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富士山頂の測候所から、大気汚染物質の広がりの謎にせまる!

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SUCCESS
大河内博
早稲田大学、教授
Pledged: 2,064,000 JPY
Target Amount: 1,500,000 JPY
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137 %
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155
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Support period closed

Reached the funding target!

みなさまにご支援をいただきまして、目標達成することができました。心から御礼を申し上げます。広報活動におきましては、アカデミストの柴藤さん、宮内さん、本学総長室の三木さん、高野さん、理工学術院の尾崎さん、大庭さん、当研究室助手の島田さん、そして、当研究室の学生諸君に大変お世話様になりました。



クラウドファンディングに挑戦しましたのは研究費獲得もありますが、日本のシンボルである富士山頂には富士山測候所(現在、富士山特別地域気象観測所)が健在であること、そして、富士山測候所を活用して様々な研究や教育活動が行われていることを、国民の皆様に広く知っていただきたかったという強い思いがあります。



富士山測候所は、かつて台風の砦として、多くの日本国民の人命を守ってきました。いまはその使命を終えたものの,様々な研究や教育に活用することができます。富士山測候所は老朽化が著しく、取り壊されてしまう存続に危機にあります。しかしながら、富士山測候所は修繕をすればまだまだ活用できるのです。



なぜ早稲田大学の一教員が富士山で研究をしているのかと疑問に思われた方もおられると思いますが、多くの大学や研究機関の研究者・教育者が富士山測候所を活用して様々な活動をしています。当研究室では、富士山頂で10年間の研究活動を行っていますが、これまで当研究室に所属する多くの学生諸君が、富士山での研究活動を通じて逞しく成長し、社会に巣立っていきました。私自身もそうですが、学生諸君も富士山に育てていただいています。



日本が世界に誇るべき富士山測候所を、標高だけではなく、研究レベルにおいても日本の最高峰の研究所として今後も活用していくこと、そして、国民に開かれた施設として教育活動に活用していくことが私達の夢です。富士山で様々な研究・教育活動を行い、たくさんの「富士山博士」を輩出し、世界で活躍してくれることを夢見ています。



今回のクラウドファンディング挑戦はまもなく終了いたしますが,富士山測候所の存続と有効活用に向けた挑戦はまだまだ続きます。



今後とも、どうか皆様のご理解とご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

Comment from academist staff
地球規模でおきる大気汚染の実態に迫る

宮内諭

大気汚染はあっという間に地球全体に広がります。その速度は、南北方向であれば数ヶ月、東西方向であればたったの数週間で地球の裏側まで到達するといいます。大気汚染は日本国内だけの問題ではなく、地球全体の問題なのです。早稲田大学の大河内博教授は現在、富士山頂にて大気を採取し、そこに含まれる化学物質の濃度変化を測定することで、東アジアの大気汚染の現状にせまろうとしています。ライフワークとして長年、富士山での大気観測研究を行っている大河内教授の研究に、ぜひご注目ください。

大河内教授が「academist Live」に出演されました。本ページに掲載しきれなかったくわしい研究内容にとどまらず、丹沢や福島、カンボジアで行う観測調査の内容まで、わかりやすく解説されています。ぜひご覧ください!

(2017/11/28)あおぞら財団様に取り上げていただきました。
(2017/11/30)YAMAKEI online様に取り上げていただきました。
(2017/12/14)静岡新聞様に取り上げていただきました。
(2017/12/28)山旅々様に取り上げていただきました。
(2017/12/29)山梨日日新聞様に取り上げていただきました。
(2018/1/5)アンドラ様に取り上げていただきました。

“よみがえれ富士山測候所”を合言葉に

富士山は、私たち日本人にとって特別な山です。四季折々に変化するその優美な姿は、人々を魅了し続けています。一方で、富士山は重要な気象観測地でもあり、富士山頂の「富士山測候所」では1932年から2004年までのあいだ、継続的な気象観測が行われてきました。



気象衛星の観測精度の向上により気象観測所としての使命は終えたものの、3776mという極地高所にある富士山測候所は、今後も学術研究の拠点として活かすことができるはずです。しかし、すでに気象庁は富士山測候所を2004年から無人化しており、存続の危機に瀕しています。そこで私たちは、富士山測候所を有効活用することを目的として、NPO法人「富士山測候所を活用する会」を設立しました。現在、私たちの研究室では、夏季期間に富士山測候所を借用し、地球規模での大気汚染物質の動きを研究しています。

