遅ればせながら、2月の活動をご報告いたします。ライフイベントに伴い計画に一部変更が生じましたが、2026年8月にドイツで開催される国際会議『JuliaCon 2026』に向けて着実に準備を進めております。
JuliaCon 2026では、講演募集(CfP)を延長し、2026年3月7日まで幅広い分野における講演を受け付けました。私たちの企画である『計算物理学ミニシンポジウム(Computational Physics Minisymposium)』には、当初の想定を超える多数の投稿が寄せられ、プログラミング言語『Julia』と計算物理学の高い親和性を改めて実感しました。私たちは、このシンポジウムが物理学や化学の諸分野をつなぎ、計算手法が行き交う「貿易港」としての役割を果たすことを期待しています。今回の反響は、こうした私たちの取り組みを後押しし、今後さらに発展させていくための確かな基盤になると考えています。
また、私たち自身も開発チーム『JuliaFewBody』の活動に関するプロポーザルを提出いたしました。少数多体系物理学では、ハドロン、原子核、原子、分子、量子ドットなど、幅広い階層の多様な量子系が研究対象となるため、ソフトウェアへの要求および要件も多岐にわたります。こうした要請に対応すべく、私たちは再利用性と拡張性を備えた柔軟な共通基盤として、JuliaによるOSSの開発を行ってきました。講演では、テスト容易性(Testability、テスタビリティ)そのものが大域的なアーキテクチャ設計と長期的な開発ロードマップを導く羅針盤としての役割を果たしたことを紹介する予定です。私たちのエコシステムが貿易港への「門」を開くことを期待しています。
最後に、3月の取り組みではございますが、計算物理ハッカソン『CompPhysHack 2026』は無事に閉幕いたしましたことをご報告いたします。また、『計算物理春の学校 2026』につきましては諸事情により閉幕を見届けることができませんでしたが、参加者の声を通じて実り多い学びと交流の様子を伺うことができました。無事に閉幕することを願っています。AIによってソフトウェア開発のあり方が大きく変わりつつある今、人間とAIの双方の力を引き出すことができるJuliaと、科学としての再現性を支えるOSSの重要性はますます高まっています。こうした急激な時代の変化の中、共に培い、磨き高めあう場を提供していくことは、次世代の育成と私たち自身の成長を支える、欠かすことのできない営みです。
皆さまからのご支援は、こうした活動を継続し発展させていくうえで大きな支えとなっています。引き続き、私たちの取り組みを温かく見守っていただければ幸いです。
このたび、私たちが提案してきた企画が採択され、2026年8月にドイツで開催される国際会議「JuliaCon 2026」にて「計算物理学ミニシンポジウム(Computational Physics Minisymposium)」を主催する運びとなりました。JuliaConは、プログラミング言語Juliaのコミュニティによる国際会議です。毎年、データ分析や機械学習など、さまざまな専門分野に焦点を当てた企画として「ミニシンポジウム」が開催されます。今回、私たちの取り組みが主題となるミニシンポジウムの実現に向けて、関係者との事前調整を重ねてまいりました。
本シンポジウムでは、計算物理学に関連する講演を広く募集しています。昨年のJuliaCon 2025では、物理学に関する講演の受け皿が必ずしも十分とは言えませんでした。そこで今回、計算物理学という大きな枠組みを掲げ、分野横断的な議論の場を提供できることを大変嬉しく思います。シンポジウム内では、私たちのOSS開発チーム「JuliaFewBody」や「JuliaQCD」の各エコシステムにスポットライトを当てた特別セッションも予定されています。さらに、JuliaMolSimミニシンポジウムとも連携を進めており、同一会場かつ前後の時間帯に開催することで、計算化学や材料科学などの隣接分野とも交流しやすい構成としました。私たちが開発を進めるOSSパッケージ群だけでなく、こうした発表の場そのものが物理学や化学を中心とした幅広い分野をつなぎ、計算手法が行き交う「貿易港」としての役割を果たすことを期待しています。
JuliaConの醍醐味は、物理学のみならず、コンパイラ、HPC、応用数学といった基盤層から応用層に至るまでの開発者が一堂に会することにあります。これは、Juliaという強力な共通言語の登場によって、基盤から応用まで一気通貫した議論が可能になったことを象徴しています。このような場で、物理学の現場が直面する課題を共有することは、物理学の地平を広げ、周辺分野と共に進化するための原動力となります。少数多体系物理学におけるOSS開発を起点に、計算物理学、そして物理学という枠を超え、Juliaを通して多くの階層のさまざまな分野とともに次世代を切り拓くという大きな流れを、私たちのシンポジウムが後押しします。
