Academic crowdfunding platform "academist"
JP | EN
Share Tweet
Donation Type
SUCCESS
江角智也
島根大学、准教授
Pledged: 703,000 JPY
Target Amount: 600,000 JPY
Funded
117 %
Supporters
63
Days left
Closed
Support period closed

Reached the funding target!

 皆様のご支援により目標金額に到達いたしました。御礼申し上げます。ありがとうございました。
 皆様の寄付から出雲地方の(もしかしたら世界の)農業・食文化を面白く発展させるような研究を進めていきたいと思います。
 年末年始、お正月にはアズキを食される機会もあるかと思います。この研究挑戦のことを、どうぞ、話の種(タネ)にしてやってください。

Comment from academist staff
「豆の形」の制御機構を明らかにし、アズキの育種に挑む

miho otsuka

「豆の形を変える」というと簡単なように聞こえますが、植物の機能を変えずに形だけを改変するのは、実は難しい課題だそうです。「豆の形づくりに影響する要因については研究が進んでいないため、育種のための知見を泥臭く獲得していく必要がある」と言う江角さん。今回のプロジェクトでは、新しい形のアズキ豆の開発を目指し、豆の形を制御する要因を探ります。まだまだ基礎研究の段階ですが、将来的には出雲オリジナルのアズキをつくり、出雲地方の活性化にも貢献したいという江角さんのチャレンジに、応援をよろしくお願いいたします!

島根・出雲地方におけるアズキ

和菓子やぜんざいなどの「和」のスイーツの材料となるアズキは、古事記にも登場する由縁ある作物です。古事記では五穀のひとつに挙げられています。私の出身地である島根県出雲市では、出雲大社の神在祭で神様へのお供えものとなる「神在餅」がぜんざいの発祥であるという説があり、出雲大社の門前町では、ぜんざいによるまちおこしが進められています。またその隣の松江市は、国宝松江城の城下町で茶の湯や和菓子の文化が有名であり、日本三大菓子処といわれています。

アズキを用いた六次産業化は、この出雲地方の地域活性化の起爆剤となる可能性があると信じています。しかしながら、出雲は実は地元産アズキの生産は少なく、ブランド化や産業の六次化発展において決め手を欠いている状態です。

アズキの豆の形

俵形や球形のアズキの豆を見ていて、私たちが日頃食べている豆の形をおもしろい形に変えてやろう!というアイデアを着想しました。出雲地方のオリジナルアズキを開発することで、人々の注目を集めたいという魂胆です。

図鑑でマメ科植物を見てみると、案外おもしろい形の豆もあることに気付きました。とりわけ、シーハート(sea hearts)と呼ばれるマメ科のモダマ(藻玉)の写真を見た時に「これだ!」と思いました。まさにハートの形をしているのです。また、アズキに比較的近いインゲン豆でも、見方によってはくびれた豆の形のものもあります。アズキでも何とかすれば、豆の形を変えられるのでは? との直感がはたらいたのがこの研究のはじまりです。

アズキの豆の形を変えることは、実は簡単なことではありません。地道に突然変異体を探すか、栽培の中で豆の形が変わる可能性やその原因を見出すことが必要です。新たな植物の変種を見つけたり、植物を改変する方法を探り、それを利用して新たな植物を生み出したりする取組は、農学における「育種」に位置づけられます。「品種に勝る技術なし」といわれるように育種は農学の基盤です。

植物の種子の発達は研究が進んでいない

豆というのは植物の種子です。植物の種子の発達、特に形づくりについてモデル植物などで基礎研究があれば、それらを参考にすることができます。たとえば豆(種子)の形づくりに関する遺伝子の研究が進んでいれば、変異させる遺伝子の狙いを定め、豆の形を変える分子育種(特定の遺伝子のみを改変するような育種)の研究を進められそうですが、残念ながら、今のところ参考にできる先行研究はほとんどありません。豆の形を思いどおりに変化させようにも、その制御機構、メカニズムに関する学術知見がない状況です。

それならば、研究の第一歩としてまずは、ひたすら豆の形の変異体を探すしかないーー泥臭い方法ですが、これが新しい豆の開発にとって堅実な近道と考えます。また、その過程で思いもよらない突然変異体を得られるセレンディピティもあるはずです。

