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「ケアする / される」から「ともに生きる」社会へ

Monthly academist Prize 4th adopted

Tomoki Kaneko

慶應義塾大学、doctoral candidate

Challenge period

2024-09-03 - 2025-08-31

Final progress report

Tue, 08 Oct 2024 00:34:57 +0900

Progresses

10 times

Supporters

37 people

Elapsed time

Tue, 03 Sep 2024 08:00:00 +0900

Profile

Tomoki Kaneko

私は小さい頃から、地球温暖化や食育、ジェンダー、高齢化社会などの課題をメディアで見聞きし、何もできない自分に無力感、悔しさを感じ続けていました。いつしかそれが原動力となり、「社会の医者(Doctor)として、さまざまな課題に対応できる道具をつくる」という博士進学の目標につながりました。

現在は、「ともに生きる」をテーマに、介護現場での実践や学び、目標設定、振り返りを支える「思考の補助具」の制作と導入をしています。実践と現場と「ともに」歩むことを大切にしています。私生活でも、新しい家族の形を実践し、ノンバイナリーであることも自分の一部です。

研究等の略歴はこちらをご覧ください。

What do you want to achieve through your research?

私の究極的な目標は、「ともに生きる」という双方向の関係性を社会全体に広げることです。

現在は、介護現場におけるよりよいケアのあり方として、同じ場を過ごすひとりの人として一緒にその場をつくるという関係性を構築するケアと場づくりである「ともに生きるケア」に注目をして研究を行っています。

介護だけでなく、子育てや教育、パートナーシップなどの分野においても、人々がともに気にかけ(ケア)、ともにあろうとすることが、重要だと考えています。

私が目指すのは、当事者や現場の課題・悩みに対して、特効薬ではなく、漢方のように根本の体質から改善する処方箋(解決策)として「ともに生きる」関係性へのシフト方法を提案し、「ともに生きる」サポートを通じてより良い社会を実現することです。

そのためには研究を論文執筆で終えるのではなく、研究を通じて得られた知見を広く社会に還元し、社会実装につなげていきたいと考えています。

What kind of process are you trying to achieve?

現場との対話を大切にし、「思考の補助具」を用いて実践を通じた研究を行い、その結果を社会に還元していきます。「思考の補助具」とは、介護職員が「ともに生きるケア」を実践するための学び、目標設定、振り返りなどの思考を補助し、実践を内側から支え続けるためのツールです。
具体的には、以下の3つのステップで進めていきます。

1. 「思考の補助具」の制作
「ともに生きるケア」を実現するために実践者が何を行っているのか、そして介護職員を支援するためには何を伝えれば良いのかを特定し、創造的な実践を支援するパターン・ランゲージの形式で記述します。

2. 現場への導入と効果・課題検討
現場とともに解決したい課題や適した導入方法を一緒に考え、得られた気づきや発見を踏まえながら、さまざまな試みを展開してきます。

3. 社会への実装
研究を通じて得たさまざまな活用・導入方法とその効果を、実践をサポートする「レシピ」の形式で公開し、広く社会に普及させます。

アイディアの着想は2013年、井庭教授の元、研究の経験を重ね、2018年にプロジェクトを発足。150施設以上、1314事例を調査し、どんな実践をすることで、結果として「ともに生きるケア」につながるのかを分析し、その成果は2021年に書籍『ともに生きることば』として出版しました。延べ100施設以上で、ワークショップおよび研修を170回以上開催し、延べ3500人以上を対象に実施しました。

What research topics are you currently working on?

博士課程の研究テーマとして「介護現場における『ともに生きるケア』の実践支援」を掲げ、現在は上記のうち2. 現場への導入と効果・課題検討と、3. 社会への実装に取り組んでいます。

2.では、アクション・リサーチの観点から、実際に自らが介護現場に入り込み、現場の介護職員や利用者との対話を通じて、具体的な課題を解決するためのアクションを行いながら研究を進めています。このアプローチは、現場で直面するリアルな課題を即座に捉え、それに対する適切な対策を講じることで、現場のニーズに即した効果的な研究を行うことができます。

3.では、誰でも使える道具となることを目指し、研究成果を「レシピ」の形式で一般公開することを目指しています。2.のデメリットとして、「金子がいないとできない」になってしまう恐れがあるなかで、実践しやすい形でまとめる「レシピ」形式に注目し、これまでのアクション・リサーチを通じて得られたさまざまな活用・導入レシピとその効果を公開していきます。現在はベータ版として公開中で、広く利用者の意見を取り入れながら更新を続けていきます。

Why are you challenging Academist?

研究と実践の行き来を大切にし、より多くの人々に研究の成果を届け、社会に還元していくためです。

「ともに生きるケア」を広めるためには、論文執筆だけでなく、現場での実践を通じて得た知見を社会の共有財産にしていかなければならないと思っています。

皆様からいただいた支援金は、学会の参加費や研究協力者への謝金、研究の事業化に向けた資金、研究活動に専念するための生活費に使用します。

支援者の皆様には、研究の進展をリアルタイムで共有するために、
・週1回:weeklyレポート(簡易的な1週間の活動報告)
・月1回: 活動報告会(研究+社会実装について)
を実施予定です。

また、介護現場で働く方や介護家族者向けに日々のケアに役立つ
・『ともに生きることば』の活用セミナー
・ゲストを招いた対談、鼎談イベント
を実施予定です。

これらの活動は全て映像記録を残し、後からでもアクセスできるようにする予定です。

皆様と「ともに」研究を進めていきたいと思います。
今年で大学入学10年目、この期間での学びを社会に還元していきたいと思っています。
また、30歳になる節目の年でもあります。

ご支援、どうぞよろしくお願いします!

