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Masaru SHIRASUNA

追手門学院大学、Specially-appointed Assistant Professor

Challenge period

2023-05-22 - 2024-08-30

Final progress report

Fri, 30 Aug 2024 19:29:49 +0900

Progresses

57 times

Supporters

45 people

Elapsed time

Mon, 22 May 2023 10:00:00 +0900

『認知科学』論文オンライン公開!! (白砂・小坂, 2024)

いつも我々の研究をサポートしてくださり、誠にありがとうございます。
心より感謝申し上げます。


前回の記事(サポーター限定)にて、2週間前の6月1日に論文がpublishされたことをご報告いたしました
https://academist-cf.com/fanclubs/300/progresses/3712

同論文が本日、オンラインで一般公開されました!!

白砂大・小坂健太. (2024). 早押しクイズに見る不確実性下の判断:クイズ大会の行動データに基づく事例研究. 認知科学, 31(2), 352-361. https://doi.org/10.11225/cs.2024.004

タイトルにある通り、本論文は早押しクイズに関する研究です。
つまりは、このクラウドファンディングプロジェクトで始めた研究です。

プロジェクト開始から約1年、構想や準備の期間も含めると約1年半、
ここまでたどり着くことができたのも、ひとえにサポーターの皆様のおかげです!
本当にありがとうございます!

(※ ちなみにサポーターは随時募集中です https://academist-cf.com/fanclubs/300 )

クイズを題材とした研究は、AI(特に機械学習・自然言語処理)の分野では徐々に増えています。
しかし、心理学系の分野ではこれまで存在しませんでした。
言ってみれば、「クイズ屋は、競技中にこんな風にふるまっている」というのが漠然とは理解されていても、その行動データに基づく根拠やメカニズムは一切存在しなかったといえます。

心理系の研究が行われてこなかった理由は色々あると思いますが、主には
クイズは「知っているか否か」という、単純で面白くない題材に見なされてきた
という背景があるかなと思っています。

しかしクイズ(特に早押しクイズ)は、単なる知識の有無の話ではありません。

他者との競争を行うものであり、それゆえに、時には情報が不十分な状況でもボタンを押すという「不確実性下の判断」を伴います
(英語では「decision under uncertainty」といいますが、この用語は意思決定科学において古くから引き合いに出されます。むしろなんで今まで心理屋はこの点に注目しなかったのか)。

早押しクイズという題材では、問題文中の「理想の押しポイント」と「実際に押されたポイント」との距離(文字数の比)でもって、情報の不十分さ≒ 不確実性 を数値化できます
(↑この発想が本研究の最大のひらめきポイント)。
※ 参考 https://web.quizknock.com/quiz_researcher_interview?page=2

この指標に基づいて、実際のクイズ大会の回答データを分析したところ、
・回答者は必ずしも「正答が分かってからボタンを押す」という行動を取っていないこと、
・特に「あと何回の誤答が許されているか」に応じて戦略をうまく切り替えていたことを、
定量的に示すことができました。

本論文は、心理学・認知科学の分野で早押しクイズを真正面から扱った、おそらく世界初の研究です。

「クイズなんて、学術的に研究できるの?」 ――「できる!!」

というのを、僕なりに証明できていれば嬉しいです。

最後に、私事で恐縮ですが、

「この研究プロジェクトを開始して1年。この1年で、自分の中で何か大きく変わった?」と聞かれることがあります。

研究の幅が1つ広がったこと、初めて先生方の手を離れて論文をpublishさせられたこと、…などなど、答えは色々あります。
ただ、あえて1つ(特にクイズにちなんだことを)申し上げるなら、

「『研究』を通して、クイズ関係者の方々と再びつながりを持てた」

という点かなと思いました。

ここ数年間、僕はクイズの世界からは離れておりました。
しかし、ご縁があってクイズの研究をスタートでき、そしてさらなるご縁があってクイズ界の皆様とも再びお会いする機会に恵まれました
(特に、数年のブランクがあっても僕のことを覚えていてくださった方が多く、大変嬉しかったです)。
まさか、研究を通して、このような(いわば「出戻り」のような)経験ができるとは、1年前には思ってもいませんでした。

関係者の皆様、特に応援してくださったアカデミストサポーターの皆様には、本当に感謝の限りです。

引き続き、成果を出していけるよう頑張ってまいります! どうぞよろしくお願いいたします!

※ ちなみに、明日も活動報告を更新する予定です! 乞うご期待!



## きょうのもんだい ######

Q. SNSのフォロワー数などに見られる表記で、「1K」や「2.5K」などと書かれていたとき、これはその数値の何倍であることを意味するでしょう
A. 1000

【ひとこと】例えば、「1K = 1000」、「2.5K = 25000」です。この「K」は、キログラムなどの「キロ(Kilo)」に由来します(1キログラム=1000グラム)。SNSなどに限らず、大きな値(金額など)を略記する際に「K」の表記が使われることがあります。
ちなみに、去る6月4日、アカデミストの若手研究者向けプログラムacademist Prizeの、第4期の募集が始まりました。今回のテーマはなんと「1,000 True Fans」。文字通り、1000人の研究ファンを集めよう! という企画のようです。すごい!
https://prize.academist-cf.com/
「1,000 True Fans」、「K」で表記すれば「1KTF」といったところでしょうか。諸事情につき(いやそれ以前に「博士号取得3年以内」という条件を満たさないため)僕は第4期には応募しない予定ですが、どんなプロジェクトが生まれてくるのかは、今から楽しみです。

白砂大 Sat, 15 Jun 2024 13:39:49 +0900
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