「合成生物学」は、遺伝子部品を組み合わせて新しい生物をデザインする学問です。過去のiGEM大会では、大腸菌を特定の物質のセンサーになるように改造したり、重金属を捕まえて環境汚染を浄化する大腸菌を作ったり、さまざまな試みがなされています。私たちは研究を進めるうち、これらの多くのプロジェクトには共通の弱点があることに気がつきました。大腸菌は生きていくために、培養液の中で活発に増殖します。しかし増殖のスピードが速いため、培養液の栄養を非常に短時間(数時間程度)で使い切ってしまい、増えすぎた大腸菌はすぐに休眠状態へと移行してしまうのです。そのため結局のところ、多くのプロジェクトは夢物語にとどまっていました。私たちは今年この問題に正面から取り組み、長期間(1週間程度)働き続ける、「マラソンランナー」のような大腸菌を作成することを目標としています。このような大腸菌が実現されれば、これまで作られたさまざまな大腸菌を用いたプロジェクトも現実味を帯びたものになると考えています。
解決すべき課題は2つ、大腸菌の増えすぎ防止と、栄養の補給です。私たちは、そのために2つの遺伝子プログラムを設計しました。
1. 大腸菌のソーシャルディスタンス
皆さんは、大腸菌も「おしゃべり」をすることを知っていますか? クオラムセンシングという現象で、大腸菌は化学物質で「おしゃべり」し、自分たちの数を知ることができるのです。私たちはこれに目を付けました。大腸菌が培養液の中で一定の密度を超えたら、大腸菌にそれを感知させ、破裂してもらいます。これによって大腸菌の増えすぎを防ぎ、栄養素を節約するのです。
2. リサイクル
破裂した大腸菌は、栄養のかたまりです。長期の培養を可能にするにはこれらを上手にリサイクルする必要があるとわたしたちは考えました。大腸菌が破裂する時、同時に消化酵素を分泌する仕組みをわたしたちは設計しています。
こうした工夫により、大腸菌は飢えず、長期間働き続けてくれると考えられます。この「長生き」大腸菌の実用第一弾として、大腸菌に「鹿の忌避する物質」を生産させることを計画しています。
研究内容は以下の通りです。
1. 「大腸菌のソーシャルディスタンス」の実装
大腸菌に感染して増殖する「ファージ」というウイルスの遺伝子を使って、大腸菌を破裂させる回路を作成します。この回路に、クオラムセンシングの回路を組みあわせて、培養液中で増えて密度が上がった時にだけ大腸菌が破裂する仕組みを実装します。どの遺伝子をどの回路につなげば、ねらった大腸菌密度で破裂が駆動するのか、数理的シミュレーションと実験のセンスの両方が試されるステップです。
2. 「リサイクル」の実装
消化酵素として、DNAやタンパク質、脂質などを標的にした酵素を使って、破裂した大腸菌をどれだけ分解できるか調べていきます。破裂時だけこれらの酵素が働くような仕組みについても工夫をこらしています。実際にリサイクルされた栄養によって持続的に成長する大腸菌を確認したいです!
3. 鹿忌避物質のフィールド実験検証
私たちの「長生き」大腸菌に作らせる鹿よけ物質の実用有効濃度を、野外の鹿に対して直接実験で導き出します。大腸菌が作るべき量を最適化し、長生き大腸菌の「実用第一号」へつながるデータを集めるのです。
iGEM Kyotoでは、科学に興味関心を持つ学部生自らが自主性と責任をもってプロジェクトを進行しています。しかし、大会への参加費用は年々増加しており、今年のチーム登録料は総額8500ドル(約120万円)にものぼります。これに加えて現地で会場に入るために一人550ドル(8万円)が必要です。渡航費にもかなりの費用がかかります。もちろん研究に使用する試薬代も必要です。学業の傍ら学部生のみで構成されたメンバーのみでこれらの費用を賄うことは非常に困難です。学部生が応募できる研究助成金もほとんどありません。
高額な大会ですが、過去に参加した先輩たちは口を揃えて「海外の同世代の優秀な学生と競い、会場で議論することにはお金にかえられない大きな価値があった」と言います。先輩たちはその後進学したり、海外に留学したり、さまざまな分野で活躍しています。自分たちもその伝統を受け継ぎ、次の世代にバトンを渡したいのです。そのため今年のプロジェクトの研究費用と渡航費の一部をご支援いただきたいのです。私たちiGEM Kyotoへのご支援をどうかよろしくお願いいたします。
【千里の馬は常にあり 伯楽は常にはあらず】このチームに関わるようになって10年近く、できる範囲で支援しながら多くの学生を見てきました。ここにはいつも、信じられないほどの熱意と才能をもった学生が集まっています。彼らに欠けているのは「チャンス」だけです。ひとりでも多くの伯楽の皆さんにプロジェクトに参加していただき、ふさわしいステージを用意してあげれば、彼らの可能性は必ず開花すると信じています。
The iGEM competition represents a realistic scientific endeavor for young scientists. It provides teams with the opportunity to learn at an early stage of their career about the scientific process - though conception, execution, and publication - including the financial requirements to succeed in research. Over the years, iGEM Kyoto’s research achievements have proven their commitment to stakeholders and the scientific community. Contributions to the team represent an investment in our future scientists.
海外ではiGEMの活動に国レベルや大学レベルで積極的に公的援助を行っているところもあります。残念ながら、我が国では公的援助を得ることは困難です。京大では学生達が自主的・主体的に15年もの間iGEM Kyotoとして幅広い活動を継続して行い、夢をつなぐと共に国際性のある人材が巣立ってきました。学生達の自主的なiGEM Kyotoの活動を援助することは、優秀な若い国際的人材を育て、アカデミアだけでなく幅広い領域に輩出することにつながります。学生達が継続してきた自主的な国際的活動をみんなで応援しませんか?
Date | Plans |
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2023年11月 | iGEM Jamboreeで発表 |
2023年12月 | 分子生物学会での発表 |
2023年12月中旬 | 成果発表会(予定) |
2024年-2026年 | 論文執筆 |
iGEM Kyotoの日々の活動を報告しているニュースレターを配信させていただきます。
不定期発行、年3-4回です。
ニュースレター配信
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iGEM Kyotoのwebページにお名前を掲載させていただきます。
大会終了後に活動報告書をpdfで送信させていただきます。
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今年度のiGEM Kyotoのwikiページ・発表スライドにお名前を掲載させていただきます(希望者のみ)
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大会終了後の成果発表会(zoom)にてお名前を紹介させていただきます(希望者のみ)
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成果発表会にてご紹介 | December, 2023 |
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大会終了後の成果発表会にてお名前を大きくご紹介させていただきます(希望者のみ)
成果発表会にてご紹介(大) / ニュースレター配信 / お名前掲載・活動報告書配信 / wiki・スライドにお名前掲載 / 成果発表会にてご紹介
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成果発表会にてご紹介(大) | December, 2023 |
成果発表会にてご紹介 | December, 2023 |
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ニュースレター配信 / お名前掲載・活動報告書配信 / wiki・スライドにお名前掲載 / 成果発表会にてご紹介 / 成果発表会にてご紹介(大) / 2023年12月から1年間のiGEM Kyotoからの刊行物などにスポンサーとしてお名前を掲載
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成果発表会にてご紹介 | December, 2023 |
成果発表会にてご紹介(大) | December, 2023 |
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成果発表会にてご紹介 | December, 2023 |
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成果発表会にてご紹介 | December, 2023 |
成果発表会にてご紹介(大) | December, 2023 |
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