みなさんの応援のお陰で目標金額だった100万円到達いたしました!本当にありがとうございます!公開2日で達成できたことに皆さんからの熱い期待を感じました。支援金のおかげで当初計画していた研究を遂行できますしクラウドファンディングは成功になりました。
研究はお金があるとさらにできる実験が増えます。ですのでセカンドゴールで250万円を目指すことにしました。このセカンドゴールでは、ヒトのがん細胞を使って薬の抗がん活性を調べる実験をしたいと思います。ネズミで確かめた結果をヒトの細胞で確かめる、重要な実験になると思います。注意していただきたいのは、薬の開発は数年単位の仕事で、すぐにでも患者さんに届くものではないということです。しかし、ヒトの細胞を使う実験は研究を確実に前に進めることができます。
この目標達成は僕一人の力では到底成し得ることは出来ず、支援してくれた方はもちろん、応援コメントや拡散してくれた皆様のおかげです。セカンドゴール目指して、今後とも拡散やご支援頂けると幸いです。
蛭子 まこと
高齢化に伴って、がんの罹患者数は年々増加しています。これを読んでくださっている方のなかにも、ご家族やご友人ががんになったという方がいらっしゃるかもしれません。さまざまな治療の選択肢がありますが、2018年には本庶佑先生がノーベル賞を受賞したことで「がん免疫療法」という治療法が一躍注目を浴びました。とても画期的な手法で、現在多くの種類のがんの治療に使用されています。オプジーボという名前で聞いたことがある方も多いかもしれません。
健康な人間でも、毎日がん細胞が体に生まれてきているといわれています。しかし、免疫細胞ががん細胞を見つけて攻撃するために、通常はがんという病気にはなりません。これは、免疫細胞に、自己(自分の正常な細胞)と非自己(ウイルスやがん細胞など)を見分けて、非自己を攻撃し排除する機能があるためです。つまり、人間の免疫細胞は日常的にがんと戦っているのです。しかし、突然変異によってがん細胞が免疫細胞の攻撃から逃れる手段を得ると、免疫細胞はがん細胞の増殖を抑えることができなくなります。こうしてがんという病気になってしまうわけです。
がん免疫療法は、免疫細胞から逃れる手段を獲得したがん細胞を再び免疫細胞に攻撃させようとするものです。つまり自分の免疫細胞を薬によって活性化し、がんを治すという治療法です。しかし、がん免疫療法には2つの問題点があります。
ひとつ目はがん免疫療法も他の抗がん剤と同じように、副作用があることです。薬によって活性化した免疫細胞ががん細胞だけでなく、健康な細胞を攻撃してしまうことで副作用が生じます。オプジーボとヤーボイという2つの薬の併用療法では、3割以上の患者さんが重篤な副作用によって治療を断念しています。
2つ目は、半分以上の患者さんで薬の効果が見られないことです。がん免疫療法は今までの抗がん剤よりも劇的に効果を発揮する患者さんがいる一方で、まったく効果がみられない患者さんもいます。もし、がん治療の効果が見られないだけでなく、副作用で苦しむことになっては患者さんにとって不利益しかありません。この2つの問題を、我々は解決したいと考えています。
上で述べた問題の原因のひとつは、抗がん剤が投与後に全身にまんべんなく広がることです。これにより、がん組織だけでなく健康な組織も攻撃されて副作用が生じ、その一方でがんに対しては薬効が十分に発揮されないという問題が生じます。
そこで私は、博士研究員時代に、タンパク質工学の手法を用いて、抗がん剤をがんに集積させる技術を開発しました。抗がん剤に対して、コラーゲンなどの繊維に結合するタンパク質を組みこむことで、血中に投与された抗がん剤ががんに集まるというしくみです。
がん組織の血管の構造は健康な組織と異なるとされています。がん組織の血管は大きな分子が漏れ出やすくなっており、抗がん剤をコラーゲンなどの大きな分子と結合させることで、がん組織でだけ血管から漏れて組織に届くと期待できます。また、がん組織では繊維の量が多くなっていることから、コラーゲンなどの繊維に結合する抗がん剤はがん組織にとどまる可能性が高くなります。
抗がん剤をがん組織にだけ集めることができれば、抗がん剤ががんだけに効率的に効き、がん以外の健康な臓器には副作用が出にくくなり、まさに一石二鳥です。今まで、マウスを用いた実験によって皮膚癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌で、副作用の減少と薬効の上昇の両方が達成できることを確認し、サイエンスやネイチャーの姉妹紙など有名な科学雑誌に多数の論文を発表しました。そして、この研究を元に特許を申請し、バイオベンチャーを創業しました。現在、がん患者さんでの効果を検証するための臨床試験の実施を目指しています。
そして次のチャレンジは、治療が困難といわれている膵臓癌の治療法を開発することです。膵臓癌は、診断や治療が非常に難しいがんで、診断がついた段階で手術できる患者さんはわずかに約20%に過ぎません(日本肝胆膵外科学会HP参考)。また切除できても術後の再発率が高く、術後の5年生存率は20-40%と不良です。膵臓癌は高齢者に多いため、高齢化社会の進行とともに患者数は増加しています。膵臓癌には免疫療法も効果が乏しく、現在薬事承認されていません。
