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人間の「協力行動」を説明するメカニズム解明に挑む!

月額支援型

梅谷凌平

筑波大学、博士後期課程1年

挑戦期間

2019/06/03 - 2024/03/31

最終活動報告

2023/03/30 16:45:33

活動報告

45回

サポーター

4人

経過時間

2019/06/03 09:00:00

神のいかずち

今回は神の雷(神による懲罰)について紹介します。

[神の雷(神による懲罰:Super natural punishment)]
サンクションシステムがもたらす高次のジレンマを解決する一つの仮説として神や仏といった超自然的エージェントによる懲罰があります(Johnson & Krüger, 2004)。超自然的なエージェントは道徳的な規範の提供者として見られており、その多くの信者は集団の規範に

梅谷凌平 2022/05/26 10:43:57

懲罰の進化論的説明

今回は懲罰の進化論的説明について紹介します。

[懲罰の進化論的説明]
これまで示した通り、サンクションシステムが協力を促進する効果は一貫して示されてきたにもかかわらず、高次のジレンマの問題や懲罰に対する報復、過度な協力者に対し懲罰を行使する反社会的懲罰など、様々な問題が指摘されています。また人間における道徳的な罰は、第三者によって実行されることがあり、適応的な観点からは矛盾した行動のように見

梅谷凌平 2022/04/30 19:21:01

Antisocial Punishment: 反社会的懲罰

今回は反社会的懲罰について紹介します。

[反社会的懲罰(Antisocial punishment)]
これまで数回にわたってサンクションによって協力が促進されるという研究を見てきました。しかし懲罰は非協力者にのみ行使されるとは限りません。企業従事者を観察した研究によれば、作業を怠った従業員は罰せられるがそれに加えて、最も生産性の高い労働者も制裁の対象となっていました(Homans, 201

梅谷凌平 2022/03/31 13:54:57

サンクションに対する進化論的批判

今回はサンクションに対する進化的批判を紹介します。

[サンクション(懲罰)は誰がもたらすのか]
これまで数回にわたってサンクションによって協力が促進されるという研究を見てきました。しかしサンクションシステムは高次のジレンマが発生し、一次のサンクションだけでは社会的ジレンマ状況における協力を進化させることは不可能であるとされています(Axelrod, 1986)。高次のジレンマとは、サンクショ

梅谷凌平 2022/02/27 20:56:42

懲罰を行使するのは誰か?

今回はコストのかかるサンクションは誰が行使するのかという研究を紹介します。

[サンクション(懲罰)は誰がもたらすのか]
これまで紹介したサンクションに関する研究の多くが協力に対するサンクションシステムの有効性に焦点が当てたものでありましたが、サンクションを行使する意図について着目した研究も行われています(Yamagishi, 1986)。コストのかかるサンクションシステムに投資する動機は、集

梅谷凌平 2022/01/28 17:54:09

格差のある懲罰システム

今回はサンクションの強さに焦点を当てた研究を説明します。

[サンクションによる社会的ジレンマの解決]
サンクション研究の多くが、サンクションの費用対効果が対称的な設定で行われてきましたが、実社会はヒエラルキーや格差が多く存在します。ヒエラルキーや階層構造に関する理論研究では、そうした権力の分化は集団内の協調性を促進し集団利益を高める効果があるとされていますが(Halevy et al., 2

梅谷凌平 2021/12/26 01:25:29

サンクション(賞・罰)による社会的ジレンマの解決

今回はサンクション(賞・罰)による社会的ジレンマの解決について説明します。

[サンクションによる社会的ジレンマの解決]
社会的ジレンマの解決策として、サンクション(協力に対する報酬または裏切りに対する懲罰)が提案されています(Fehr & Gächter, 2002)。実際に多くの研究において、サンクションシステムが協力を促進させる効果を持つことが報告されています(Rand et al.,

梅谷凌平 2021/11/30 02:21:49

血縁淘汰理論と直接互恵性の限界を克服する条件

今回はこれまでに説明してきた血縁淘汰理論と直接互恵性の限界を克服する条件について説明します。

[血縁淘汰理論・直接互恵性の限界]
直接互恵性は固定的かつ継続的な相互作用が必要であり、説明範囲が狭いメカニズムであるとされてきましたが、他の条件を組み合わせることで大規模な協力も直接互恵のメカニズムで説明可能であるとする研究もあります(Kurokawa & Ihara, 2017)。直接互恵性では

梅谷凌平 2021/10/27 23:41:52

血縁淘汰理論と直接互恵性の限界

今回はこれまでに説明してきた血縁淘汰理論と直接互恵性の限界について説明します。

[血縁淘汰理論・直接互恵性の限界]
これまでに挙げたメカニズムは、理論的・実証的に示されている強力なメカニズムであるが説明範囲に限界があります。血縁淘汰理論は血縁関係者に対する協力しか扱えず、直接互恵性に関しても、固定的な他者との繰り返しの相互作用を必要とする点です。直接互恵性のメカニズム単体では大規模な協力を説

梅谷凌平 2021/09/30 00:59:44

理論的な予測とは異なる行動とその進化的説明の仮説

今回は直接互恵性に関する理論的な予測とは反する行動の例、およびその仮説から説明します。

[社会的ヒューリスティクス仮説]
これまでに述べてきた理論的研究に反し、実験研究において人間は一回限りの相互作用場面でも利他性を見せることがあります(Dawes & Thaler, 1988)。これに対する進化論的解答の一つが社会的ヒューリスティクス仮説です(Chudek & Henrich, 2011)

梅谷凌平 2021/08/24 00:54:06
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