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Yuzu Kobayashi

東京大学、博士後期課程

Challenge period

2020-11-18 - 2023-09-30

Final progress report

Mon, 01 Jul 2024 17:46:45 +0900

Progresses

46 times

Supporters

73 people

Elapsed time

Wed, 18 Nov 2020 10:00:00 +0900

研究者に必要な「伝える能力」(後編)

サポーター以外の皆様にも、日頃私がどのような投稿をしているかを見てもらうために、今月の報告の一部を全体公開してみようと思います!

今月の報告は、
・論文の英訳:翻訳ソフトと英語力(サポータ限定)
・サイエンスコミュニケーションを志したきっかけ(全体公開)
・文学賞の最終選考(全体公開)
の三点です。
(研究の内容や進捗に関する投稿はサポーターの皆様限定にいたします)

〇サイエンスコミュニケーションを志したきっかけ
アナウンサーの桝太一さんが、「サイエンスコミュニケーション」の研究の道に進まれることを表明されました。このニュースに特別わくわくした気持ちを抱いたのは、私の博士課程の目標のひとつが、サイエンスコミュニケーションについて考えその方法を模索することだからです。

サイエンスコミュニケーションとは、科学研究を社会に正しく伝えることです。(色々な側面があり簡単に定義できるものではないですが、私の考えでは上記です。)私がその重要性を意識し始めたのは、学部生のときでした。当時、科学を存分に楽しんでいる先生や仲間たちに囲まれ「科学は面白い」と「科学は社会のために重要だ」という価値観を常識だと考えるようになっていました。STAP細胞の問題に関する報道や、事業仕分けのときの議員の発言、その他「科学ってなんの役に立つの?」的な発言のすべてに対し、極端にも、科学の価値をわからない世間の方がおかしい、と憤るほどでした。ある日、母にその思想をぶつけました。科学の重要さを懇切丁寧に「教えた」つもりが、母のリアクションはこうでした。
「それって自分たちが偉いからお金くれって言ってるわがままにしか聞こえない」
このときに、私が見ている研究の世界と世間のずれをはっきりと理解するとともに、私の伝え方が根本的に間違っていると悟りました。このときから、世間がおかしいという発想から一つ視点を上げて「科学の価値や面白さが伝わっていないのはなぜか」「伝えるにはどうしたらいいか」を考えるようになりました。ずれの要因に研究者がそれを伝えるのを怠ってきた側面もあると認めたことで、私の中の研究者像に、サイエンスコミュニケーションの要素が加わったのです。

しかし、先端的な研究と世間の理解はどうしても相性が悪い。本格的に研究を始めてからすぐにそれを実感しました。専門的になればなるほど、理解への道筋は入り組んで、わかりやすさからは遠ざかります。しかも、作業としては地味でスポーツのような見た目のエンターテインメント性には乏しいのです。だから、博士課程では特に科学の面白さを伝えることに着目して、色々なサイエンスコミュニケーションの方法を模索することから始めようと決意しました。

サイエンスコミュニケーションの意義を知るきっかけこそ、世間とのずれに対するフラストレーションでしたが、今は誰もが科学の面白さを味わえる社会を想像して期待する気持ちが強いです。マスメディアで経験を積まれた桝さんの本格参入で科学研究と世間の関係に何か変化が起きるかもしれません。これからの桝さんの動向を楽しみにしつつ、私はこの月額型クラウドファンディングで日々の努力を継続的に発信していきます。サポーターの皆さまに研究の面白さを共有するサイエンスコミュニケーションの形にできるよう、頑張ります。

〇文学賞の最終選考
退職して博士課程に進学するまでの暇に書いた小説が、文学賞の最終選考に残りました!理学部入学から博士課程までの成長物語で「九十九人の凡人と一人の天才」をテーマに書きました。最終選考の結果はまだなのですが、結果がどうであれ、何らかの形で公開してこれもサイエンスコミュニケーションの形のひとつにしたいと思っています!

研究内容や進捗についてはもちろん、サイエンスコミュニケーションの課外活動や、科学関して日頃考えていることや最近の話題について2,3トピック投稿しています。もしよかったらサポートよろしくお願いします!

Yuzu Kobayashi Sun, 06 Feb 2022 15:51:24 +0900
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