サポーターの皆様
こんにちは。これから秋本番に向かうそうですね。急に天気が変わるので、体調にはお気をつけてお過ごしください。
さて、8月~9月に怒涛ごとく行われたヒヒ様の調査ですが、ただいますべての結果報告が出そろうまで待ちの状態です。その間、ヒヒ様は収蔵庫でお休みになっておられますが、チャレンジャー山花は皆様に差し上げるレポート等のレイアウトの打ち合わせなど行っておりまして、ヒヒ様のために奔走しております。
さて、今のところ報告事項がないので、ヒヒ様のゆるキャラ風のロゴを作ってみました。ご笑覧ください。(もう少しマシに作れる、という方はご連絡ください!)
それでは、次の進捗報告まで今しばらくお待ちいただけると幸いです。
チャレンジャー 山花より
サポーターの皆様
こんにちは。山花です。
台風は足早に通り過ぎていきましたが、皆様のお住まいの場所に被害が出ていないことを祈っています。
さて、今回は9月7日に進捗報告をしました、マルチスペクトル分析の結果の画像を1枚お見せしますね。この写真は東京芸術大学の高橋香里博士が撮影してくれたものです。
マルチスペクトル分析とは、人間の目に見える光や見えない光(赤外線や紫外線など)といった複数の波長帯の光を対象物に当て、そこから得られた画像で物質を判断する分析方法です。(詳細についてはコチラも参考になります⇒https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej/68/4/68_295/_pdf)
今回お見せしている画像は紫外線をヒヒ様に照射したものです。ヒヒ様のマントの部分が白く光っているのがわかりますね。実際に撮影をしているときは、電気を消して真っ暗にした状態で紫外線だけを当てて撮影しました。ヒヒ様が光っているのは人間の眼には見えませんでしたが、画像にはしっかり映っています。
これは、紫外線に対して反応をするエジプシャンブルーという人工顔料が塗布されている証拠です。このヒヒ像のマントの部分には全面にエジプシャンブルーが塗られていて、作られた当時は青空のような青色でした。今回添付した写真には、台座にもエジプシャンブルーが落ちている様子(そこだけ光っています)がわかりますが、エジプシャンブルーの結晶は比較的大きいため、どうしてもポロポロとしたにこぼれてしまうのです(もったいないですね)。
エジプシャンブルーは古代エジプトで初めて作られた人工顔料です。古王国時代のピラミッド時代にはすでに登場していました。エジプシャンブルーの起源は実はまだ謎です。
最終報告レポートでは、このエジプシャンブルーの起源についても考察してみますね。お楽しみに。
サポーターの皆様
こんにちは。秋めいてきましたね。もうそろそろ月見の季節です。
さて、ヒヒ神像を救おうプロジェクト以外にも、東海大学のエジプト・コレクションを軸にいろいろとツイートしています。
お時間があれば、ご覧ください。
https://twitter.com/KyokoYamahana
サポーターの皆様
続きの報告です。
さて、9月1日~2日はヒヒ神像の表面情報を調査するために、理化学分析の専門家である東京電機大学の阿部善也助教、筑波大学の村串まどか博士と絵画修復の専門家である髙橋香里博士が来学し、ヒヒ神像を徹底的に調査してくださいました。
阿部博士と村串博士は非破壊蛍光X線分析、X線回折、ラマン分光分析、高倍率顕微鏡などを用いて調査を行い、高橋博士はマルチスペクトル分析とヒヒ神像の顔料の測色を行ってくださいました。その様子はまるで、病院の健康診断で体全体をチェックされる人のよう。本体の木部や台座、使われている顔料のサンプリングもされて、すっかりお疲れのご様子です。
分析の最中にも、これまでの予想や通説を覆すような新しい発見の種がいくつも見つかりました。これから阿部助教が詳細に分析してくださるので、正確な結果が出るのは数か月後。皆さまにどんなご報告ができるか、今から楽しみです。また、高橋博士による測色のデータはヒヒ神像のレプリカを3Dプリンターで作る際にとても役に立ちます。復元制作では、ヒヒ神像が作られた当時の色彩を再現しようと考えていますので、3Dプリンターで復元した像に着色すれば、「触って観察できる」ヒヒ神様が完成する予定です。東海大学の博物館「松前記念館」などで皆さまに触っていただける機会も作れると期待しています。
