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麹菌で地球を救う!微生物×代替肉ベンチャーの挑戦

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Challenging
NEXT GOAL
萩原 大祐
筑波大学、准教授
Pledged: 1,494,400 JPY
Target Amount: 1,000,000 JPY
NEXT GOAL: 2,000,000 JPY
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Profile

萩原 大祐

私は複数の大学を渡りながら、微生物の研究を20年以上続けています。
微生物が周囲の環境の変化にどのように適応して生き抜くのか興味を持ち、その機構を分子レベルで明らかにする研究を進めてきました。
数年前に、ムーンショット研究の目標検討チームの一員として活動したことが契機となり、地球規模課題への意識が高まり、菌類研究の応用先を考えるようになりました。その結果、麹菌が「次世代食」の一つとして、地球を救う救世主になるという考えに至り、その可能性を追い求めています。
現在、麹ラボというグループを結成(自称)し研究活動中です。

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

日本の伝統的な発酵微生物「麹菌」の力で地球の課題を解決する!

2050年の地球の人口は100億人に迫り、現在の1.7倍の食料が必要になると予想されています。しかし、地球上で食料生産に利用できる土地や資源はすでに限界に達しており、森林伐採が続けば、地球環境は取り返しのつかない状況に陥ります。

特に、畜産業は環境への負荷が大きいと言われています。家畜を飼育するには、多くの土地や餌、水が必要なだけでなく、牛のゲップや糞尿から多量の温暖化効果ガスも発生します。このような背景から、畜肉に代わる代替肉に注目が集まり、近年開発が盛り上がっています。

現在、豆類を原料とした植物性の代替肉製品が多く出回っています。肉の食味に近くて美味しい製品も増えていますが、独特な豆の風味を抑えたり食感を良くするには加工度が高くなり、改良の余地が残されています。また植物の栽培には広大な農地と時間が必要なため、より効率的に生産可能な新たな代替肉の選択肢が必要です。

そこで私たちが注目したのが、菌類、特に「麹菌」です。
麹菌を使って魅力的な代替肉を作り、世界に広めることで、食に関する課題の解決につながると想い、研究を進めています。

どのようなアプローチで実現しようとしていますか?

麹菌は、日本酒や味噌、醤油作りに利用される発酵微生物で、1000年以上も昔から私たちの食生活を豊かにしてくれてきた身近な微生物です。この麹菌を栄養を含んだ液体で培養すると、短期間で一気に増殖し、菌体の塊として収穫できます。

この麹菌の菌体には、約50%のタンパク質(乾燥重量比)の他に栄養やうま味成分も含んでおり、食品として非常に優れた素材であることがわかりました。実際に麹菌の菌体を使用して、ハンバーグのような肉様食品を試作したところ、肉のような弾力と繊維感、ジューシーな口当たりが実現でき、うま味、香りともに非常に優れていました。油分をほとんど含んでいないにもかかわらず、肉に近い食味を再現できたことは驚きです。

この検討の結果から、”麹肉”には想像を超えたポテンシャルがあると確信し、いち早く世界に届ける必要があると思い至りました。

また、より地球にやさしい麹菌の培養方法を検討した結果、酒づくりで大量に発生する酒粕など、利用されにくい食品副産物を栄養源として活用し、麹菌を効率的に培養する方法を考えつきました。このように、どのような原料で麹菌を育てているか明らかにすることで、消費者が安心して食べられる食品になることを期待しています。

今回のプロジェクトで行う研究テーマはなんですか?

麹菌による代替肉を世の中に広めるには、大きく分けて2つの開発課題があります。

1)麹菌を効率的に大量生産(培養)する方法の確立
2)消費者にとって魅力的な、麹菌菌体を利用した最終製品(食品)の開発

言い換えると、どのように麹菌を培養し、どのように美味しくするか、という点に集約されます。

そこで今回のプロジェクトでは、酒粕をはじめとするさまざまな食品副産物を活用して培養することで新たな価値を付加する、”アップサイクル培養法”の開発を実施します。

アップサイクルとは、利用価値の低いものから新たな価値を創造して利用するプロセスという意味です。ここでは、食品加工で派生する副産物、残渣や等外品などから得た栄養分を麹菌の培養に利用することを目指します。

食品副産物の利用による利点は、1)廃棄される食品の有効利用、2)食品由来の味や香りなど、生成される麹菌菌体の美味しさへの寄与、3)原料コストの抑制、4)培養原料の開示による安心感付与、5)食品に付随する製品イメージ(ブランディング)、6)副産物の産出企業との協働化、などが挙げられ、まさにいいことづくめです。

さまざまな食品副産物を検討し、唯一無二の美味しい麹菌菌体を創出します。

Why we need your support

古来より醸造に使用されている麹菌を利用して、これまでにない革新的な代替肉を実現させる。

これは、酒造りなどの伝統的な発酵産業に関わっている人や、その醸造物のファンの方からすれば、なんて突飛なことをと思われるかも知れません。しかし食の未来が危機に瀕している現在、その麹菌が有望な技術として脚光を浴びることは、疑念よりも期待が勝るのではないでしょうか。

麹菌によって未利用資源が有用な食品に生まれ変わることは、まさに発酵プロセスそのものです。私たちが目指す最終的なゴールは、新たな食文化の創生と、社会や地球環境がよりよい仕組みに生まれ変わっていくことであり、これもまた、大きな目で見れば”発酵”作用であると言えます。

言い換えれば、私たちのプロジェクトは、麹菌により地球を”醸す”ことを目指しています。

地球の食の未来を変えるチャレンジングな課題を最速で進めていくには、複数の企業と協働し、より広くより多くの技術を確立し、可能性を探索していく必要があります。そのために私は大学からスピンオフし、ベンチャーを設立して機動的に研究開発を進めていくことを決意しました。現在、年内の新会社設立に向けて準備中です。

皆様からのご支援は、そのスタートダッシュの資金として、実験機器の購入、人件費、共同研究の予算として大切に使用させていただきたいと考えています。立ち上げからの1年間で1000万円は最低限必要になると想定していますが、そのうちの一部をクラウドファンディングで募り、応援していただく皆さまと一緒に走り出したいと考えています。

麹菌による食のアップデートに向けて、どうかご支援をよろしくお願いいたします!

