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岡本渉
Nagoya University、技師
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MDRSのデータで「地形探査」と「PM2.5の測定」に挑む

Ryosuke Shibato

アメリカのネバダ砂漠に、火星を模した環境「MDRS」があることをご存知でしょうか。ここでは世界各国の研究者たちが2週間ずつ滞在し、火星に居住することを想定した研究を進めています。今回のプロジェクトは日本人が中心となり構成された「Team Asia」メンバー・岡本渉技師の取り組みです。岡本技師と一緒に、火星移住後の未来を考えてみませんか?

人類は火星にたどり着けるのか

先日、アメリカのSpaceX社が自社ロケット「ファルコンベビー」の打ち上げに成功するなど、有人飛行への注目は日々高まっています。近い将来、人類が月を越え、火星に移住する日もくるかもしれません。

地球上にある人工的な火星環境「MDRS」

もし、移住できたとすると、どのような生活を送ることになるのでしょうか。火星の環境は、人類にどのような影響を与えるのでしょうか。

実は地球上には、火星への有人飛行に先立ち、火星環境を模した施設が作られています。そのひとつが、アメリカのネバダ砂漠にある「MDRS」です。火星環境を想定し、実際に火星上に作られるであろう居住区、作物を育てるグリーンハブなどから構成されています。ここには2週間おきに世界中から科学技術者等が集まり、研究を進めています。

CREW137、CREW191の一員として擬似火星へ

2014年には、私を含めた日本人グループ「Team Nippon」がCREW137として活動を行いました。火星を想定した居住環境のシミュレーション、火星の生活で摂られるだろう食事、地形探査などに成果を収めました。そして2018年3月末には、日本人5名とインドネシア人1名で構成された「Team Asia」がCREW191としてMDRSで活動を行いました。

地形探査とPM2.5の観測ノウハウを確立する

私は今後、これまでの研究で得られたデータを使って「ドローンを使った地形探査」と「PM2.5の観測」を行い、火星環境における研究ノウハウを確立させたいと考えております。

CREW137 では、地形探査をローバーのみで行いましたが、月や火星で発見されている「地下洞窟」のような地形はローバーで到達できないところが多いため、探査の幅を広げるためにはドローンが必要です。そこでCREW191では、市販のドローン「MavicAir」を用いてMDRSの周囲の探査を行いました。地下空洞は、宇宙放射線や隕石、昼夜の極端な温度差の影響から人類を守ってくれるため、人類の宇宙進出になくてはならないものになるかもしれません。将来的に火星用ドローンが完成した際に、より効果的に探査を行うためにも、現段階における地形探査技術の研究は欠かせません。

またネバダ砂漠のような場所は、PM2.5の量はどこでも一定であるように思いますが、たとえば砂嵐による値の変化を考慮した観測はできていません。私はCREW191で、火星環境におけるPM2.5の値を測定するべく、3種類のPM2.5測定器(固定金属ボックス型、ドローン搭載用、個人携帯型)を持ち込み、滞在期間中のデータ測定を行いました。

Why we need your support

しかし、MDRSの知名度は決して高いとは言えずに、現在活動費は全て自費でまかなっている状況です。そこで今回、私がCREW191で得たデータを解析する活動をクラウドファンディングを通じて幅広く伝えるとともに、研究費の一部を皆さまにご支援いただけないかと思い、チャレンジを決めました。火星移住後の未来を一緒に考えてみませんか? ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

Profile

岡本渉

こんにちは。岡本渉(WATARU OKAMOTO)と申します。2009年からKEK-PFより名古屋大学へ移り、あいちシンクロトロン光施設の建設に携わって参りました。2016年より宇宙地球環境研究所松見研究室のお手伝いをしております。私は日本火星協会に所属しており、2014年のMDRS CREW137 Team Nipponに参加させていただきました。CREWによっては2週間のミッションの間に人間関係が壊れてしまう事も多いそうですが、私たちCREW137はとても仲が良く、無事にミッションを終えることができました。家族のようなCREWだったと評判で、ちなみに私は「お父さん」と呼ばれておりました。火星探査も大気汚染問題も、今まさにホットな話題に満ちています。CREW191には高専生の若者も参加しました。彼らの世代は当然のように宇宙へ行くことでしょう。もしかしたら私くらいの年代の人たちでも、火星への道が開けてくるのかも知れません。

Project timeline

Date Plans
2018年4月 クラウドファンデング挑戦
2018年3-4月 MDRSでの活動実行
  • 今回の調査で明らかになったことを、2018年5月の日本地球惑星科学連合、6月の国際環境疫学会曝露科学学会アジア支部会で、ポスター発表を行う予定です。
2018年10月 宇宙科学連合で発表

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私が撮影したネバダ砂漠やNDRS関連の画像をメールにてお届けいたします。火星に居住できる時を思い浮かべながら、お楽しみください。

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8月25日(土)13:00~15:00 に東京都内にて報告会を開催いたします。これまでの活動に加えて、みなさんからご支援いただいた研究費で進んだ研究内容について詳しくお話する予定です。ぜひ、ご参加ください。

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