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終了 介護する人もされる人もハッピーな認知症ケアを実現したい

月額支援型 academist Prize 2nd 採択

石坂晴奈

千葉大学、博士後期課程3年

挑戦期間

2022/11/01 - 2024/03/29

最終活動報告

2024/03/30 01:16:30

活動報告

47回

サポーター

30人

経過時間

2022/11/01 10:00:00

半年の活動を振り返ったらあらぬ方向へ【5/24 academistイベント】

こんにちは、いしざかです。
いつもご支援をいただき、ありがとうございます。

本日は、5/24のイベントに向けて、academist Prizeに挑戦してから(といいつつ少し前から)今までの研究活動を振り返ります。

どうでもいいですが、私は「この記事は○分で読めます」「一言でいうと」という説明書きが苦手です。
なんか「記事を効率よく摂取しましょう」みたいな気持ちにさせられる気がするからです。

………
この文章は、読み流すなら5分あれば読めます。
一言でいうと、academist Prizeに挑戦してから何を考え、何をやろうとしているのかが書かれています。

うわわ。やっぱり苦手です。

ー・-・-・-・-・-・-・-・-

この半年で一番大きかったできごとは、【そもそもなぜ人はケアをするのか?】という問いに向き合えたことです。
これは、academist Prizeの2期生をはじめとするさまざまな分野の研究者に出会い、対話と議論をできたおかげです。

academist Prizeに挑戦して圧倒的によかったことは、
・同期や研究者を応援してくれる人に恵まれたこと
・他分野の研究者や他業界の人と交流しようという気持ちと行動が加速したこと
・尖っても外れても、ぜーーーんぜん気にならない環境であること

です。そして、イベントや交流を通して自分の研究課題や問いの源泉を、何度も、そしてさまざまな言葉で表現するということは、一人の研究者としてすごく貴重な経験ができていると思っています。
このプロセスを経て、自分がなぜ今この研究をやっているのかをよく考えることができました。
さらに、この研究を根本からひっくり返すことを問うてみようと思うことができました。
その問いが、【人はなぜケアをするのか】です。

前回のacademist Prizeのイベントでは、自分の研究の原点をさかのぼったことで、自分が認知症ケアにこだわる理由を言語化できました。
私は、祖母をとりまく人たちを見ていて、「この人はなぜこうするのだろう」「なぜこれができるのだろう」と思ったのでした。

そして、この問いにはもう一つの側面があり、ケアというのは人間にとってどのような意味があるのか?という視点に立つことができます。
もしかしたら私たちが扱っているこの現象は人間にとって不要なことなのかもしれないという視点をもつことで、必要である・意味があるときちんと主張できるのだと私は思います。

ー・-・-・-・-・-・-・-・-

あえて相反する立場をとってみるというのは、科学技術の発展についても同様に考えています。
世界を良くも悪くもできる科学技術を適切に使っていくためには、さまざまな立場から吟味する必要があります。

例えば、人は人にケアされなければいけないのか?と考えたり、ケアが完全に機械化されても人は幸福であるという仮定で未来のケアのあり方を考えたりしなければならないと思うのです。
発展を加速させるわけでも妨げるわけでもなく、吟味する人がもっと必要で、そのためには人を専門とする医療・介護分野の人たちがもっと外に出ていかなければならないと思っています。

こういったことを考えるようになったのも、academist Prizeに挑戦して【看護学はどのような学問で、何ができるのか】と問うようになったからでした。

ー・-・-・-・-・-・-・-・-

ちょっとだけさかのぼります。

修士課程に入学してすぐに、研究とは何か・どのように行われるかといった看護研究の基礎を学びました。
そこで、自分は何を知りたくてここに来たのか考えると同時に、この分野の外にはどんな人がいて、どのような研究をしているのか知りたくてたまらなくなりました。

病院の中だけの世界から出てきて、「看護の課題は看護学だけでは解決できない」という指導教員の言葉に、これは医療の外の世界に出なければならない!とソワソワしたのを覚えています。

今は、「どんな人が」「何を」研究しているかに加えて、「どのように」探究しているのかということに関心をそそいでいます。
どのように探究しているかを知り、質的研究と量的研究、基礎研究と応用研究といった対立しがちなフレームを、対立ではなく相互理解にしたいという希望(野望)があります。

こういったことには既に、先人がいろいろと取り組んでおられるかと思います。
「自分は交流している、知ろうとしている」という方もいるかもしれません。
そう思う人ほど、自分のフレームを取り払ってみたことはありますか?と問いたくなります。
私は、まだまだだという体感です。

ー・-・-・-・-・-・-・-・-

専門性の高さは、自分が登っている山の高さに例えることができます。
専門性が高ければ高いほど、自分が専門でない場所に下りるのは怖く感じます。
だから、専門性が確立される前(高いところまで行く前)に、隣や遠くの山を見て「おーいそっち何やってるのー?」と話しかけてみることが大事だなと。

大学院生はちょうど、専門性を確立していく過渡期にあるのだと思います。
そして、山のすそ野の広さは分野によって違いがあるのかもしれません。
看護は全人的な人間理解を学ぶため、人間と関連させることができる山のすそ野には行きやすいと感じています。

こういった経験をしてこの立場にいる自分だからこそ、やってみたいことがあります。

サイエンス山と人文山の人たちが相互に様子を見あえる、できたらお互いの山に少し登ってみることができるようになったらいいなと思っています。
なぜなら、研究とはこういうものだ!科学とはこうでなければならない!という人ではなく、いろいろな探究方法を理解できる人たちと一緒に研究がしたいからです。その方が楽しいからです。

ー・-・-・-・-・-・-・-・-

でも、他分野の研究者との交流をしていると、人文社会学の研究者と出会う機会が少ないです。
それはきっと、そもそも研究者人口が少ないとか、あまり表に出たがらない傾向があるとか、いろんな理由があると想像しています。
それに、「それってなんの役に立つの?」「それは科学的なの?」という言葉に何度も斬られて、伝えたところで理解が得られなかった経験をした人もいるかもしれません。
だからこそ私は、他分野が探求していることやその方法を知り、そのフレームを理解できる研究者が増えてほしいと思っています。
増えてほしいと思うだけではなく、きちんと形にしていこうとも思っています。

academistを通した出会いだけでなくさまざまな人と交流をしながら、ここまで書いたようなところにたどり着きました。
残り3ヵ月で、しかも博論を進めながらどこまでできるかわかりませんが、ご期待ください。
(って言わないとやらなさそうなので言います)

ー・-・-・-・-・-・-・-・-

研究の進捗の話をいっこもしてないじゃないか。そうです。
それよりもよっぽど私の日々の研究プロセスを表していると思ったので、こんな内容にしてみました。
根深い問題もはらんでいるし、険しい道ですが、がんばります。

一応、申し訳程度に成果を報告しておきます。

査読付き論文を2本投稿して、採択が決まっています。
それから、国際学会でポスター発表しました。オンデマンドだけど。
博士論文を提出するために、実践の場で活躍されている皆様に協力していただきながらデータ収集と分析を進めています。
以上です。。

これ全部読むの大変だろうな…
さて、何分で読めましたか??

2023.5.16
いしざか

Haruna Ishizaka 2023/05/16 13:37:29
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