プロジェクトが始動して既に半年間が経過しました。
5月24日に開催されるacademistのイベントに先立ち、
半年間の研究進捗を報告したいと思います。
https://cic-academist0524.peatix.com
当日は家庭の事情で動画での参加になりますが、
興味深い企画が盛り沢山のイベントですので、是非ご参加いただければと思います。
この半年間は主に4つの研究プロジェクトに取り組んできました。
・在宅ケアとくらしの調査
・サービス付き高齢者向け住宅健康寿命延伸効果の検証
・スポーツ参加の促進要因の探索と支援政策の評価研究
・保健・医療・介護データを用いた千葉市の各種事業の介護予防効果の評価検証
成果が公表されていない段階のため、具体的に言及できない部分も多いのですが、
2022年11月から半年間でどのようなことをやってきたのか、可能な範囲で報告したいと思います。
【在宅ケアとくらしの調査】
こちらは、academistで スポット型プロジェクトとしてご支援いただきました。
要介護高齢者や介護者のWell-beingの向上を目的とした調査研究で、昨年末に調査を実施しました。
10以上の市町村、数千人の要介護高齢者と介護者を対象に調査票を配布し、約半数から回答を得ました。
今年5月上旬に調査データを受領し、データの分析を進めています。
特に住宅環境や周辺環境が、要介護高齢者の社会活動にどう関わっているのか、
に焦点を当てて分析しています。
【サービス付き高齢者向け住宅健康寿命延伸効果の検証】
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に入居することで、
入居者の健康にどのような影響があるかを検証しています。
2021、2022年11月に調査を実施し、延べ1500人に調査を行いました。
2021年の調査結果では、サ高住入居者は、一般の高齢者と比較して、
社会参加に積極的である状況が明らかになりました。
過去の研究から社会参加は介護予防に有用であることが分かっており、
この結果は、サ高住は入居者の健康の維持・向上に資する可能性を示唆するものといえます。
https://www.nomura-re.co.jp/cfiles/news/n2022052002031.pdf
こちらの調査結果は論文化し英文誌に投稿しました。
現在査読中で、順調にいけば、夏には出版できるのではないかと期待しています。
また、その結果の一部は国土交通省の有識者会議で共有されました。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001598073.pdf
現在は、期待した通りの介護予防効果が本当にあるのかを明らかにするため、
2021-2022年の1年間での健康指標の変化をアウトカムとして分析を進めています。
分析結果は秋の学会で発表を予定しています。
【スポーツ参加の促進要因の探索と支援政策の評価研究】
https://www.jst.go.jp/ristex/stipolicy/project/project53.html
スポーツの「する」「みる」「ささえる」を推進するような環境要因の探索を行っています。
全国規模の高齢者コホートデータを用いて、高齢者のスポーツ実施状況などを見える化し、
・スポーツ実施率の高い自治体はどこか
・スポーツ実施率に関連する環境要因は何か
といった観点から分析を進めています。
現在は、さらに若い年代についても分析を進めるため、データの収集に取り組んでいます。
今後は自治体のスポーツ推進施策のPDCAに貢献したいと考えており、
興味関心をもっていただける自治体に呼びかけを行っています。
【保健・医療・介護データを用いた千葉市の各種事業の介護予防効果の評価検証】
千葉市と千葉大学は共同研究協定を締結し、
千葉市の保有する医療費や介護費等のデータを活用して事業の効果検証を行っています。
現在は、受領したデータを元に千葉市在住高齢者の健康状態の評価を進めています。
夏には評価結果を踏まえ職員の方々とワークショップを行う予定で、
住民の健康に資する施策の立案を検討したいと考えています。
並行して、建造環境のヘルスインパクト評価にも取り組んでいます。
地域の物理的環境が地域住民の健康にどのような影響を及ぼし、
費用に換算してどれくらいのインパクトがあるのかを定量化する試みです。
以上がプロジェクトの紹介でした。
総じてデータ収集の段階で、その成果をお示しできないのが残念ですが、
アウトプットは適宜発信していきたいと考えています。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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