オリジナルアズキの育種に向けて基礎的な知見を

これまでの研究で、育種の出発材料として島根県内で栽培されていた大納言小豆の種子を用い、モデル植物などの突然変異誘導でよく利用されているEMS(メタンスルホン酸エチル)を種子に処理することによって突然変異集団を作出しました。2014年のことです。それ以降、毎年約1000個体ずつを育て、これまでに、草姿が小さくなった変異体や豆が着色せずに白色の豆になる変異体などを見つけてきました。また、しわしわになった豆もありました。地道に探し続けることで、豆の形が変わった変異体も見つけられそうな感覚があります。

今回のプロジェクトの第一目標は、「変わった形の豆の突然変異体の発見」です。形の変わった豆を発見できれば、その豆の遺伝子解析を行うなどして、学術的に未知である種子の形状の発達に関する基礎的研究を大きく進展させることができるはずです。いきなりハート形のアズキを開発するとはいかないかもしれませんが、形をハートに近づけていくために必要な知見や育種のための素材の獲得をしていきたいと考えています。

また、「豆の形を変化させることのできる方法やタイミングを探る」ということを第二の目標とします。栽培成育中に何かしらの処理操作を施すことで豆の形を人為強制的に変えられないか、ということを狙うものです。処理実験にはアズキの莢や豆(種子)の発達の仕方について細かく観察し、体系化しておくことが必要です。今回の研究では、莢の成長のある段階で、莢の外側から物理的に力を加えたり、植物ホルモンなどを莢に処理したりすることで、豆の形が変化するかを検討していきます。

Why we need your support

クラウドファンディングは、研究活動資金を集めるだけでなく、研究活動を広くPRする効果、研究に関心を寄せ、協力してくれる仲間を広く募ることができる仕組みです。「出雲地方でアズキの研究がされている」ということを知ってもらうことを第一歩として、この活動を支援し、見守ってもらい、いずれはこの地に来て、この研究で出来たアズキを一緒に育て、スイーツに加工したり、食べたりしていただける方を日本全国から募りたいと思っています。大学の学術研究として種子の形態形成の基礎研究の進展を目指してはいますが、さらに地元地域の活性化にもつながる取り組みにしていきたいと考えています。

ご支援いただいた資金は、栽培作業、収穫作業、変異体調査など、アズキの変異体の探索に使用する予定です。また、とりわけ変異体の調査にはマンパワーが必要です。資金の援助だけでなく、収穫の時期になりましたら、我々と一緒にアズキを収穫して、変異体の調査に加わっていただくようなご協力も大歓迎です。

アカデミストのクラウドファンディングは大学研究者の自由な発想による真理探究や研究開発をサポートしてくれる仕組みだと思います。豆の形づくり(種子の形態形成)のメカニズムを解き明かすという学術的進歩もさることながら、幸せを感じさせる「ハートの形のアズキ」、もしかすると出雲の神話古代ロマンを感じさせるような「勾玉の形のアズキ」といった成果物が、この研究から実際に生まれてくるかもしれません。ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

***
寄附いただきました皆様へ領収書を発行いたします。

【法人様からのご寄附】
・全額損金算入が可能です。(2004年3月財務省告示第178号)

【個人様からのご寄附】
・所得税…寄附金額(総所得金額の40%を上限とする)から2,000円を差し引いた額が、当該年の課税所得から控除されます。
・個人住民税…お住まいの都道府県・市区町村が条例で島根大学を指定している場合、翌年の個人住民税額から控除されることがあります。詳しくはお住まいの都道府県・市区町村にお問い合わせください。
***

Profile

江角智也

はじめまして、江角智也(えすみともや)と申します。島根県の出雲市出身で、京都大学・大学院で農学(園芸学)を学び研究者になりました。博士学位取得後、カリフォルニア大学デービス校で植物生理学・分子生物学のポスドク研究員をして、現在、地元の島根大学の准教授として園芸学を専門に研究・教育を行っています。地元のための品種や技術の開発、世界に発信できる研究を目指して日々活動しています。「食べるところまでが農業」がキーワードで、地元の農業・食の創生、六次産業化などによる地域活性化、産官学連携による特産品の開発・産地化が夢です。アズキは、植物学の学術的にも色々な不思議があるとともに、地元の農業や地域活性化のため、明確な研究出口が見えている魅力的な研究材料です。これまで、生産者、研究者、実需者、消費者など、様々な“ご縁”がつなぎ合わさって、この出雲地方を特徴づけるアズキ研究が育ちつつあります。新たなアズキの種(たね)を探しています!