私はこのたび、イギリスで独立した研究室を持つにあたり、抗がん剤をがんに集積させる技術を利用して、膵臓癌の治療に挑戦することを決めました。膵臓癌にはコラーゲンなどの繊維が特に多く存在しているといわれています。そして、その繊維がバリアーのようにはたらくことによって抗がん剤ががんに届かず、薬が効きにくいといわれてきました。逆に考えると、コラーゲンなどの繊維に結合する抗がん剤が膵臓癌に効く可能性は高いと推測されるのです。
すでに、膵臓癌を専門とするInstitute of Cancer ResearchのSadanandam博士と共同研究を始めており、詳細な作用機序や薬理学的解析と、患者さんのサンプルを用いた実験が可能になりました。膵臓癌は免疫療法の抗がん剤が効きにくいことがわかっているため、免疫細胞自体をがんに届ける技術を開発し、より安全で効果的な新しい治療法を開発する予定です。
私はこのクラウドファンディングを通して、より安全で効果的な抗がん剤を患者さんに届けるという壮大な夢を共有し、応援してくださる仲間を集めたいと思っています。
私は新しくイギリスで独立し、新規で膵臓癌治療のプロジェクトを立ち上げたため、まだ研究費が限られており、実験を遂行するのが困難な状況にあります。イギリスの創薬の研究はうまくいくと臨床応用が早い利点がある一方で、予算を獲得するには時間がかかるという問題があります。イギリスのがんの研究の大半は寄付によって支えられてきましたが、コロナ危機のせいでほとんどの研究予算が凍結になりました。
現在は、大学内の小さな研究費を主に使用しておりますが、コストのかかる薬効評価実験を行うための予算がまったく足りていないのが現状です。コロナ危機のせいでがんの研究は縮小してしまっていますが、がん研究はコロナ対策同様に待ったなしです。今回研究費の不足額として100万円を希望していますが、少しでも多くの資金が集まれば、できる実験が増え、良い薬ができる可能性が高まります。
今回、クラウドファンディングという手段を選んだのは、多くの人にとって身近な病気である「がん」と戦う仲間を集め、みんなで夢を叶えたいからです。今回のクラウドファンディングで得た支援金は、研究の第一歩である抗がん剤のデザイン(約20万円)や膵臓癌細胞を用いた薬効実験(約20万円)、膵臓癌マウスモデルによる薬効と副作用の評価(1回の実験約20万円)に使わせていただきたいと思っています。
ご注意いただきたいのは、薬の研究や臨床開発は数年単位の仕事だということです。ご支援によってすぐに治療薬ががん患者さんに届くわけではありません。しかし、基礎的な検討をなんとしても成功させ、いずれこの新薬が患者さんに届くよう全力で研究を進めていきたいと思っていますので、皆さまの応援をよろしくお願いいたします。
石原純
時期 | 計画 |
---|---|
2021年4月 | クラウドファンディングチャレンジ |
2021年6〜8月 | 実験1:膵臓癌で効果があると予想される医薬品をデザインと産生(およそ20万円) |
2021年9〜10月 | 実験2:膵臓癌で効果があると予想される医薬品を試験管内で抗がん細胞活性を評価 (およそ20万円) |
2021年9月 | 日本癌学会招待講演シンポジウム 発表予定 |
2021年11月〜2022年1月 | 実験3:膵臓癌モデルを用いた動物実験での薬効と副作用の検証 (およそ60万円) |
2021年12月 | クローズド研究会発表 |
プロジェクト終了後、ロンドンの研究室で行った研究について、進捗や実験結果を説明した研究報告レポートをEmailでお送りいたします。イギリスの研究風景の写真などもおつけします。ご支援よろしくお願いいたします。
最終研究報告レポート
25人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
最終研究リポートにお名前を掲載し、感謝の気持ちとさせていただきます。ご支援よろしくお願いいたします。
最終研究報告レポートにお名前掲載 / 最終研究報告レポート
20人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
5,000円リターンにプラスして、研究進捗レポートを毎月作成しEmailでお送りいたします。実験の内容の説明や、イギリスの研究風景の写真などもおつけします。レポートにはお名前を掲載して感謝の形とします。また、オンラインでの研究報告会(2021年8月予定)を行います。まだ学会・論文発表をしていない成果をわかりやすく、現在の研究進捗とともにご報告いたします。また、皆様からの活発なご意見を賜り、その後の研究に生かしたいと思います。ご支援よろしくお願いいたします(これだけの資金があると、薬の試験管内での評価を1回行うことができます)。
月次リポートの送付とオンライン研究報告会へのご招待 / 最終研究報告レポートにお名前掲載 / 最終研究報告レポート
43人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