東アジアにおける大気観測の最適な場所、それが富士山

なぜ、富士山頂で大気を調べるのでしょうか。それは、富士山頂は東アジアの大気の状態を精密に測定できるうってつけの場所だからです。


地球大気の一番下の層である対流圏は、「大気境界層」と「自由対流圏」に分けられます。大気境界層は、工場などから放出された大気汚染物質の影響を強く受ける厚さ2km程度の層で、自由対流圏は、大気境界層の上にある地表からの影響を受けにくい層です。大気汚染物質は主に、この二つの層を通って運ばれますが、自由対流圏では周囲に遮るものがないため風が強く、大気境界層より速く、遠くまで運ばれるという特徴があります。

自由対流圏の大気を調べるには、航空機や気球などを使って直接的に観測を行う方法と、人工衛星を使って宇宙から間接的に調べる方法とがあるのですが、前者には、観測時間が限られたり悪天候時には飛行させられなかったりする弱点が、後者には、観測は常時できるものの計測できる化学成分が限られてしまうという弱点があります。


富士山頂のような高地での観測は、この両者の弱点を補うことができます。実際、マウナロア(ハワイ:3397 m)やユングフラウヨッホ(スイス:3578 m)などでは、継続的に自由対流圏の大気の化学観測が行われていますが、アジアではほぼ行われていません。日本はアジア大陸の東端に位置しており、その中心に富士山がそびえたっています。そのため富士山は、太平洋からアジア大陸に向かう清浄な海洋大気に加え、アジア大陸から太平洋へと運ばれる大気汚染物質も観測することができます。まさに富士山は、東アジアにおける大気観測の最適な場所といえるのです。

Why we need your support

私たちの研究グループでは毎年、食糧などの生活必需品や試料の採取装置など、計500kgにもなる荷物を富士山測候所に上げ、7月〜8月にかけて約2ヶ月間観測を行います。また、富士山測候所の利用料金、装置設置費用、滞在費用などがかかります。富士山測候所の管理運営は「NPO法人富士山測候所を活用する会」が担っており、私たちも会員ですが、自分たちの研究に関わる費用は自分たちで支払い、測候所管理者の人件費、観測作業代行費用、測候所の修繕費、地上から富士山測候所への送電線の保守費用、電力使用量、(一般登山者によって荒れる)馬の背の保守費用などに使われます。これらの費用は全体で毎夏2000万円以上かかりますので、研究者が自らの研究に支払う費用だけでは富士山測候所の管理運営費をまかなうことはできません。そのため、NPOに所属する研究者は自らの研究費以外に、NPOの運営に関わる資金も獲得獲得の努力をしてきています。
私たちでの研究室では今夏(2017年)の環境試料はすでに採取し、冷蔵庫・冷凍庫で保管しています。富士山測候所の利用料金、装置設置費、滞在費に加えて、環境試料の分析費用などを含めますと、私たちの研究室の夏季観測だけで毎年300万円以上の研究費が必要となります。富士山麓では通年観測を行っており、現在も2週間ごとにPM2.5などの環境試料を採取していますが、富士山に行くためのレンタカー代、環境試料の分析費用もかかります。これまで、外部および学内競争的資金で富士山における大気環境観測を10年にわたり継続的に行ってきましたが、今年度は富士山における大気環境で研究費を獲得することができず、研究予算150万円が不足しており、すべての研究がストップする瀬戸際に瀕しています。
大気環境の野外観測では、同じ現象は二度と起こりません。継続観測しているからこそ明らかになることが多く、まさに“継続は力なり”です。富士山における大気観測研究を継続できるよう、どうか皆様のご支援をお願い申し上げます。

Profile

大河内博

はじめまして。早稲田大学の大河内博(Hiroshi Okochi)と申します。神奈川大学、東京都立科学技術大学(現首都大学東京)を経て、母校の早稲田大学に赴任して今年で11年を迎えました。富士山での大気観測研究はライフワークとして退職まで続け、30年間のデータを蓄積し、日本および世界における山岳大気観測ネットワークを構築したいと思っています。富士山以外にも、丹沢で大気・土壌・渓流水調査を10年以上行っています。また、東日本大震災をきっかけとして、2012年から福島の里山除染を目的として、放射線調査に通い続けています。今年から福井県大野市における地下水調査、カンボジアにおける大気汚染調査にも取り組み始めました。フィールドが増えるばかりで、今夏はほとんどフィールドに出かけていました。野外調査は大変ですが、新緑や紅葉、野生生物との出会いで心癒され、満天の星空や御来光に心奪われます。富士山頂でぼーっと雲を眺めていると、何時間でも過ごせます。

Project timeline

Date Plans
2017年11月 クラウドファンディング挑戦
2017年11月 国際会議ACPM2017
  • クラウドファンディング挑戦中ですが、これまでに得たデータに加えて、予算上可能な試料数を分析して一部を報告する予定です。
2017年12月 本格的に分析開始
2018年5月 環境化学討論会
2018年6月〜12月 論文執筆