Recommender's comment

野村暢彦
筑波大学生命環境系・教授

私は筑波大学の微生物サステイナビリティ研究センターのセンター長を務めており、萩原先生は当センターの所属教員です。当センターでは、この地球の生態系の基盤は微生物であり、その持続可能性を考える上でも微生物が鍵になるとの理念のもとで基礎および応用的な研究活動を進めています。萩原先生の目指す、麹菌による代替肉の開発はまさにその考えを体現した研究であり、社会に革命を起こすポテンシャルを持っていると思います。

阿部敬悦
東北大学大学院農学研究科・発酵微生物学寄附講座・教授

古くから産業利用されてきた麹菌は、我が国の発酵産業の発展に重要な役割を果たした微生物です。1000年以上に渡り、日本酒や味醂、醤油、味噌の醸造に用いられ、甘酒や味噌として直接菌体を食してきました。現在では食品用酵素や消化剤用酵素の生産にも用いられています。この麹菌を、地球規模の社会課題の解決に役立てようとする本プロジェクトは、極めて重要なチャレンジと言えます。麹菌に関する生物学的な知見や技術、菌株資源の蓄積は、世界的にも類を見ないほど充実しており、日本独自の商品開発や展開が可能だと思います。発酵、食品関連に限らず多くの企業を巻き込んだ、新しい産業創出につながることを期待しています。

真藤舞衣子
発酵研究・料理家

発酵食を研究している料理家にとって、ニュースで萩原先生の記事を見かけた時に麹肉はまさに理想的な未来の代替肉だと思いました。しかもアップサイクル培養で作られ、環境に配慮される製品となれば期待しかありません。
実際に初めて試食した時に、旨味が口の中いっぱいに広がり感動し、さらに麹肉を調理をした時には、安心安全な食の未来は明るいと確信しました。今後この麹肉がアップデートされ、商品化の実現に向けて微力ながらも全力で応援していきたいと思います

辻 典子
十文字学園女子大学・教授

和食文化は世界で人気を誇っています。その価値をパワーアップしながら次世代に伝えていくことはとても大事で、科学者として何ができるのか、萩原先生と話し合ってきました。私は “食と免疫と腸内細菌” の研究を長年行っていますが、私たちの心身を守ってくれる免疫システムをメンテナンスする鍵は、ひとえに微生物との上手な付き合い方です。食品微生物、それも日本の国菌といわれる麹菌を代替肉に仕上げる本プロジェクトは、美味しくいただきながら免疫システムを鍛えていける、コア技術のひとつです。新しい食文化を一緒に創ってまいりましょう!

Project timeline

Date Plans
2024年10月 新会社設立、研究環境の整備
2025年1月 筑波大学との共同研究開始
2025年4月 研究開発、共同開発の本格始動
2025年7月 酒粕利用麹肉の試食会を開催
2025年10月 地域の飲食店等とのコラボ企画

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You may provide additional support in addition to the amount of your return. No sales tax will be charged on the additional support.
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Featured : お礼のメッセージ

メールでお礼のメッセージをお送りします。
このリターン実施は2024年10月を予定しています。

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12 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

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Featured : 研究報告レポートにお名前掲載

サポーターの皆さんにお届けする研究報告レポートにお名前を掲載します。
このリターン実施は2025年7月ごろを予定しています。

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9 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

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本プロジェクトに関するオンラインサイエンスカフェにご招待します。
このリターン実施は2024年10月を予定しています。

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Featured : 研究報告レポート全4回

本研究の進捗報告レポートを1年間(全4回)お届けします。

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3 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

55,000 JPY tax included
Featured : 試食会ご招待

麹菌で作る代替肉の試食会にご招待します。
試食会の開催は2025年7月ごろを予定しています。
※ 現地までの交通費等は各自ご負担ください。

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試食会ご招待 / お礼のメッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポート全4回

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9 supporters are supporting with this reward. (Limited to 20)

110,000 JPY tax included
Featured : 個別ディスカッション

本研究について個別にディスカッションする機会を設けます。具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。
このリターン実施は2024年10月以降を予定しています。

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個別ディスカッション / お礼のメッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポート全4回

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3 supporters are supporting with this reward. (Limited to 5)

550,000 JPY tax included
Featured : 出張講義

本研究に関する出張講義を行います。具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。
※ 現地までの宿泊費・交通費も含みます。
※ 出張先は、日本国内に限ります。
このリターン実施は2024年10月以降を予定しています。

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出張講義 / お礼のメッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポート全4回

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1 supporters are supporting with this reward. (Limited to 2)

Supporters will be charged the funding amount only if the project reaches the funding goal (JPY 1,000,000) before 17:00 on September 26, 2024 (JST: GMT+9).
Payment options
Credit cards, bank transfer, convenience store payment, Pay-easy and PayPal are available
Additional Support
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Securities

SSL encryption communication is used in this Web site, and the informations filled out are safely transmitted.

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