期間中には、ドキュメンタリー動画の撮影班も入って、作業の様子をしっかり撮影してくださいました。スタッフ3人で3日間かかりきりでの撮影で、たくさんの動画素材を取っていってくださいました。その成果がどんなドキュメンタリーに仕上がるか、こちらも楽しみです。
そして皆さまにとてもうれしいご報告があります。今回のクラウドファンディングではヒヒ神像の調査までで、予算的に修復を行うのは難しいと考えていたのですが、修復を行うことができる見通しとなりました。修復は前回の進捗報告でお知らせしたように、東京藝術大学の岡田靖准教授と本学教養学部芸術学科の田口かおり講師(専門は保存修復学)から修復保存に関する貴重なコメントをいただき、その後のやりとりで、田口講師が修復を引き受けてくださることになりました。皆様ご存じのように、ヒヒ神像の右手が取れてしまいそうになっていたのですが、その部分を最新技術で固定することになりました。修復が終われば、ヒヒ神さまを皆さまに直接ご覧いただくことができるようになります。田口先生のゴットハンドでどんな修復が行われるか。修復が終ったところでまた皆さまにご報告いたします。
今回の調査で、本プロジェクトで実施する分析は8割がた終わりました。あとは結果を楽しみに待ちたいと思います。次回のご報告はちょっと先になりそうですが、また随時情報を発信していきますので、お楽しみにしていてください。
サポーターの皆さま
9月に入って急に涼しくなってまいりましたね。皆さまにはいかがお過ごしですか。
今回のレポートでは、8月30日から9月2日まで行ったヒヒ神像の分析について、2回に分けてご報告をいたします。
8月30日にはさらなるX線CTスキャンと共に、(株)パレオ・ラボの小林さんと竹原さんが岐阜からわざわざお出でいただき、樹種同定とC14(放射性炭素年代測定)のためのサンプルを採取してもらいました。
ヒヒ神像は金属、木材、布等を組み合わせて作った「複合像」です。以前行ったX線CTスキャンでは、ヒヒ神像の木材の木目や充てん剤がくっきりと映りました。しかし、X線の出力が弱かったために、金属部分は殆ど映っておらず、3D画像にすると頭部が爆発したような現象(ハレーション)が認められました(泣)。金属(特に顔)部分が中空で作られていることはぼんやりとわかったのですが、ちゃんと確認するためにはさらに強いX線を照射した上、じっくりと時間をかけて撮影する必要が出てきました。この撮影は今月末に行います。
さて、樹種同定とC14のためのサンプリングについてもかいつまんで報告します。C14(放射性炭素年代測定法)は動植物や人間が生きている間に体内に取り込んだ放射性物質(炭素14)ですが、その生物が死ぬと体内に取り込まれなくなり、少しずつ減少していきます。今回の木材の場合だと、自然界にある炭素14の割合と木材に残っている炭素14の割合を比べると、その生物が活動を止めたおおよその年代がわかる、というものです。このC14測定のためには、0.5gほどの木片が必要になります。今回はヒヒ神像の台座の裏と像の左側の木材の割れ目部分から採取しました。
それから、樹種同定のサンプルも採取しました。ヒヒ神像は神様の本体は一木造で、台座は別の木材で作られています。そして、その台座は非常に硬いのです。古代エジプトは硬い良質の木材を求めてレバノンの杉を輸入していたくらいですから、もしこの台座が杉材であるとすれば、古代エジプトの交易網の広がりをこの神像でも確認することができるわけです。
樹種同定のためには木材を3方向から削いで薄片を高倍率顕微鏡で観察する必要があります。3方向とは木材の表面に縦縞が走るように見える「柾目」、木材の表面にUの字の縞が見える「板目」、そして木材の横断面である「木口」です。ヒヒ神像には2種類の木材が使われているため、3か所×2種類で合計6か所に剃刀を入れなければなりませんでした。