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このプロジェクトは、銀行振込での一括支援も可能です。
ご支援いただいた月から2025年9月末まで活動報告が閲覧できます。

一括支援をご希望の方は、こちらのフォームよりお申し込みをお願いいたします。

〈一括支援プラン〉
11,000円(税込)
33,000円(税込)
55,000円(税込)
110,000円(税込)
220,000円(税込)

Recommender Comment

加藤 忠相
(株)あおいけあ/代表取締役

金子さんは、現場の声を大切にしながら、介護の質を向上させるツールを開発しています。私が代表を務める「あおいけあ」にも定期的に足を運んでおり、彼の書籍『ともに生きることば』には、私たちが大切にしている価値観が詰まっています。『ともに生きることば』の30のことばは、介護職員が直面する課題に対して実践的な解決策を提供し、新たな視点やアプローチをもたらしてくれます。彼の研究を通じて、この30の「ことば」が全てのケアの現場に届いて欲しいです。

秋本 可愛
株式会社Blanket/代表取締役, KAIGO LEADERS/発起人

金子君とは、2014年の大学入学前から関わりがあり、構想段階から実際に形になる過程を目の当たりにしてきました。彼の「ともに生きるケア」のプロジェクトは、単なる研究にとどまらず、現場での実践に根ざしたアプローチが特徴です。彼の取り組みは、介護職員と利用者の間の関係性を捉え直し、ケアの質を向上させる革新的な試みです。その成果は、現場での実践的な効果を生み出しており、彼の活動がさらに広がり、より多くの現場で「ともに生きるケア」が実践されることを心から願っています。

堀田 聰子
慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科/教授, 認知症共創ハブ/代表

金子さんは、多くの介護現場を訪ね、よい実践にはともに生きるケアと場づくりがあると考えます。ではどうしたらよりよい実践を支援できるのか。思考の補助具として「ともに生きるケア」のパターン・ランゲージを制作して、実際にいくつかの切り口で現場に導入を試みています。ともに生きるケアの力に魅せられ、介護現場との対話を続け、現場とともによりよい実践の普及に向けた探究を続ける金子さんの研究の応援は、ケアに満ちた社会に向けた一歩になることでしょう。

秋山 美紀
慶應義塾大学環境情報学部/教授, がん情報ステーション「からだ館」/リーダー

金子さんは、介護の現場にどっぷりと入り込み、現場の声を大切にしてパターン・ランゲージを作成し、それを実際に導入して広げる活動を行っています。この実践的なアプローチは、単なる研究にとどまらず、現場の課題に即した具体的な解決策を提供するものです。彼の「ともに生きるケア」の取り組みは、ケアのあり方を根本からアップデートする可能性を秘めており、その活動がさらに広がり、多くの現場で実践されることを心から期待しています。

井庭 崇
慶應義塾大学総合政策学部/教授

金子君は、学部1年生から私の研究室で学び、認知症の方や家族の支援、高齢者施設での支援のパターン・ランゲージの作成・活用に取り組んできました。彼は全国を回り、現場での実践を通じて多くの方々とつながり、これらのツールを広めています。その研究と実践への情熱、現場との深い関わりは、彼の大きな強みです。彼がこれからも介護・福祉分野で革新的な研究と実践を進め、さらなる成果を上げることを期待しています。

Project timeline

Date Plans
2024年9月上旬 月額支援型クラウドファンディング開始
2024年9月上旬 学会発表:日本ヘルスコミュニケーション学会にてポスター発表予定(9/28, 29))
2024年9月上旬 「ともに生きることば」活用レシピサイト(ベータ版)リリース
2024年9月中旬 博士論文:最終稿完成
2024年9月下旬 博士学位取得に向けた最終試験の実施
2024年10月上旬 博論+10年間の研究・活動の報告会実施
2024年10月〜 博論完成後、博士研究をベースに介護分野以外での「ともに生きる」ことに関する研究スタート
2024年11月~2025年2月 研究成果の事業化の検討(理系学生向け 社会課題解決 インキュベーションプログラムTOKYO MOONSHOTに採択済)
2025年3月上旬 学会発表:2nd International Virtual Congress on Dementia and Alzheimer’s Diseasesにて基調講演
2025年3月上旬 博士課程卒業予定
2025年4月〜 博士研究をベースに介護分野以外での「ともに生きる」ことに関する研究プロジェクトの発足
2025年4月上旬 国際会議:World Ageing Festival 2025に参加予定
2025年4月上旬 国際会議:13th Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsに研究成果を発表予定
2025年9月下旬 学会発表:Aging & Social Change: Fifteenth Interdisciplinary Conferenceにて発表予定
2025年9月 月額支援型クラウドファンディング終了

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