「研究への寄付募集」の研究で、日本の大学の10年後を変える

#57　『寄付白書2025』の「法人寄付の実態」を執筆しました

大学などにおける研究への寄付において、大変重要な寄付者セグメントの1つが、企業などの法人です。

このセグメントから日本の非営利組織への寄付は、2023年度で1.37兆円もあります。

これは、ふるさと納税を除いた個人寄付の2倍もの市場規模です。

しかしその実態については、様々な調査が断片的になされていた、という状況でした。

「日本の法人寄付の全体像を明らかにしよう」という意図を持ってなされた調査は、ほぼなかったのではと思います。

私は寄付白書発行研究会のメンバーとして、このacademistのプロジェクトの推薦者にもなってくれた佐々木周作先生（大阪大学）とともに、2025年2月～3月に全国の認定NPO法人全団体に対してアンケート調査を行いました。

本調査は、寄付白書企画パートナーの内藤千賀さん・堀口良平さん（コングラント株式会社）のご尽力によって可能になったものでもありました。この場をお借りして重ねて御礼申し上げます。

上記のアンケートには577もの認定NPO法人が回答くださり、様々な統計資料との組み合わせによって

・日本の法人寄付の規模、どんな法人が寄付をしているのか、どんな団体が法人寄付を受けているのか
・法人寄付募集のトップランナー的な団体は、どのような寄付募集を展開しているのか
・法人寄付のプラス面・マイナス面の波及効果はどのようなものか

といった問いに一定程度、答えることができました。

本文中では、小規模企業の寄付、サービス業の寄付が増えているといった発見を共有し、法人寄付募集の成果が単年度の投資で決まっているわけではないのでは？といった問いかけなどもしています。
（編集・校正では准認定ファンドレイザーの橋本潤子さんに大変お世話になりました）

デザインを担当くださった小田起世和さん（合同会社ワトナス）のおかげで、寄付白書2025のインフォグラフィックにおいても、法人寄付市場の伸びやその内訳などが視覚的に描写されていますので、ぜひご覧ください。
https://jfra.jp/pdf/gj2025_infographic.pdf

『寄付白書2025』は先日に東京で開催されたFRJスペシャルというイベントでも、準備した140部全てが売り切れとなりました。

大学セクターへの法人寄付を理解する上でも参考になると思いますので、『寄付白書2025』をぜひご覧いただければ幸いです。
https://www.amazon.co.jp/%E5%AF%84%E4%BB%98%E7%99%BD%E6%9B%B8-2025-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%B0%E5%8D%94%E4%BC%9A/dp/4907431155