅覚や触力覚の知覚能力を拡張する手法を研究しています。人間の感覚拡張を研究する上で、昆虫などの生物が持つ”超感覚”の仕組みの解明や応用に興味があり、昆虫のためのバーチャルリアリティ実験装置であるANTAMの開発を藤澤先生と共同で行っています。2015年より京都産業大学で自分の研究室を持ち、学生たちと日々試行錯誤を繰り返しながら楽しく研究しています。

Project timeline

Date Plans
2016年09月 クラウドファウンディング挑戦
2016年09月 実験用昆虫の採取
2016年12月 ANTAMの製作
2017年01月 ANTAMを用いた実験開始
2017年03月 実験結果の取りまとめ

Pledge Rewards

You may provide additional support in addition to the amount of your return. No sales tax will be charged on the additional support.
1,100 JPY tax included
Featured : 研究報告書(PDF)

研究報告レポートと熱い御礼をご登録いただいたメールアドレスまでお送りいたします。今後とも研究の進展にぜひご注目ください。

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熱い御礼のメール / 研究報告書(PDF)

6 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

5,500 JPY tax included
Featured : アリ軌跡Tシャツ

ANTAMで取得したアリの歩行軌跡を元にオリジナルTシャツを作成いたします。サイズは、S、M、L、LL よりお選びください。

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アリ軌跡Tシャツ / 研究報告書(PDF) / 熱い御礼のメール

36 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

11,000 JPY tax included
Featured : サイエンスカフェ参加券(東京、京都、青森)

今回の研究プロジェクトについてより深く知っていただくため、全国3箇所でサイエンスカフェを実施します。藤澤が青森で、共同研究者の阿部さんが東京で、永谷が京都で、それぞれ研究成果についてご報告いたします。

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サイエンスカフェ参加券(東京、京都、青森) / 研究報告書(PDF) / 熱い御礼のメール

3 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

33,000 JPY tax included
Featured : ANTAM搭乗生物の標本

実験時に実際にANTAMに搭乗させた昆虫を標本にし、オリジナル標本ケースに入れてお送りします。(画像はサンプルです。実験に用いた昆虫であり、必ずしも綺麗な昆虫標本ではありません。)

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ANTAMにお名前を掲載 / アリ軌跡Tシャツ / ANTAM搭乗生物の標本 / 研究報告書(PDF) / 熱い御礼のメール

0 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

55,000 JPY tax included
Featured : 藤澤研究室見学(60min)

藤澤が八戸工業大学にある研究室を直接ご案内させていただきます。開発している「群ロボット」を生で見てみませんか?大学までの旅費は自費となりますので、ご了承ください。

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藤澤研究室見学(60min) / アリ軌跡Tシャツ / ANTAM搭乗昆虫の標本 / サイエンスカフェ参加券 / 研究報告書(PDF) / 熱い御礼のメール

1 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

110,000 JPY tax included
Featured : 論文・研究報告書への謝辞(個人、団体名)

ほぼ全部入りセットです。研究報告書にもお名前を記入し、お送りいたします。

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論文への謝辞(個人、団体名) / 研究報告書への謝辞(個人、団体名) / 藤澤研究室見学(60min) / サイエンスカフェ参加券 / アリ軌跡Tシャツ / ANTAM搭乗昆虫の標本 / 研究報告書(PDF)の送信 / 熱い御礼のメール

4 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

Supporters will be charged the funding amount only if the project reaches the funding goal (JPY 750,000) before 10:00 on November 28, 2016 (JST: GMT+9).
Payment options
Credit cards (VISA, Mastercard), bank transfer, convenience store payment, Pay-easy and PayPal are available
Additional Support
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Securities

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1,100 JPY(tax included)

研究報告書(PDF)

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アリ軌跡Tシャツ and others

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サイエンスカフェ参加券(東京、京都、青森) and others

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ANTAM搭乗生物の標本 and others

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