古代の文化財は非破壊に越したことはありません。ヒヒ神像も目立たないように木材の割れ目に沿って剃刀を入れ、なるべく目につかないような箇所から薄片を採取しています。ただ、ほんの少しでも神像に剃刀を入れる行為をヒヒ神様は非常に嫌がったらしく、ヒヒ神像の左腿から薄片を採取している最中にメス(手術用)が落ち、採取していた研究者の左腿を直撃する、というアクシデントもありました(偶然なのでしょうか・・・)。
サンプリングの詳細については、年度末にまとめる予定のレポートにもまとめます。また、一部の支援者の皆様にはドキュメンタリー動画をお渡ししますので、楽しみにしてください。
ヒヒ神クラファンのサポーターの皆様
暑い暑い夏ですね。皆様にはいかがお過ごしでしょうか。
さて、クラファンプロジェクトを開始してから初めての8月の進捗報告をいたします。
これから9月初旬にかけてヒヒ神様の身体は様々な分析装置で入念に調べられることになります。
分析に先立ち、8月26日には保存修復家の立場からの意見を仰ぐために東京藝大の岡田靖准教授(仏像修復専門)と、東海大学教養学部芸術学科の田口かおり講師(西洋美術工芸品修復専門)からお話を伺いました(写真の先生方です)。
ヒヒ様を実際に見ていただきながら、保存修復の専門家の目線から様々なことを教えていただきました。特に岡田靖先生は木彫の専門家だけあって、ヒヒ様を一目見るなり木芯(年輪の一番コアの部分)を見つけて、「ここに木芯があるから、このように割れとゆがみが出る」と、丁寧に教えていただき、まさに目からうろこです。
こちらは何度もCT画像を見ているのに、木の節やウロなどが木彫ではどのように修正されているか、なんて全くわかりませんでした。さらに、木目の方向と彫刻の難易度の関連も教えてくださいました(これは最終報告書で詳しく説明させていただきますね)。作り手目線からのご意見、大変貴重でした。
また、田口先生と岡田先生の間で交わされた少しマニアなお話も、知らない者にとっては非常に興味深いものでした。修復の接着剤には様々な種類のニカワが使われるのだそうですが、今回話題に上ったのがチョウザメ、ウサギ、ウシなどです。チョウザメ!キャビアしか発想がありませんでしたが、ニカワも取れるんですね。保存修復の専門家の中では常識なのでしょうが、素人にはへえ~!と思うことばかりです。
研究の面白さは、それまでわからなかったことが徐々にわかるようになってくるところにありますが、自分で地道に調べて理解を進めていくだけではなく、他の専門家に教えられたことが「腑に落ちる」時も大きな達成感があります。
今回のプロジェクトは、まさに様々な分野の専門家による共同プロジェクトです。様々な分野の専門知識を集め、皆で協働しながら一つの目標を達成することに大きな価値があります。
昔のテレビ番組の「プロジェクトX」みたいですね。
さて、お二人の先生から貴重な助言を頂戴し、来週からはいよいよX線CTスキャンと樹木種の同定や放射性炭素年代測定、マルチスペクトル分析、オンサイト蛍光X線分析と蛍光X線回折、ラマン分光分析など、様々な分析が行われます。
詳細は次回の報告をお楽しみにしてくださいね。
では、暑い夏、皆様ステイホームで乗り切ってください。
チャレンジャー 東海大学 山花京子
サポーターの皆様
クラウドファンディングが成立してから、明日の5日で1週間を迎えます。この間、ぼんやりしている暇はなく、皆様にしっかりした結果をお届けするために、分析の種類や日程の調整、映像制作会社との打ち合わせなど、ほとんど毎日複数件の打ち合わせが入っておりました。
クラファンが終わってからぱったりと進捗状況がアップされなくなったので、「サボっているのでは・・」と怪しんでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、いえいえ。その逆でめっぽう忙しい日々を送っております。
本日は放射性炭素による年代測定と、ヒヒ様の樹種同定のための分析のためにどこからサンプルを取るか・・・というところで随分と頭を悩ませました。
これらの分析は、基本が破壊分析といって、少しの量のサンプルを採取しなければなりません。
テクノロジーの進歩のおかげで、採取する分量は以前に比べれば少なくなりましたが、それでもご神体を削ることには違いありません。削っても一番目立たない場所はどこだろう・・・と、いろいろと意見を出し合って何とか落ち着きました。
