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Iwasaki Kana/堀田 有沙

Kyoto University、1st year master's course/Kyoto University、修士課程

Challenge period

2023-04-14 - 2024-03-29

Final progress report

Fri, 29 Mar 2024 12:04:41 +0900

Progresses

15 times

Supporters

7 people

Elapsed time

Fri, 14 Apr 2023 10:00:00 +0900

Profile

Iwasaki Kana、堀田 有沙

岩崎 加奈
私は保健師として勤務していたころ、「防災意識の低さ」はどの世代にも共通した課題であることを実感しました。疾病予防と同じように、災害にも生活に応じた予防法があると考えています。そこで、防災×看護の視点から、地域住民が「今」をWell-beingに過ごせるようなアプローチ法を研究しています。皆さんと一緒に災害対策について考えるきっかけづくりをしていきたいと思います。

堀田 有沙
私は被災地のボランティア活動を通じて、災害に遭遇した方々の困難を目の当たりにしました。そこで災害看護に関心を持ち、精神科で看護師経験を積みました。未曾有の災害が起こるなか、日頃から災害への当事者意識を持つことで守れる命や生活があります。地域住民がwell-beingに過ごせる防災・減災の可能性を研究していきたいと考えています。

What do you want to achieve through your research?

私たちは、「災害を生き抜く人・まちづくり」を目指しています。

地球温暖化の進行に伴い、世界中で予想外の災害が増加しています。特に日本は災害大国であり、どこで生活をしていてもさまざまな種類の災害に遭遇する可能性があります。今後は、地域の実情に応じた対策がますます必要になってきます。

対策には物質的な面と精神的な面がありますが、私たちは、心理的な備えやこころのケアなどの精神的な面からアプローチしたいと考えています。そして研究を通じて、自分で判断して行動できる「災害を生き抜く人」を増やしたいと思っています。また、災害を生き抜く力をもつ人が増えることで、地域全体が協力して災害に対応できる「災害を生き抜くまち」づくりに貢献したいと考えています。

What kind of process are you trying to achieve?

災害研究は、災害発生前後の比較が難しい分野です。そこで私たちはまず、平常時の「避難行動意図」を明らかにするためアンケート調査を実施します。自治体からの避難情報が発令された場合に、避難するかしないかを避難レベルごとに回答してもらいます。それをもとに避難行動要因を明らかにし、地域のステークホルダーと共に、住民が避難することを選択できる「まちづくり」について考える機会を設けます。そして、地域の特性を踏まえた自治体施策につなげることで、「災害を生き抜く」ことを地域全体で考えるきっかけづくりにつなげていきます。

地域によっては必ずしも避難が正しいとは限りませんが、避難が必要な場合でも避難しない人が存在するのが現状です。そのため平常時から適切な避難行動意図を持つ人を増やし、被災時にはどこに、どうやって避難するか、地域の特徴に応じた選択ができる「まち」をつくるための施策につなげることで、「災害を生き抜く人・まちづくり」を目指します。

What research topics are you currently working on?

地球温暖化の影響により、風水害の頻度は21世紀末までに現在の4倍に増えると予想されています。また高齢化が進む日本では、2060年には人口の4割弱が高齢者になると見込まれています。そこで今回の研究では、高齢者の水害に対する避難行動意図に関わる要因を分析し対策につなげるため、河川の浸水想定域で生活している比較的元気な高齢者を対象に調査を行います。

現在は、浸水の可能性がある地域の高齢者サロンに参加している元気な高齢者への紙面によるアンケート調査の準備を進めています。アンケート内容は、基本属性や健康実態、避難先など、過去の研究を参考に避難行動意図と関連すると予測した項目で構成しています。アンケート回収後は解析ソフトを使用した多変量回帰分析を行い、関連要因を検討します。さらにその結果をもとに、看護職の視点から心身の健康づくりや災害対策の資材になるような論文をまとめる予定です。

Why are you challenging Academist?

皆さまと一緒に「災害を生き抜くこと」を考えていきたいからです。

第1に、いつ発生するかわからない災害への対策を継続していくことは簡単ではありません。また、誰かと共に考える機会も少ないと思います。academistへの挑戦を通じ社会に向けて私たちの研究を発信し、皆さまと一緒に災害対策を意識するきっかけにしたいと思います。

第2に、災害対策はさまざまな専門職がつながりそれぞれの知見を共有できる分野だと思います。そのため災害分野に少しでも関心のある研究者と交流する機会になることも期待しています。

最後に、皆さまからの支援金は、研究のための教材など、研究成果につながるものに有効活用したいと考えています。活動報告を通じて、看護職の専門性を活かした知見を共有し、さまざまなバックグラウンドを持つ皆さまと一緒に「災害を生き抜く人・まちづくり」を考えていきたいです。応援よろしくお願いします!

Recommender Comment

塩見美抄
京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻・准教授

災害を生き抜くことは、各人の努力だけでは叶いません。人々のつながりが災害関連死を予防するように、災害時の避難行動もまた、周囲によって規定されると考えられます。避難行動を含めた災害を生き抜く力とその関連因子を解明し、まちづくりに活かそうと立ち上がった若い二人の大学院生が、強みである保健師・看護師経験を基盤にし、よりよい未来に向けた研究成果を社会に発信されることを、大いに期待しています。

平和也
京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻・助教

日本は災害大国であり、今後も南海トラフや首都直下型地震などの大規模地震や気候変動による水害の発生が予測されています。各地方自治体が災害対策を行っているものの、住民が適切に避難できるかは「いつ避難行動をとるか」に関する詳細研究が必要です。災害時に住民の健康を守るために働く自治体保健師経験者の岩崎さんは、住民視点の研究で自治体の避難計画や対策に貢献する研究成果を出してくれることと期待しています。お二人の研究を応援しています。

Project timeline

Date Plans
2023年4月 クラウドファンディング開始
2023年6月 調査票配布・データ回収
2023年8月 データ分析
2023年10月 論文執筆開始
2024年2月 修士論文発表会

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