JuliaCon 2026の講演提案(CfP)の締め切りは2026年2月28日23:59(CET)です。JuliaCon 2026に関する最新情報は公式ホームページおよびBlueskyをご覧ください。計算物理学に限らず、Juliaに関連する幅広い発表が対象となりますので、コミュニティの皆さまにも積極的なご応募・周知のご協力を賜れますと幸いです。皆さまのご投稿をお待ちしております。
明けましておめでとうございます。昨年は温かいご支援をいただき、誠にありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。12月の活動報告では、プロジェクトの一環として計画を進めてきた研究会『JuliaLang Japan 2025』の様子をご報告いたします。
本研究会は、2025年12月13日(土)に東京科学大学 大岡山キャンパスで執り行われました。オンラインと対面を合わせて延べ164名の参加登録があり、登録時アンケートでは利用歴について「まだ始めていない」という回答が最多となっています。これにより、Julia歴の長い参加者だけでなく、新たにJuliaに興味をもった層からの参加が可視化され、コミュニティの拡大と今後の成長を示す結果となりました。また、計19件の講演のうち8件が学生による講演であることも、Juliaを活用した研究・開発の実践が、次世代を担う若手に広がりつつあることを示しています。講演資料はホームページで公開するとともに、講演の録画についてもYouTubeにて順次公開いたします。
一連の講演と意見交換会はともに大盛況のうちに閉幕し、参加者からは「温かいコミュニティだった」との声や、数多くの応援と協力の声が寄せられました。本会の目的である、Juliaを共通言語とする地域や分野の垣根を越えた交流と、アジア初の『JuliaCon』開催に向けた国内コミュニティの結束強化は、いずれも達成されたとの認識を共有しています。これまで個別に活動してきたJuliaTokyo、JuliaTokai、Julia in Physicsの運営メンバーが親睦を深めるとともに、さらに新たなメンバーを加え、2026年の計画に向けて動き出しています。
この度は、年末のご多忙な時期にもかかわらず、ご参加・ご視聴・周知にご協力くださったみなさまに心より御礼申し上げます。本研究会の運営にあたって、みなさまから頂いたご支援の一部を活用させていただきました。御礼をホームページに掲載させていただいたほか、私たちの講演(添付写真)でも最後に謝辞を述べさせていただきました。引き続き、成果物を可能な限りオープンに共有しながら、活動を進めてまいります。
本年も引き続き、私たちの取り組みを温かく見守っていただければ幸いです。
遅ればせながら、夏以降に参加した国際会議の参加レポートを公開いたしました。2025年7月下旬にアメリカで開催された JuliaCon 2025 および JuliaHEP 2025 Workshop の様子を、Zenn の記事として掲載しています。これらの記事では、現地で見聞きした Julia に関する知見をまとめています。また、一部のパッケージについては、本日12月1日から順次公開される Julia Advent Calendar 2025 でも紹介する予定です。日本ではあまり知られてこなかった有用なパッケージも数多くございますので、ぜひご覧ください。
現地では、私たちが開発を進めている Antique.jl と TwoBody.jl について発表を行いました。Antique.jl は解析解を持つ量子力学モデルのデータベースです。少数多体系物理学をはじめとする、量子力学を扱う分野におけるパッケージ開発でのソフトウェアテストに役立ちます。当初の予想を超えて AI によるコード生成が急速に普及したことにより、ソフトウェアテストの重要性は、これまで以上に高く評価され始めています。Antique.jl は TwoBody.jl の自動テストに組み込まれており、FewBodyToolkit.jl の開発でも利用されているとのことです。これらのパッケージの開発で培った経験をもとに、今後も JuliaFewBody におけるパッケージ開発を進めてまいります。
国内で行った研究発表についても、researchmap にて順次掲載しています。ご縁あってご招待いただいた国際ワークショップでは、主に数学を専門とする研究者の皆さまに、少数多体系物理学における固有値問題の実例と Julia の活用例をご紹介する機会をいただきました。これをきっかけに、尾崎スキームで有名な尾崎教授に、JuliaLang Japan 2025 での招待講演をお引き受けいただく運びとなりました。尾崎教授から直接、尾崎スキームの Julia 実装について学べる貴重な機会です。JuliaLang Japan 2025 は、2025年12月13日(土)に東京科学大学 大岡山キャンパスで開催されます。オンライン参加も可能ですので、こちらからぜひご登録ください。