Project timeline

Date Plans
2018年9月 クラウドファンディング挑戦
2018年9月 アズキの種子発達に関する観察調査
2018年10月 アズキ変異体調査
2019年7月 選抜した変異体の栽培開始
2019年10月 選抜した変異体の再調査、種子の確保
2020年7月 選抜した変異体の栽培開始(種子の増産)
2020年10月 アズキの収穫
2020年10月31日 出雲ぜんざいの日
2020年11月1日 アズキの日
  • 「アズキサミットin 出雲」の開催:クラウドファンディングによる研究で開発されたアズキのお披露目、それらを用いたぜんざいなどのスイーツの試食会。出雲地方この時期は神有(神在)月です。全国から神様が集まられ会議が行われると云われています。そこで、この研究の協力者・支援者の皆様にも、是非、出雲の地にお集まりいただき、アズキとそのスイーツの談義を繰り広げたいと思います。良縁があることを願って。

Pledge Rewards

You may provide additional support in addition to the amount of your return. No sales tax will be charged on the additional support.
1,000 JPY
Featured : 研究進捗レポート(PDF版)(1回)

研究の詳細な進捗などをレポートにまとめてメールにてお送りします。2019年4月の送付を予定しています。応援よろしくお願いいたします!

return details

研究進捗レポート(PDF版)(1回) / 寄付金受領証明

5 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

3,000 JPY
Featured : 研究進捗レポート(PDF版)(3回)

研究の詳細な進捗などをレポートにまとめてメールにてお送りします。2019年4月、2020年4月、2021年4月の合計3回の送付を予定しています。応援よろしくお願いいたします!

return details

研究進捗レポート(PDF版)(3回) / 寄付金受領証明

8 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

5,000 JPY
Featured : 試験圃場の看板にお名前掲載

アズキ豆の栽培を行っている試験圃場に設置する看板に、お名前を掲載させていただきます。ご支援のほどよろしくお願いいたします! ※お名前掲載の可否は後日お伺いいたします。

return details

試験圃場の看板にお名前掲載 / 研究進捗レポート(PDF版)(3回) / 寄付金受領証明

18 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

10,000 JPY
Featured : サイエンスカフェ参加権

サイエンスカフェにご招待いたします。場所は島根県出雲市で、日時は2019年10月〜2020年1月のどこかと2020年11月〜2021年2月のどこかの、合計2回の開催を予定しています。当日はオリジナルアズキをつくろうと思った背景や研究の進捗についてお話しさせていただきます!

return details

サイエンスカフェ参加権 / 試験圃場の看板にお名前掲載 / 研究進捗レポート(PDF版)(3回) / 寄付金受領証明

22 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

30,000 JPY
Featured : 学会発表資料の謝辞にお名前掲載

本研究に関する学会発表をする際、謝辞にお名前を掲載させていただきます。また、発表資料(電子版)を送付いたします。お力をお貸しください。応援よろしくお願いいたします!

return details

学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェ参加権 / 試験圃場の看板にお名前掲載 / 研究進捗レポート(PDF版)(3回) / 寄付金受領証明

7 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

50,000 JPY
Featured : 研究室・圃場の見学会

私たちの研究室や圃場をご案内いたします。日時は2019年の秋を予定しています。ご参加をお待ちしています! ※ご参加いただけない場合には、当日の動画を共有させていただきます。

return details

研究室・圃場の見学会 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェ参加権 / 試験圃場の看板にお名前掲載 / 研究進捗レポート(PDF版)(3回) / 寄付金受領証明

3 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

Supporters will be charged the funding amount only if the project reaches the funding goal (JPY 600,000) before 19:00 on December 21, 2018 (JST: GMT+9).
Payment options
Credit cards, bank transfer, convenience store payment, Pay-easy and PayPal are available
Additional Support
You may provide additional support in addition to the amount of your return. No sales tax will be charged on the additional support.
Securities

SSL encryption communication is used in this Web site, and the informations filled out are safely transmitted.

1,000 JPY

研究進捗レポート(PDF版)(1回)

5 supporters back
(No quantity limit)

3,000 JPY

研究進捗レポート(PDF版)(3回) and others

8 supporters back
(No quantity limit)

5,000 JPY

試験圃場の看板にお名前掲載 and others

18 supporters back
(No quantity limit)

10,000 JPY

サイエンスカフェ参加権 and others

22 supporters back
(No quantity limit)

30,000 JPY

学会発表資料の謝辞にお名前掲載 and others

7 supporters back
(No quantity limit)

50,000 JPY

研究室・圃場の見学会 and others

3 supporters back
(No quantity limit)

Featured projects
Copyright © academist, Inc. All rights Reserved.