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中川 聡

東京大学、博士後期課程

挑戦期間

2021/11/11 - 2024/03/31

最終活動報告

2024/03/30 11:36:10

活動報告

33回

サポーター

9人

経過時間

2021/11/11 10:00:00

【申請書作成】adaptiveとadaptableについて

現在、研究費獲得のための申請書を作成しています。そのために、さまざまな情報を収集しています。最近の記事では、SNSもライターも研究論文でもChatGPTが注目を浴びており、これからどのように活用していくかについての議論が活発になっています。
新しいシステム、ChatGPTを含むものを実社会で適用する際には、人間が使いやすくする方法を考える必要があります。その一つの例がユニバーサルデザインであり、誰もが利用しやすいものを作ることが重要です。この考え方に近いものとして人間中心デザインと呼ばれるものもあります。

ただし、使いやすさは使用する過程で変化していきます。この過程には2つのタイプがあると言われています。人工知能学会の元会長の書籍「マインドインタラクション」で詳しく説明されているので、そこで読んだ内容をまとめながら、考えていることをまとめます。2つのタイプというのは、一つは「adaptive(適応型)」であり、もう一つは「adaptable(適応可能型)」です。
前者は、人がシステムに合わせて適応していくことを指します。例えば、スマホのアプリなどでは、初めはどのボタンを押せば良いのかわざわざ探す必要があり分かりづらくても、何回か使ううちに慣れて、最終的にはそれほど意識しなくても押すことができるようになります。これは、あらかじめ設定された構造に人間が適応した結果です。
一方、後者はシステムが人間に合わせて適応することを意味します。スマホアプリのアップデートによるボタン配列の変更や、スマホやパソコンの漢字変換候補の例が挙げられています。(この構造をした扉は押したくなるよね、この構造をした扉は横にスライドしたくなるよね、などの)アフォーダンスや、機械学習を通じたシステムの個人化により、さらなる使いやすさを目指します。
どちらもシステムと人間のインタラクションを円滑にするために開発されてきました。たしかに両方とも重要ですが、時にはこの双方向の配慮が衝突することもあります。これを「適応干渉」と呼びます。
使うにつれてせっかく人間の方がシステムになれたのに、システム側が人間に合わせようとすることで逆に使いにくくなってしまうこと、インタラクションが破綻してしまうことがあります。例としては、Twitterアプリのアップデートに伴う、ボタン配置の変更などが挙げられます。コミュニケーションロボットの場合も、多くのユーザはロボットと接するにつれてロボットが聞き取りやすい話し方を自然とマスターしますが、同時にロボット側も1人1人のユーザの話し方や話終わりのタイミングを把握して変化していくと、適応干渉が起きてしまう可能性があるので工夫が必要です。
しかし、adaptiveとadaptableのどちらが良いかはまだ決着がついていません。今後も決着がつかない可能性があると自分は考えています。

私が目指す人とのインタラクションを行うロボットは、人間とロボットの双方がお互いに支え合い、高め合える関係を築くことができればと考えています。このような関係を実現するために、申請書を書く際にどのようにすれば良いかを考えています。
具体的なアイデアや提案があれば、ぜひ教えていただきたいです。引き続き、さらなる考察を行っていきたいと思っています。

やはり重要なのは、人間とロボットの関係が一方的ではなく、相互に対話し、学び合いながら進化していくことだと考えています。人間のフィードバックや要望を受け入れ、それを次のアップデートや改善に反映させることで、より使いやすいシステムを実現することができます。

このようなアプローチや考え方を通じて、人とのインタラクションを行うロボットがより使いやすくなり、お互いに助け合える関係を築くことができるのではと考えます。申請書の締め切りは5月30日です。引き続き、この目標に向けて考えを深めていきます。

(写真は、東京大学本郷キャンパスの中央食堂で売られてい赤門ラーメンです。)

ren3xyue 2023/05/23 10:47:02
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