Pledge Rewards

You may provide additional support in addition to the amount of your return. No sales tax will be charged on the additional support.
1,100 JPY tax included
Featured : 大河内先生撮影の富士山オリジナル写真(電子版)

美しい富士山の写真および富士山頂で採取した大気分析の結果を報告書にまとめて、メールにてお届けします。

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富士山オリジナル写真(電子版) / 研究報告レポート

50 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

5,500 JPY tax included
Featured : 「アースドクター」グッズ

アースドクター(地球診断士)である大河内教授をモチーフとしたオリジナルタオルおよび、しおり(ブックマーク)をお送りいたします。

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「アースドクター」グッズ / 富士山オリジナル写真(電子版) / 研究報告レポート

44 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

11,000 JPY tax included
Featured : 富士山成果報告会参加チケット

5000円のリターンに加え、富士山成果報告会にご招待いたします。3月のいずれかの土曜日に2回、早稲田大学西早稲田キャンパスで開催し、プロジェクトの現状について詳しくお話する予定です!ご都合により当日参加できない方々には、当日の講演資料をメールでお送りします。成果報告会には、支援された方に加えて大学生以下のお子さんも参加いただけます。また、成果報告会に参加された大学生以下の学生・生徒さんには、大気化学分野に関する入門書をプレゼントいたします。

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富士山成果報告会参加チケット / 「アースドクター」グッズ / 富士山オリジナル写真(電子版) / 研究報告レポート

37 supporters are supporting with this reward. (Limited to 50)

33,000 JPY tax included
Featured : 著書『越境大気汚染の物理と化学』贈呈(サイン付)

10000円のリターンに加え、雲ができるしくみから大気汚染物質の広がり方まで、越境大気汚染についてくわしく解説した著書『越境大気汚染の物理と化学』(サイン入り)をプレゼントいたします。

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著書『越境大気汚染の物理と化学』贈呈(サイン付) / 富士山成果報告会参加チケット / 「アースドクター」グッズ / 富士山オリジナル写真(電子版) / 研究報告レポート

8 supporters are supporting with this reward. (Limited to 15)

55,000 JPY tax included
Featured : 論文謝辞にお名前掲載

30000円のリターンに加え、論文の謝辞に皆さんのお名前を記載いたします。今夏採取したサンプルの分析結果をもとに、2018年度中の投稿を目指していきます!

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論文謝辞にお名前掲載 / 著書『越境大気汚染の物理と化学』贈呈(サイン付) / 富士山成果報告会参加チケット / 「アースドクター」グッズ / 富士山オリジナル写真(電子版) / 研究報告レポート

10 supporters are supporting with this reward. (Limited to 15)

110,000 JPY tax included
Featured : 富士山麓ツアー

50000円のリターンに加え、大河内教授の解説とともに富士山麓をご案内するツアーにご招待いたします。奮ってご応募ください!参加が難しい場合は、大河内教授の研究室の見学ツアーにご招待いたします。

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富士山麓ツアー / 論文謝辞にお名前掲載 / 著書『越境大気汚染の物理と化学』贈呈(サイン付) / 富士山成果報告会参加チケット / 「アースドクター」グッズ / 富士山オリジナル写真(電子版) / 研究報告レポート

6 supporters are supporting with this reward. (Limited to 6)

Supporters will be charged the funding amount only if the project reaches the funding goal (JPY 1,500,000) before 10:00 on January 26, 2018 (JST: GMT+9).
Payment options
Credit cards (VISA, Mastercard), bank transfer, convenience store payment, Pay-easy and PayPal are available
Additional Support
You may provide additional support in addition to the amount of your return. No sales tax will be charged on the additional support.
Securities

SSL encryption communication is used in this Web site, and the informations filled out are safely transmitted.

1,100 JPY(tax included)

大河内先生撮影の富士山オリジナル写真(電子版)

50 supporters back
(No quantity limit)

5,500 JPY(tax included)

「アースドクター」グッズ and others

44 supporters back
(No quantity limit)

11,000 JPY(tax included)

富士山成果報告会参加チケット and others

37 supporters back
(Limited to 50)

33,000 JPY(tax included)

著書『越境大気汚染の物理と化学』贈呈(サイン付) and others

8 supporters back
(Limited to 15)

55,000 JPY(tax included)

論文謝辞にお名前掲載 and others

10 supporters back
(Limited to 15)

110,000 JPY(tax included)

富士山麓ツアー and others

6 supporters back
(Limited to 6)

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