上記リターンにプラスしてオンラインラボツアーを開催します。イギリスの研究の風景や大学の仕組みをわかりやすく説明いたします。海外のトップクラスの大学で日本人研究者が独立して研究に挑戦することはどういうことなのか、ライブ感を持ってお伝えできればと思います。またサポーター限定のオンラインコミュニティ(Facebook等のグループを想定)にご招待し、最先端のバイオ研究に関する情報を発信したいと思っています。ご支援よろしくお願いいたします(これだけの資金があると、薬の生産を1回行うことができます)。
オンラインラボツアー、サポーター限定オンラインコミュニティにご招待 / 月次リポートの送付とオンライン研究報告会へのご招待 / 最終研究報告レポートにお名前掲載 / 最終研究報告レポート
3人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
上記リターンにプラスして、がん研究の難しさや、注目の技術、新しいがん治療に関する講義を現在の研究進捗とともにご報告いたします。インペリアルカレッジロンドンでの講義レベルのことを、わかりやすく説明いたします。ご支援よろしくお願いいたします(これだけの資金があると、試験管内で薬がヒトの膵臓癌に効くのかという実験を1回行うことができます)。
研究分野に関するオンライン講義 / オンラインラボツアー、サポーター限定オンラインコミュニティにご招待 / 月次リポートの送付とオンライン研究報告会へのご招待 / 最終研究報告レポートにお名前掲載 / 最終研究報告レポート
2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
上記のリターンにプラスして、学会発表・論文謝辞に、支援者の皆さまのお名前を掲載し、研究を進めることができたお礼ができれば幸いです。また、月に1回Web会議で石原と研究のお話をする機会を作りたく思います。世界トップクラスの大学で日本人研究者が独立して研究に挑戦することはどういうことなのか、ライブ感を持ってお伝えできればと思います。ご支援よろしくお願いいたします(これだけの資金があると、薬効と副作用の評価を1回行うことができます)。
個別ディスカッション権、論文謝辞にお名前掲載 / 研究分野に関するオンライン講義 / オンラインラボツアー、サポーター限定オンラインコミュニティにご招待 / 月次リポートの送付とオンライン研究報告会へのご招待 / 最終研究報告レポートにお名前掲載 / 最終研究報告レポート
3人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
上記のリターンにプラスして、研究室のホームページ に、サポートメンバーとしてお名前とお写真(任意)を1年間掲載し、研究を進めることができたお礼とさせていただきます。ご支援よろしくお願いいたします。
研究室のHPにお名前掲載 / 個別ディスカッション権、論文謝辞にお名前掲載 / 研究分野に関するオンライン講義 / オンラインラボツアー、サポーター限定オンラインコミュニティにご招待 / 月次リポートの送付とオンライン研究報告会へのご招待 / 最終研究報告レポートにお名前掲載 / 最終研究報告レポート
0人のサポーターが支援しています (限定 5 個)
上記のリターンにプラスして、この研究を論文化する際に新しい治療薬の名前を一緒に考えませんか? 論文に名前が載ると、末永く使われ引用されます。医学におけるユニークな命名としては、たとえばiPS細胞のようなものがあります。このご支援で目標金額の50%を一気に達成することができます! ご支援よろしくお願いいたします。
論文に用いる新しい膵臓癌治療薬の命名権 / 個別ディスカッション権、論文謝辞にお名前掲載 / 研究分野に関するオンライン講義 / オンラインラボツアー、サポーター限定オンラインコミュニティにご招待 / 月次リポートの送付とオンライン研究報告会へのご招待 / 最終研究報告レポートにお名前掲載 / 最終研究報告レポート
1人のサポーターが支援しています (限定 1 個)
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。
最終研究報告レポート
25
人
が支援しています。
(数量制限なし)
最終研究報告レポートにお名前掲載 他
20
人
が支援しています。
(数量制限なし)
月次リポートの送付とオンライン研究報告会へのご招待 他
43
人
が支援しています。
(数量制限なし)
オンラインラボツアー、サポーター限定オンラインコミュニティにご招待 他
3
人
が支援しています。
(数量制限なし)
研究分野に関するオンライン講義 他
2
人
が支援しています。
(数量制限なし)
個別ディスカッション権、論文謝辞にお名前掲載 他
3
人
が支援しています。
(数量制限なし)
研究室のHPにお名前掲載 他
0
人
が支援しています。
(限定 5 個)
論文に用いる新しい膵臓癌治療薬の命名権 他
1
人
が支援しています。
(限定 1 個)