日常生活でロボットを活用するには、ロボットが身のまわりの物体を意のままに操作できるようにしなければなりません。しかし現在のロボット工学では、布や服、野菜、肉、液体などの「柔軟な物体」や、ガラス細工や卵などの「壊れやすい物体」の操作が難しく、未解決課題として残されています。
私はこれまでに、ロボットが自分で学習しながら賢くなるようなロボットのための人工知能「ロボットラーニング」の研究や、「柔軟な物体を操作するロボット」の開発などを進めてきました。研究を進めていくなかで、触覚センシングの重要性に気づきました。たとえば人間は、目をつぶっていても物を持ち上げられますが、分厚い手袋をつけたり、極寒で手の感覚が麻痺している状態では、物の操作が難しくなります。このように、物体操作では視覚だけではなく「触覚」も重要な役割を果たしているのです。
これまでにも数多くの接触センサが開発されてきましたが、開発コストや物理的強度、製造の難しさなどが障壁となり、ロボットのための触覚センサはさほど普及していません。そこで私たちは、視覚と触覚が融合したようなセンサをロボットに与えてみようと考えました。物体操作において重要な視覚と触覚が合わさるので、有望な考えであるはずです。
実際に、カーネギーメロン大学の共同研究者(Chris Atkeson教授)と共に ”Whole-body Vision"というプロジェクトを開始しました。これは、ロボットの全身にカメラを配置し、カメラを透明な皮膚で覆うことにより、視覚と触覚が融合した感覚をロボットに与えるというアイディアです。私は特に、このセンサをロボットの指に埋め込む「フィンガービジョン」というプロジェクトに注力しており、そのプロトタイプを作成しました。
透明な皮膚は、硬いレイヤと柔らかいレイヤから構成されており、硬いレイヤは外力がカメラに到達するのを防ぎます。それと同時に、柔らかいレイヤが外力によって変形し、この変形をカメラで読み取ることで外力を推定します。
さらに、カメラの画像を解析することで、操作している物体の情報や動き(滑り・変形)と言った情報が捉えられます。カメラを使っているので、人間の皮膚と違い接触していなくても近接物体の情報が取得できます。これは人間の感覚を超えた「スーパーヒューマンセンサ」と言っても過言ではありません。
フィンガービジョンは、1センサ当たり5,000円程度と低コストであること、外力は皮膚で吸収されてセンサ部分まで到達しないため頑丈であること、部品点数が少ないため製造が容易であることなどの特徴を持ちます。
実際に、センサの有用性を実証するため、果物の切断、滑りを阻止する把持、折り紙のような壊れやすい物体の把持などの実験を進めています。具体的な動作にご興味のあるかたは是非動画(動画1, 動画2)をご覧ください。
今秋より、私は東北大学へ異動することになりました。日本でもこのセンサの改良を進め、研究をより一層進めていきたいと考えています。まずは、カーネギーメロン大学で開発したセンサを、日本で入手可能な素材を用いて再現します。次に、センサが暗闇で使えない問題や、平面のみならず人間の指のような曲面形状におけるセンサの製造方法の模索など、現状判明している課題に挑戦していきます。
しかし、帰国後迅速に研究を開始するための資金が不足している現状です。具体的には、センサのフレーム部および型取り作成のための3Dプリンタ(30万)やデスクトップCNC(20万)、シリコンを使った製造のための真空ポンプ等(10万)、シリコン・3Dプリンタ用フィラメント・カメラ等の素材(20万)です。これらがそろえば、これまでに培った経験をもとにすぐに開発を始めることができます。スピーディな研究開発を行うために、ぜひとも皆さまからのご支援をいただけないかと考えております。
同時に、共同研究者様・企業様も募集しています。フィンガービジョンで得られた近接物体の画像処理に興味のある方、フィンガービジョンを組み込んだロボットハンドの開発に興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。また、フィンガービジョンの製品化・販売を希望される企業様がおられましたら、技術提供も可能ですので、ご連絡いただければと思います。共同研究開発の詳細はこちらのページをご覧ください。
時期 | 計画 |
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2017年8月上旬 | クラウドファンディング挑戦 |
2017年9月中旬 | ロボット学会で展示し、支援者・協力者を募る |
2017年10月〜 | 機材・素材の検討 |
2017年11月〜 | センサ開発 |
2018年1月〜 |
学会発表用論文執筆
