ウマは6000年ほど前からヒト社会に貢献しており、異種であるヒトと絆を築くことができる特殊な動物です。ウマと接している人々は、ウマが「ヒトの心を読む」「寄り添ってくれて癒される」「子どもや障がい者に優しい」と感じています。しかし、そのメカニズムはまだ明らかにされていません。これを解明するためには、ヒトとウマが関わる場面における科学的検証が求められます。
ヒトとウマが関わる馬介在介入(ホースセラピー、以下EAI)は、ヒトの精神・身体機能の向上をもたらすとされますが、日本ではあまり普及していません。一方、競馬産業は盛んで、日本にいるウマの大多数が現役・引退競走馬です。また、ヒト-ウマ間の軋轢(重大事故やウマの問題行動)も多く生じています。
本研究の成果をもとに、ウマの性質やヒトとウマとの関わりに対する理解が広がり深まることは、ヒトとウマが良好な関係を築くことにつながります。さらにEAIを日本社会に広めることで、不登校率や自殺率の高さ、神経発達症者への支援不足、要介護者の増加といった社会的課題の解決に貢献し、ひいてはヒトとウマとのより良い共生を実現できると考えています。
動物介在介入では、イヌの次にウマが多く用いられています。ウマはヒトに似た高い社会性に加え、騎乗できるという他の動物にはない特徴があります。そのためEAIは、ヒトの精神機能の改善(社会性の向上、恐れ・不安の減少、ストレス緩和など)をもたらし、特に乗馬は身体機能の改善(バランスの向上、筋力の強化、運動機能の改善など)にも効果的だとされます。
しかし、日本ではウマが身近ではないことやEAIの知名度が低いことから、その効果があまり知られていません。特にEAIの精神的効果に関する客観的検証は、多くないのが現状です。
そこで本研究では、EAIにおけるウマとヒトの精神状態を客観的・定量的に分析することで、EAIの効果とヒトとウマの絆形成メカニズムを誰にでもわかりやすく「見える化」することを目指します。加えてこれまでの経験や人脈を生かし、ヒトとウマが関わる現場で実際に活用できる研究を推進していきます。さらに積極的にアウトリーチ活動を実施し、多くの人々にウマの性質やEAIの効果に関する理解を広めたいと考えています。
本研究では、特に1. ウマは自分から好んでEAI活動をしているのか、2. 子どもや障がいがある者はウマと仲良くなりやすいのか、といった点に着目して、EAI場面でのヒトとウマの関わりを定量的・客観的に分析します。
具体的には、両者の心身の特徴を事前に評価したうえで、EAIの前後における両者の生理指標と行動指標の変動を比較検証します。生理指標としては、心拍数、絆ホルモンと言われるオキシトシン濃度、ストレス指標となるコルチゾール濃度、行動指標としてはヒトの表情や発話、ウマの表情やボディランゲージを分析します。
研究を遂行するには、研究場所までの渡航費、協力者への謝礼、研究用物品の購入費、ホルモンなど生理学的指標の分析費などが必要です。しかし日本でウマはあまりなじみがなく、EAIの有用性に対する認知度も低く、関連の専門分野も確立していないため、研究資金を得づらい状況です。
本研究によってヒトとウマの絆形成やEAIの効果のメカニズムが明らかになれば、ウマとヒトにとってより安全で、効果的かつ汎用性の高いEAIの普及につながります。ウマやEAIへの理解が深まれば、引退馬や在来馬を含むウマの利活用促進や飼育環境向上にもつながると考えています。つまり、ヒトとウマが共に幸せになる「共生社会」の実現に近づきます。
この挑戦を通じて、多くの方々とつながりウマやウマとヒトの関係について情報共有や意見交換ができること、とても楽しみにしております。皆様のお力添えをいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします!
ウマは素晴らしい伴侶動物です。ヒトと良好な関係を築けるウマは、競馬だけでなく、ヒト社会で幅広く活躍できる存在です。でも、ウマとヒトの絆形成について、科学的な理解はほとんど進んでいません。リングホーファー萌奈美さんとは、これまでにもウマの研究を一緒にしてきました。飼育下だけでなく、野生ウマにも詳しい世界的にユニークなウマの専門家です。ウマとヒトのよりよい共生社会を実現させる。そんな想いを応援しています。
動物の研究は、その動物を理解するだけでなく、私たち人間を理解することにも役立ちます。ウマは人間の生活と深く関わっています。人々がウマに魅力を感じる理由には、きっと意味があります。リングホーファー先生が追求するウマとヒトの相互関係や両者の絆形成に関する研究は、コミュニケーションを解明する新たな手がかりとなる可能性があります。リングホーファー先生の熱い情熱によるこの研究を心から応援しています!
