Challenge period
2023-09-05 - 2025-03-31
Final progress report
Thu, 10 Oct 2024 16:26:38 +0900
Progresses
20 times
Supporters
11 people
Elapsed time
Tue, 05 Sep 2023 10:00:00 +0900
お久しぶりです。最近本業の進化研究で研究会があり、投稿頻度が下がっていました。
今後はもっと活動頻度を上げていくのでご容赦ください!
今回は9月末にメンバーである阿部くんと正司さんと話した、対話の分析方法についてのアイディアを整理しようと思います。
私たちは、これまで行ってきたラジオの対話データをもとに、異分野交流の中でどのようなステップがあるかを理解し、それをより良いワークショップ活かしたいという考えのもと活動してきました。
一方で、対話を分析するためには何か支えとなる理論が必要であり、これまで適した理論を見つけることができていませんでした。
先日の話し合いではそのことを含め再検討し、教育心理学の分野で活躍されている田島先生が用いられている「バフチンの対話理論」をもとにするのが良いのではないかという話に至りました。
バフチンは元々ロシアの文芸学者としてドフトエフスキ―などの文学の研究をしていた人です。
その中で、異なる文化や背景を持つ人同士の対話理論したことで知られています[1]。
特に田島先生らはこの理論を教育に応用し、多様な視点や立場を持つ人との対話がどのように学びを促進するのかを検討しています[2]。
Figure1は田島先生らが用いたモデルで、コミュニケーションは情報の共有の有無と話者の評価の違いから4つに区分されることを示しています[2]。
私たちはこの理論を異分野交流の対話に用いようと考えました。
例えば、異分野交流の場面では最初にお互いの分野のことをある程度共有する必要があり、ここでいうイントロダクション型の会話から始まります。
その後、お互いの部分的な理解をきっかけにして、疑問点をディベートしたり、あるいは共通項を見つけて文化構築したりするような変遷があるのではないかと予想しています。
こうした異分野交流の中で起こる会話・対話のダイナミクスを捉え、それらから交流をする上で、何か役立つ知見を抽出しようという試みです。
まだまだ、曖昧な部分も多いですが、そういうことを考え、チーム内で議論していこうと思っています。
今後とも支援の程よろしくお願い致します。
[1]教育実践を理解するためのバフチン・ダイアローグ論 豊かな異文化交流の実現 田島 充士
[2]異質な視点を持つ他者との対話を実現する授業 ―withコロナ時代における小学校教育の現状と発展可能性― 田島 充士, 河村 茂雄, 稲井 雅大, 町 岳, 伊佐 貢一, 武藤 成也, 苅間澤 勇人, 楠見 孝, 鹿毛 雅治