放射性炭素年代測定と樹種同定のためには、サンプル採取のプロが行う必要があります。本日聞いた話によると、昔ながらの「剃刀」でシュッと削ぐのだそうです。その剃刀技はプロならではなので、ぜひドキュメンタリー動画で支援者の方々に見ていただきたいと考えています。
お楽しみにしていてください。
サポーターの皆様
本日17時にクラウドファンディングの期限を迎えました。終了3分前まで、新たなサポーターの方がご支援を申し出てくださって、本当にありがたく存じます。
また、カウントダウンイベントにご参加いただいた皆様にもお礼を申し上げます。ろくにカウントダウンもできませんでしたが、研究室の大学院生がくす玉やクラッカーなどを準備してお祭り気分を盛り上げてくれました。ありがとうございました。
皆様の温かい心に触れて、ヒヒ神様は幸せな神様だなぁと思います。
最終的に、サポーター数は150名、支援総額は1388000円となりました。皆様のおかげです!
これからは夏休み返上(!)で本格的な調査に入ります。最終の報告書は年度末あたりになると思いますが、この「進捗状況」の頁にて折に触れアップデートをしていきますので、ぜひご覧いただけますよう、お願いいたします。
それでは、このご縁を大切にしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
チャレンジャー 山花京子
サポーターの皆様
あと5時間でクラウドファンディングが終了しますが、目標を達成した後も約30名の方々がヒヒ神像のために参集してくだ
さいました。今やサポーター数149名です!
さて、先日行いましたX線CTスキャンの結果について、以前に少し書いたのですが、本日も補足を付けていきます。
さて、前回お見せした2Dデータより鮮明な画像を入手しました。
このヒヒ様、なんと一木造です。
そして、台座部分は修復の痕が見えますが、どうやら古代の修復のようです(木材の色が違いますね)。
そして、頭の穴(これは円盤を差し込む場補)と、顔にも穴が開いており、金属製の顔部分と本体がつながれています。透けて見える穴の周辺にぼや~っと見えるのは、どうやら接着剤らしいのですが、樹脂でもなさそう・・・もっと硬いもののようです。
古代にはどのような接着剤が用いられていたのか、これからサンプルを作ってX線CTスキャンにかけてみる実験を行うことになります。
2D画像だけでも、結構わかりますね。これを3Dにするともっと臨場感と立体感があります。サポーターの皆様の一部には動画(ドキュメンタリー)でお渡しできますし、静止画を使った報告書はサポーター全員のみなさまにお渡しいたします。
楽しみにしていてください!
サポーターの皆様
このヒヒ様のプロジェクトは目標達成して後、すでに約20名の追加ご支援をいただいています。
目標達成した後の方がご支援のスピードが増しているらしいのですが、これはクラファンでも異例のことなのだそうです。
本当にありがとうございます!
あと2日! 29日にはオンラインカウントダウンイベント(下記参照)も予定しております。お暇であれば、ぜひご参加ください!!
引き続き、ご声援をよろしくお願いいたします。
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。
活動報告レポート(PDF)、寄附金領収書 他
37
人
が支援しています。
(数量制限なし)
活動報告レポートに謝辞掲載、寄附金領収書 他
40
人
が支援しています。
(数量制限なし)
ヒヒ神像360°データ、寄附金領収書 他
61
人
が支援しています。
(数量制限なし)
ヒヒ神像X線CTスキャンドキュメンタリー動画、寄附金領収書 他
9
人
が支援しています。
(数量制限なし)
オンラインアカデミックカフェ、寄附金領収書 他
2
人
が支援しています。
(数量制限なし)
コレクションの個別オンライン見学会、寄附金領収書 他
1
人
が支援しています。
(数量制限なし)
大学HPにお名前掲載 他
0
人
が支援しています。
(数量制限なし)