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みなさんからいただいたご支援で進んだ研究内容について、レポートにまとめてメールでお送りいたします。
研究報告レポート(電子版)
9人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
「フィンガービジョン」プロジェクトのサイトにみなさんのお名前を掲載いたします。お申込み時の氏名を掲載予定です。
プロジェクトサイトにお名前掲載 / 研究報告レポート(電子版)
4人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
サイエンスカフェにご招待いたします。場所は東北大学、時期は12月中の土曜日午後を予定しています。お越しになれない方々に対しては当日撮影した動画を限定配信で共有いたします。また、「フィンガービジョン」プロジェクトのサイトにシルバースポンサーとしてお名前を掲載いたします。お申込み時の氏名を掲載予定です。
サイエンスカフェ参加券 / プロジェクトサイトにお名前掲載(シルバースポンサー) / 研究報告レポート(電子版)
6人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
「フィンガービジョン」プロジェクトのサイトにゴールドースポンサーとしてお名前を掲載いたします。お申込み時の氏名を掲載予定です。
プロジェクトサイトにお名前掲載(ゴールドスポンサー) / サイエンスカフェ参加券 / 研究報告レポート(電子版)
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
共同研究者様用のリターンです。詳細は私のHPをご覧ください。また、限定10個が売り切れ後は,1個あたり4万円の「【共同研究者様用】センサー開発コンサルティング料1口」をご購入ください。 (注)挑戦者との事前相談が必須のリターンです。
センサー開発コンサルティング料1口(センサー提供あり)
11人のサポーターが支援しています (限定 10 個)
共同研究者様用のリターンです。詳細は私のHPをご覧ください。 (注)挑戦者との事前相談が必須のリターンです。
センサー開発コンサルティング料1口(センサー提供あり)
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
センサのモックをプレゼントいたします。また、「フィンガービジョン」プロジェクトのサイトにゴールドースポンサーとしてお名前を掲載いたします。お申込み時の氏名を掲載予定です。 (注)画像はセンサの実物です。モックはこれを簡略化したものとなりカメラも付属しませんので、ご注意ください。また、海外発送の場合は着払い扱いとさせていただきますので、あわせてご了承ください。
センサのモック / プロジェクトサイトにお名前掲載(ゴールドスポンサー) / サイエンスカフェ参加券 / 研究報告レポート(電子版)
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
論文の謝辞にみなさんのお名前を掲載いたします。また、「フィンガービジョン」プロジェクトのサイトにプラチナスポンサーとしてお名前を掲載いたします。お申込み時の氏名を掲載予定です。 (注)センサのモックにはカメラは付属しませんので、ご注意ください。また、海外発送の場合は着払い扱いとさせていただきますので、あわせてご了承ください。
論文の謝辞にお名前掲載 / プロジェクトサイトにお名前掲載(プラチナスポンサー) / センサのモック / サイエンスカフェ参加券 / 研究報告レポート(電子版)
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。
研究報告レポート(電子版)
9
人
が支援しています。
(数量制限なし)
プロジェクトサイトにお名前掲載 他
4
人
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(数量制限なし)
サイエンスカフェ参加券 他
6
人
が支援しています。
(数量制限なし)
プロジェクトサイトにお名前掲載(ゴールドスポンサー) 他
0
人
が支援しています。
(数量制限なし)
【共同研究者様用】センサー開発コンサルティング料1口(センサー提供あり) 他
11
人
が支援しています。
(限定 10 個)
【共同研究者様用】センサー開発コンサルティング料1口(センサー提供あり) 他
0
人
が支援しています。
(数量制限なし)
センサのモック 他
0
人
が支援しています。
(数量制限なし)
論文の謝辞にお名前掲載 他
0
人
が支援しています。
(数量制限なし)