Challenge period
2024-09-03 - 2025-08-31
Final progress report
Tue, 05 Nov 2024 20:50:10 +0900
Progresses
14 times
Supporters
68 people
Elapsed time
Tue, 03 Sep 2024 08:00:00 +0900
みなさん、こんにちは。つっちーです。この度は研究クラウドファンディングのプロジェクトサイトを見ていただき、本当にありがとうございます。
プロジェクトサイトの下部でご紹介した推薦者コメントで、文字数の制限などでどうしても削ってしまったところがあったため、全文公開でご紹介しようと思います。まだ読んでないよという人はぜひプロジェクト詳細をご覧ください!
改めて、お忙しい中推薦文を書いていただいた4名に心より感謝申し上げます。
災害復興についてはこれまでも、行政の主導するインフラ整備中心の現行の進め方は、被災者個々人の多様な暮らしや将来像を十分に取り込むことができないことが指摘されてきました。他方、よく言われる、災害対応における「自助」・「共助」・「公助」に関しても、災害が多発する昨今、公助による対応がカバーしきれない状況がますます目に付くようになり、「共助」の重要性が高まっています。土田さんのこの研究は、そうした状況において、とてもタイムリーかつ意義のあるものだと言えますし、「聞き書き」という方法も、多くの人々がつながるうえでとても効果的だと思います。多様な学問分野間を、そして研究と多様な現場とを積極的に行き来しながら考え、行動する土田さんの活動の展開に大いに期待しています。
木村周平(筑波大学人文社会系教授)
土田君(つっちー)が京都大学大学院総合生存学館修士学生時代から、そこの教員としてつっちーを見続けてきた、清水美香と申します。長年その立場からつっちーを見てきた者として、つっちーの人となりといいますか、強みみたいなものを3つ挙げながら、推薦文を書きたいと思います。
一つ目は、感性です。冷たい頭が求められる研究者ですが、それと同時に人に寄り添う心とか、人としての感性がないと、被災者からの信頼を得ることはできません。一般的に、研究者には前者のほうに偏りがちなこと多い中で、つっちーは後者のほうを豊かにもっています。だからこそ、被災者の身になって、被災者の視点から災害研究ができる可能性に満ちていると思います。
2つ目は、一般的にもつ研究者の狭い枠を超えて、境界線を越えて行動できること。このクラファンでアーティストと協働して、と記載しているところは、本気でやろうとしているんだと思います。私もそんなタイプの研究者ですが、実際に、音楽家やアーティストをよんでワークショップなど開催したとき、他の学生は尻込みしてても、つっちーは喜んで飛んできて手伝いをしてくれました。きっと、このクラファンではつっちーならではの、アクションが取られると期待します。
3つ目は、シンプルですが、あきらめない心です。論文を私のところにもってきては、何度も真っ赤にコメントを加える、直すということがありました。私がアメリカで師匠にそのようにしてもらって育っているので、そのギフトを私も学生に贈るということをしてきたつもりです。しかし、普通の学生なら心が折れそうになっているでしょう。そんな時も、つっちーは決してあきらめない・・。何度も教員室を訪ねてきては、一緒に良い論文にする方法を考えました。あー、強いなと思いました。きっと、新しいことに挑戦すると、様々な壁にぶちあたると思いますが、それでもひるまず、粘り強く前身していくものと信じます。
清水美香(一般社団法人地球社会レジリエンスセンター 代表理事・センター長)
土田さんとは学際性について一緒に研究してきました。学問の役割の一つとして、様々な社会問題に対する多様な考え方を提供することがあるとするなら、ますます複雑になる社会問題に対して、多様な成り立ちをしてきた様々な学問分野を横並びに眺めてみると何か新しい知識に辿り着くのではないか?という期待を検証するのが学際性の探求とも言えます。しかし、気をつけなければならないのは、個々の学問分野には相応の理由があり発展してきたのに、それらを統合的に捉えることで新たな発見につながるというのはどこか矛盾した概念のようにも見えることです。
「総論賛成、各論反対」という現象は、土田さんがテーマとする災害復興の現場でもよく見られます。行政などの全体を見渡す視点で提案される復興のロジックは決して間違っていないことが多いですが、なぜか実際の行動に移されるとどこか的外れに感じることはないでしょうか。まさに「総論賛成、各論反対」。この本質的な矛盾を緩和するためには、各論が意味する本質を捉え総論として作りあげていく知識とスキルが不可欠です。土田さんはまさにその実践者なのです。
桑島修一郎(京都大学生存圏研究所附属生存圏未来開拓研究センター センター長)
つっちーさんとは、震災前に仲良くなり、その後、わたしも能登半島地震を経て、災害研究を始めました。研究を始めると、いかに、つっちーさんの続けている活動及び研究がどれだけ貴重なものかを実感しています。
災害がこれだけ多い国ですが、わたしたちは身をもって、災害に備えることが必要だということを実感できていないのではないでしょうか。どこか遠くの国で起こり続けていることかのように。
しかし、こうして日々過ぎていくなかでも、常に地球は動き続け、次なる災害へのカウントダウンが始まっているといっても過言ではありせまん。
しかし、それは、不安に陥れるような形ではなく、ひとりひとりの物語として、話を聞き、書き残すことで繋げていくこともできます。そして、きっと、話を聞いてくれる人がいる。そのような営みは、きっと、未来の人々のためだけではなく、渦中にいる人々の部分的な回復( partial recuperations )として光となるでしょう。
このような営みを続ける彼を「水が身体を通るような感覚を持って、社会に声を届ける人」だと形容し、推薦文を締めくくりたいと思います。
東詩歩(合同会社ギンエン 代表)