おかげさまでクラウドファンディング挑戦を成功で幕を閉じることができました。
この場をお借りしまして、今一度、皆様に厚く御礼申し上げます。
本当にたくさんの方々から応援を頂き、関心の高い研究テーマであることを再認識致しました。
これから本格的に研究が動き出しますが、進捗につきましては本プロジェクトページやTwitter、当院ホームページなどでご報告していく予定です。
引き続き、本研究の進捗を見守って頂ければ嬉しく思います。
また、リターンにつきましても改めてご連絡いたしますので、今しばらくお待ち頂けますと幸いです。
2ヶ月間、正直苦しい時期もありましたが、ラストスパートの追い上げは本当に圧巻でした。皆様の応援の熱量に鳥肌が立ちました。
今度は私が皆様から頂戴した熱い応援に応える番です。ベストを尽くします!!
みなさんは「卵子の老化」という言葉を耳にされたことはあるでしょうか。厚生労働省の報告によると、2019年には約14人に1人の子どもが体外受精で生まれています。1クラスが30人程度だと考えると、その中には体外受精で生まれた子どもが2人はいる計算になります。このように不妊治療、とりわけ生殖補助医療が社会に果たす役割は大きく、不妊に悩むご夫婦の大きな希望となっているだけでなく、押し寄せる少子高齢化の波に対する武器にもなります。そして、2022年4月からは採卵から胚移植に至るまでの一連の基本的な診療は全て保険が適用されることになり、ますます生殖補助医療への期待は高まると予想されます。
しかしながら、生殖補助医療を行って妊娠に至る女性は3割程度で、ほぼ横ばいの状態が続いています。この原因の一つとして、子どもを授かろうとする女性の平均年齢が高くなるにつれて、卵子の質が低下してしまうことが挙げられます。日本産科婦人科学会の調査によると、母体年齢が高くなるほど生産率(子どもを授かる確率)は減少し、逆に流産率は上昇します。母体年齢の増加に伴って卵子の質が低下する現象は「卵子の老化」と呼ばれ、生殖補助医療において極めて大きな課題となっていますが、これを防止する方法は現在のところ存在しておらず、また、卵子の質の低下に関するメカニズムも不明のままです。私は生殖補助医療に携わる者として、この卵子の質に関わる問題を改善し、より多くの方々が子どもを授かるチャンスに恵まれた未来を作りたいと考えています。
卵子の質の低下に関するメカニズムに迫るために、まずは卵子を取り巻く環境がどのように卵子の質に影響を与えているのかを解明します。
本研究では、卵胞液と卵子を取り囲む細胞(卵丘細胞)を用いて、卵子の質の低下がどのような細胞環境の変化で引き起こされるかを明らかにします。卵子は卵胞液や卵丘細胞と様々なやり取りを行ないながら発育します。その微小環境こそが卵子の質に関わるメカニズムの鍵であると我々は考えています。
生殖補助医療において卵巣内の卵胞から卵子を採取する際、卵胞液と卵丘細胞が同時に採取されますが、これらは治療には用いられずに廃棄されます。本研究ではその卵胞液と卵丘細胞を有効利用して研究に活かします。
研究対象となった卵子は通常の治療として顕微授精をおこない、その受精卵を胚盤胞という状態まで培養して凍結保存します。このとき、人為的介入がないAIによる評価で胚盤胞をスコアリングします。胚盤胞が複数個凍結でき、且つ胚盤胞のスコアに差異(良好胚と不良胚)を認めた場合、それぞれの卵子に由来する卵胞液と卵丘細胞を比較解析します。卵胞液については、卵胞液中のホルモンの値を解析し、卵子の質に影響を与えるホルモンを探索します。卵丘細胞については、RNAシーケンシングという分子生物学的手法により、遺伝子の働きにどのような違いがあるか解析します。以上2つの解析によって、卵子を取り巻く環境がどのように卵子の質に影響を与えているのか、そのメカニズムを明らかにしたいと考えています。
本研究は3月に倫理審査委員会の承認を得ており、4月中に日本産科婦人科学会へ研究登録される予定です。つまり、本格的にスタートするのはこれからになります。
卵子や精子、そして受精卵を用いた基礎研究を実施可能な施設は限られています。その理由は、研究に必要な十分量の卵子や受精卵を確保できる臨床体制と、十分な研究環境を同時に備えている施設が少ないためです。当院には、年間およそ2,000件の採卵と、81.7%の受精率を誇る約2,500件の顕微授精を実施している実績(2021年)があります。それに加えて基礎研究にも力を入れており、環境の整った研究施設を併せ持っています。臨床と研究それぞれに力を入れている当院の特色を最大限に生かし、卵子の質の改善という難題に挑みたいと思います。
今回のチャレンジでは、卵子の質の低下のメカニズムを解明するところまでを目標としています。将来的には、今回のチャレンジで得られた知見をもとに、卵子の質の低下を防ぐ新規物質の発見、さらには卵子の質の低下に対する治療法開発へと繋げ、生殖補助医療の成績の改善を目指したいと考えています。