JuliaLang Japan 2025 のちょうど1年前、私たちは物理学における Julia の活用をテーマとした研究会 Julia in Physics 2024 を開催いたしました。招待講演のためにご来日いただいた Valentin Churavy 博士から、いくつかのご案内をいただきました。Churavy 博士は、2026年8月にドイツで開催される国際会議 JuliaCon 2026 の共同議長を務めており、会期中に行われるミニシンポジウムの企画提案を呼びかけています。先日、私たちは少数多体系物理学に関連したミニシンポジウムの企画に向けて、プロポーザルを提出いたしました。物理学における計算手法の「貿易港」としての役割を果たすことを期待しています。
最後に、2026年3月に開催する計算物理春の学校 2026 および CompPhysHack 2026 についてご案内いたします。計算物理春の学校 2026 では、『計算物理学のための Julia 入門』、『AI・機械学習を用いた計算物理学入門』といった、Julia に関連した講義が開講されます。CompPhysHack 2026 では、少数多体系物理学に関連したテーマを含めた計算物理ハッカソンを企画しております。また、こうしたイベントの開催に合わせて、研究計画を一部変更しながら進めております。どちらも2026年1月まで参加者を募集しておりますので、ぜひご参加ください。
引き続き、私たちの取り組みを温かく見守っていただければ幸いです。
9月2日より開始いたしましたクラウドファンディングは、延べ71名のサポーターの方々から研究費のご支援をいただき、最終的な支援総額は1,101,319円、目標金額の110%を達成しました。皆様からの温かいご支援とご声援に心よりお礼申し上げます。今回の挑戦は国内にとどまらず、国際的にもご関心をお寄せいただき、Julia言語の開発者の一人である Jeff Bezanson 博士からもご支援をいただきました。国籍、人種、宗教、分野の垣根を越えて、研究の意義が世界で共有されていることを強く実感しています。
皆様からご支援いただいた金額は、日本学術振興会が研究者に対して交付する基盤研究(C)・挑戦的研究(萌芽)・若手研究といった「科研費」のおよそ1年分の研究費に相当します。私たちの取り組みは、OSS開発を主とする、旧来の物理学の研究とは異色の試みです。さらに、後ろ盾の乏しい若手が中心であり、ど真ん中の純粋基礎研究という、研究費の獲得が難しい内容でした。こうした中での皆様からのご支援は、私たちの研究を直接的に支えるだけでなく、次の研究費の獲得のための実績という大きな第一歩となります。このように、温かい言葉にとどまらない、金額以上のご支援を皆様からいただいていることに重ねて感謝申し上げます。
2026年8月10〜15日にはドイツでJulia言語の国際会議『JuliaCon 2026』が開催予定であり、偶然にも8月17〜21日には隣国のチェコで少数多体系物理学の国際会議『EFB26』が開催されます。私たちはJuliaCon 2026における少数多体系物理学に関連したミニシンポジウムの企画に向けて準備を進めており、続けてEFB26での研究発表を予定しております。Juliaコミュニティで私たちの研究分野の認知度を高め、同時に私たちの研究分野でもJuliaの普及を目指します。
また、分野の垣根を越えた交流を図るとともに、アジア初の『JuliaCon』開催に向けて国内のJuliaコミュニティの結束を強化することを目的とした研究会『JuliaLang Japan 2025』を企画しています。日時は12月13日(土) 13:00〜18:20、場所は東京科学大学 大岡山キャンパスです。東京科学大学関係者の尽力により、定員273名の大変立派な会場を確保できました。周知のご協力を賜れますと幸いです。もしご興味がございましたら、ホームページより参加登録をお願いいたします。皆様のご参加をお待ちしております。
遅ればせながら、夏以降に参加した国際会議などでの活動報告も併せて公開してまいります。また、日本とデンマークで時差もありますが、定期的なオンラインミーティングを行い、共同でOSS開発を進めており、その様子も報告したいと思います。添付の写真は9月に行ったミーティングの様子です。皆様からお預かりしたご支援は、AI開発支援ツールやスーパーコンピュータの利用料、成果の公開・発信(論文投稿料・国際会議の参加費用・ワークショップ開催費用など)のために大切に活用させていただきます。進捗は順次レポートとして公開し、成果物も可能な限りオープンに共有してまいります。
改めまして、今回のプロジェクトに関わってくださったすべての方に、心からの感謝を申し上げます。今後とも、私たちの取り組みを温かく見守っていただければ幸いです。
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お礼のメッセージ
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