Challenge period
2022-11-01 - 2025-03-31
Final progress report
Mon, 11 Nov 2024 22:34:23 +0900
Progresses
51 times
Supporters
42 people
Elapsed time
Tue, 01 Nov 2022 10:00:00 +0900
研究への寄付募集を考えるとき、非常に重要なアクターが企業や財団などの法人からの支援です。
ところが、既存の寄付研究はどちらかというと心理学や経済学を使って「寄付をする個人」という対象に迫ったものが多いのです。
私のように、「寄付を募る側」の研究や、「寄付をする個人以外の主体」の研究は相対的に少ないです。
そのような中、寄付研究促進委員会という委員会において、
『日本の企業寄付を「後押し」する 科学エビデンス』という資料の執筆に加わることができ、今年の3月にその資料が公開されました。
https://jfra.jp/pdf/press/20240309.pdf
この延長線上で、来年出版予定の『寄付白書2025』では、寄付白書発行研究会のメンバーとして法人寄付の調査を担当しています。
本プロジェクトを推薦くださったり、支援くださった大先輩の研究者の方々と一緒に委員会メンバーになり、大変光栄であると同時に、足を引っ張らないように努力しているところです…。
私としては、研究への寄付募集と相乗効果があり、経営学的な分析にも適した法人寄付は、正直に申しまして大好物です。
法人寄付の可能性について、下記の一連のイベントの第4回、12月3日にお話しする予定です。
オンラインで無料のイベントですので、よければご参加ください。
【オンライン開催】多様な寄付を明らかにする「寄付白書2025」発行プロジェクト始動(全4回シリーズ)
https://jfra.jp/event/53773
これまで、「研究への寄付募集」のアクションリサーチを進めてきましたが、このプロジェクトの中では法人寄付がその組織のファンドレイジング活動を一気に活性化させた例がありました。
研究を行う組織は国などの公的な資金で運営されていることが多くありますが、寄付募集に組織として力を十分に配分できない、ということはよく観察されます。
この場合、力を入れていないから寄付が集まらない、寄付が集まらないから力を入れる意欲も出ない、という膠着状態になりやすいです。
そのような中、外的な要因で法人寄付が寄せられることで、「寄付にも可能性があるぞ」と組織内に機運が生まれ、同じような事例を再現しようとファンドレイジングに力を入れていく、という現象につながることがあります。
また、「あの会社が寄付しているのだから大丈夫だろう」ということで、他の寄付者が安心して寄付をするようになる、という効果もあり得ます。
このように、寄付を募る組織の内部に対しても、外部の寄付者に対しても、法人寄付は影響を与えうるのです。
もちろん、法人寄付は、受け入れる組織にとって良い影響だけをもたらすとは限りません。
寄付先の組織が、多額の寄付をしている企業の言いなりになってしまうなら、それはガバナンス上の問題が起きていると言えます。
しかしそのようなリスクがある一方で、企業と非営利組織(たとえば大学)がリソースを出し合い、自分たちだけではできなかったことを実現するための手段やステップとして、法人寄付に魅力があるのも確かです。
12月3日は、法人寄付の可能性について話しますので、よければご参加ください。
【オンライン開催】多様な寄付を明らかにする「寄付白書2025」発行プロジェクト始動(全4回シリーズ)
https://jfra.jp/event/53773
(写真:UnsplashのPedro Lastraが撮影)