動物介在介入から得られる効果は広く報告されています。しかし、その効果は一様ではありません。効果のメカニズムを解明することは、動物介在介入の理論的枠組みを強固にする上で不可欠な取り組みです。萌奈美先生は、動物行動学、比較認知科学を専門にヒトとウマの関わりに関する新たな知見を見出してこられました。今回の研究は、馬介在介入のさらなる発展に大きく寄与するものになると期待しています。
私の専門であるイヌの行動学に比べると,ウマの研究はあまり進んでいません。萌奈美先生は、日本を代表する新進気鋭のウマの研究者です。ヒトと動物の関係を科学的に検証することはけっして簡単ではありませんが、先生ならきっと、新たな知見を発見してくれるはずです。この研究が進めば、私たち人間だけでなく、ウマたちの暮らしも今よりずっとよくなることが期待できます。みんなで応援しましょう!
Date | Plans |
---|---|
2024年8月~ | 実験を進めてデータ収集 |
2024年11月 | 国内学会で発表 |
2025年 | 国内学会や講習会で発表、さらなるデータ収集 |
2025年9月~ | 論文執筆開始 |
メールでお礼のメッセージをお送りします。
このリターンの実施は2024年夏ごろを予定しています。
お礼のメッセージ
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研究中に撮影したウマの写真の画像データ5枚、プロジェクトの研究報告レポートをお届けします。 ※写真はイメージです。
このリターンの実施は2025年春ごろを予定しています。
オリジナルのウマ画像と研究レポート / お礼のメッセージ
17 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
本プロジェクトの1年の成果に関する10分程度動画をお送りいたします。
このリターンの実施は2025年春ごろを予定しています。
研究紹介動画の閲覧 / お礼のメッセージ / オリジナルのウマ画像と研究レポート
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オンライン講習会にご参加していただけます。内容は、1年の研究成果にかんする報告と質疑応答、さらに実際にEAIに取り組んでいる、帝京科学大学の馬介在活動センターのウマたちとのオンライン対面などを予定しています。
*講習会開催日にご都合がつかない場合は、ご参加いただけない場合がございます。またウマの体調により、対面できる頭数に変動がある場合がございます。
このリターンの実施は2025年春ごろを予定しています。
オンラインでの講習会&セラピーホースとの対面にご招待 / お礼のメッセージ / オリジナルのウマ画像と研究レポート / 研究紹介動画の閲覧
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今回の研究が論文化した際に、謝辞を掲載いたします。
このリターンの実施は2026年ごろを予定しています。
論文謝辞にお名前掲載 / お礼のメッセージ / オリジナルのウマ画像と研究レポート / オンラインでの講習会&セラピーホースとの対面にご招待 / 研究紹介動画の閲覧
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帝京科学大学の馬介在活動センターにおけるEAIツアーに個別でご案内、さらに挑戦者とディスカッションする機会を設けます。具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。
*最寄り駅までの渡航費や滞在費は、ご自身でご負担願います。
このリターンの実施は2025年夏〜秋を予定しています。
個別の馬介在活動体験ツアー / お礼のメッセージ / オリジナルのウマ画像と研究レポート / オンラインでの講習会&セラピーホースとの対面にご招待 / 論文謝辞にお名前掲載 / 研究紹介動画の閲覧
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帝京科学大学の馬介在活動センターにて個別に馬介在コーチングプログラムを実施します。1回のプログラムにご参加いただける人数は15名ほどを想定しています。具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。
*最寄り駅までの渡航費や滞在費は、各自でご負担願います。
このリターンの実施は2025年夏〜秋を予定しています。
お礼のメッセージ / オリジナルのウマ画像と研究レポート / オンラインでの講習会&セラピーホースとの対面にご招待 / 論文謝辞にお名前掲載 / 研究紹介動画の閲覧 / 【法人・団体向け】馬介在コーチングプログラム
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