クラウドファンディングにチャレンジしようと思った理由は2つあります。1つめは、研究費拡充のためです。質の高い研究成果を得るためには、それに見合うだけの研究資金が必要になります。大学や公的研究施設で働く研究者であれば科研費などの公的資金を獲得して自身の研究を進めることができますが、プライベートクリニックに所属する私には応募資格がありません。そこでクラウドファンディングでご支援頂き、その資金を本研究の一部に使わせて頂きたいと思っています。ご支援頂いた資金は、卵丘細胞のRNAシーケンシング解析費用に充てさせて頂きます。
2つめの理由は、生殖補助医療に対する啓蒙です。先に述べたように、女性の平均年齢が高くなるにつれて卵子の質は低下し、治療成績も下がってしまいます。つまり、治療を開始するなら早い方が良いということです。それに加え、高いレベルの技術と知識を持ったクリニックで治療することも重要です。今回のチャレンジを通して、多くの方々に生殖補助医療の実際を知って頂き、そして理解を深めて頂く機会になれば幸いです。
不妊に悩まれ、悲嘆にくれるご夫婦の姿をこれまでたくさん目にしてきました。今回の研究で得られた成果が、多くのご夫婦の笑顔につながれば大変嬉しく思います。
今回の研究は、卵子の質の低下を防ぐ新規物質の発見や治療法開発へと繋げ、生殖補助医療の成績の改善を目指しています。卵子の質に関わるメカニズムの解明という極めて大きな課題ですが、その分子生物学的なメカニズムを明らかにすることで、糸口をつかみたいと思います。この研究の成果が大きく社会に貢献できますよう、多くの方々からのご支援をお待ちしています。
「卵子の質」に関わるメカニズムは、動物実験においても知見が少なく、ヒトにおいてはこれまでほとんど明らかにされてきませんでした。このメカニズムを明らかにし、ヒトの卵子の質を改善することが可能となれば、生物学として重要な発見となるだけでなく、現在の不妊治療で妊娠に至らない患者様にとっても希望の光となることが期待されます。基礎と臨床の両方に携わっている研究者であるからこそ遂行可能なプロジェクトだと言えます。本プロジェクトの成功を期待しています。
世界初の体外受精の成功から40年以上がたちます。以後、生殖医療は日進月歩の技術開発により、子供を持ちたいというカップルの方々の夢を叶えてきました。そして現在、残された最後の課題は使用する卵子の質の改善と言っても過言ではありません。卵子の質の改善すなわち卵子の老化を遅滞させることができれば多くの方々の夢を実現することができます。本研究は卵子老化の本質を突き止め、治療につなげていくものです。多くの方々に福音を届ける可能性があると考えます。
Date | Plans |
---|---|
2022年5月 | サンプル(卵胞液、卵丘細胞)回収開始 |
2022年11月 | 卵胞液のホルモン値測定、卵丘細胞の遺伝子発現解析開始 |
2023年7月 | 学会発表 |
2023年10月 | 論文投稿 |
メールでお礼のメッセージをお送りします。
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academist Journalに寄稿する研究報告レポートにお名前を掲載します。
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本研究に関連するテーマ(初期胚発生、着床)について、これまでの研究成果を交えながらお話しします。
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当院が実施しているオンライン説明会にご参加頂きます。医師、胚培養士、経理、研究員から当院での取り組みを紹介いたしますので、生殖補助医療の実際を垣間見て頂けると思います。
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お送り頂いた写真をもとに、元漫画家の当院スタッフが似顔絵を描きます。基本はサンプル画像のような水彩画調ですが、アニメ調をご希望の方は別途ご相談下さい。
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今回の研究について学会発表する際、そして論文化した際に謝辞を掲載します。
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本研究について個別にディスカッションの機会を設けます。具体的な内容や日程はご相談させていただきます。セミナーや講演の依頼もお引き受け可能ですが、交通費をご負担頂けますと幸いです。
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