ご支援いただきました皆様のおかげで、無事目標金額を達成することができました。大変ありがとうございました。
当初全く予想していなかたのですが、このクラウドファンディングを通じて、これまでに関わることがなかった多くの方と交流することができました。そして様々なご意見をいただくことで、本研究の重要性を私自身でも再認識することができました。皆様からのコメント、疑問等に少しでも答えられるように、頂いた試薬を使ってこれから研究を進めてまいります。東京の上空に漂う微生物、その中身、そしてそこからわかる事をお伝えできる時を楽しみにしております。
目標額を上回っていただいているご支援は、調子の悪くなってきているポンプの修理、チューブなどの消耗品の購入など現地での観測の必需品のため使用させていただきます。引き続きご支援よろしくお願い致します。
私たちが絶えず吸い続けている空気には、直接目で見ることはできないのですが、たくさんの微生物が含まれています。これらの大気微生物は、空気の流れに乗って地域的に広がるばかりではなく、気流に乗り地球全体を循環しています。そして、生態系や人々の健康に影響を与えたり、雲の形成を促して気象を変えたりしていると言われています。
私の専門は、極地や高山の雪や氷の上に住んでいる微生物の研究です。フィールドで研究を進めていくなかで、「微生物たちは極限的な環境にどこからやってきたのだろう?」ということに興味を持ち、大気微生物の研究をはじめました。先行研究を調べてみると、驚いたことにほとんど研究が進んでいない実態に気がつきました。
特に、大気微生物の種類や量が日々どのように変化していくのかということを調べた研究は、遺伝子解析技術が進歩していなかったことから、世界的にも例がほとんどなく、日本においては一例も見当たりませんでした。つまり、どのような微生物が空気中を漂っているのかも知らないまま、私たちは空気を吸い続け、日々の生活を送っていることになります。
気流による微生物たちの移動を知るために、まず私が所属する国立極地研究所の屋上(東京都立川市)に機器をセットし、研究にとりかかりました。極地の雪や氷の研究経験を活かし、低濃度の試料から試行錯誤で分析手法を確立させ、冬から春にかけて132日間の微生物の変動を明らかにすることができました。
その結果、浮遊する微生物の強い季節変化を示すことができたものの、近くの山林や周辺の土壌の影響が強く、遠くからやってくる微生物の変動を追いかけることが難しいことがわかりました。そこで本プロジェクトでは、長距離輸送してくる微生物を捉えやすいと思われる高所(東京スカイツリーの天望回廊の上:地上458m)で大気を捕集し、その中に含まれる微生物の日々の変動を追いかけます。
東京スカイツリーにやってくる大気微生物の研究は、以下の3点で重要だと思われます。
1. 生態系への影響
微生物は長距離を自分で移動する能力はありませんが、花粉や種子などよりもサイズが小さいため、より遠くまで飛んでいくことができます。そのため空気中を漂い、落下地点の生態系に住み着いて、生態系を変化させている可能性があります。
2. 健康への影響
空気中を漂って飛来するある種の微生物は、疾病を引き起こします。たとえば、中国から飛来してくる黄砂に付着している微生物や森林から飛来する菌類は喘息を、ある種の酵母は乳幼児の血管炎症候群(川崎病)を引き起こす可能性があることが指摘されています。
3. 気象への影響
空気中の微生物の中には、非常に凍りやすい性質を持った種類がいることが知られています。そのため、氷雲の形成、雪や霰(あられ)といった気象現象には、微生物が関与している可能性があります。
このような重要性を秘めているにも関わらず、現時点では全く知見がないため、これらの影響を評価することすらできていません。
東京スカイツリーの地上高458mの部分には、これまでの活動でどうにか8台のポンプを設置することができました。現在、72時間ごとに上空の空気を採取しています。しかし、微生物の遺伝子の中身を探るために必要な分析試薬を購入する目処が立っていません。そこで、皆さんにお願いがあります。このプロジェクトをサポートしていただき、謎に包まれた大気微生物の変化について、世界に先駆けて一緒に発信しませんか?
ご支援していただいた方へのリターンとして、私がこれまで訪問したフィールドでの写真ポストカードや最近出版した著書をはじめ、特別なリターンとして、皆様のご自宅にただよう微生物(積もった埃を調べます!)の中身を、本プロジェクトで使用する方法で分析し、評価する予定です。皆様の応援、よろしくお願い致します!
時期 | 計画 |
---|---|
2016年10月 | クラウドファンディング挑戦 |
2017年1月 | 実験開始 |
2017年秋 |
American Geophysical Union
|
2017年9月〜2018年3月 | 論文執筆 |
これまで私が訪れた極地で撮影した写真をポストカードサイズにプリントして、3枚組でお送りします!
ポストカード(3枚セット) / 研究進捗レポート(電子版)
31人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
先日発売した私の著書「雪と氷の世界を旅して」をサイン入りでお届けします。雪や氷の上にいきる微生物についてまとめたものですが、フィールドに至る旅の様子も詳しく書いてあります。極地への旅行記としても楽しめるかと思います。限定25名様のリターンですので、お早めにお申し込みください!
サイン付き著書 / ポストカード(3枚セット) / 研究進捗レポート(電子版)
60人のサポーターが支援しています (限定 60 個)
今回の研究内容を詳細にお届けするサイエンスカフェにご招待いたします。開催は、2017年3月中旬の土曜午後、場所は東京都内を予定しています。本研究を始めるきっかけとなった、これまでに訪れた世界各地でのフィールドワークの話もできるかと思いますので、奮ってご参加ください!
サイエンスカフェ参加券 / サイン付き著書 / ポストカード(3枚セット) / 研究進捗レポート(電子版)
25人のサポーターが支援しています (限定 25 個)
あなたのおうちにいる微生物を調べ、どのような微生物がいるか調査します。ご支援いただいた皆様には、簡易キットをお送りいたしますので、お家の埃を採取していただいた上で、ご返送ください。「どのような微生物が、どのくらいいるのか?」をわかりやすく示した結果をお届けいたします。
おうちに潜む微生物徹底調査券 / サイエンスカフェ参加券 / ポストカード(3枚セット) / 研究進捗レポート(電子版)
6人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
今回のクラウドファンディングでご用意したリターン全てをお届けします。さらに、国立極地研究所にご招待して『あなたのおうちに住む微生物』の分析の一部を、実験室で一緒に実施します。当日、おうちのホコリをご持参いただき、分析することも可能です。研究の見えない舞台裏をご覧いただく良いチャンスですので、ぜひお申し込みください!(なお、1回のご支援につき、2名様まで参加可能です。)
極地研で一緒に研究体験!(2名様分) / おうちに潜む微生物調査券 / サイエンスカフェ参加券 / サイン付き著書 / ポストカード(3枚セット) / 研究進捗レポート(電子版)
4人のサポーターが支援しています (限定 5 個)
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。
ポストカード(3枚セット)
31
人
が支援しています。
(数量制限なし)
サイン付き著書 他
60
人
が支援しています。
(限定 60 個)
サイエンスカフェ参加券 他
25
人
が支援しています。
(限定 25 個)
おうちに潜む微生物調査券 他
6
人
が支援しています。
(数量制限なし)
極地研で一緒に研究体験!(2名様分) 他
4
人
が支援しています。
(限定 5 個)