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宇宙太陽光発電の実現に向け膜構造の宇宙利用を加速させる!

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Momoko Fukunaga / Hiroyuki Ono
株式会社cosmobloom、Co Founder
Pledged: 492,500 JPY
Target Amount: 2,000,000 JPY
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Profile

Momoko Fukunaga / Hiroyuki Ono

福永桃子
私は、大学1年次から6年間、人工衛星の開発や展開構造物と呼ばれる宇宙構造物の研究に取り組んできました。研究の中で扱ってきた構造物は、軽量かつ柔軟なもので、将来必要とされる大きな宇宙構造物実現のためには必要不可欠な技術です。この分野の研究は世界的に見ても日本がリードしており、とても貴重なテーマなのだと学生ながらに感じてきました。卒業が近づくにつれ、学生の入れ替わりやそれによるロストテクノロジーという大学研究室特有の文化を痛感し、どうにか貴重な研究を残して社会実装していきたいと立ち上げたのが株式会社cosmobloomです。本プロジェクトをきっかけに、宇宙構造物というものが皆さんの身近なところにあることを知っていただきつつ、未だ実現していない次世代の技術へのお力添えをいただけますと幸いです。


小野弘幸
私は学生時代に膜やケーブルといった極めて柔軟な材料を用いた構造物のダイナミクスについて研究していました。この分野の面白いところは、宇宙空間では外乱がほとんど存在しないため、食品ラップのような膜でも構造として利用できるところだと考えています。このような膜構造は将来の大型宇宙構造物の構成材料として古くから期待されており、近年、世界でも再注目されています。現在は、株式会社cosmobloomの一員として宇宙柔軟構造を用いた超小型人工衛星向けのデバイスの開発から始まり、将来の宇宙太陽光発電の実現に向けて取り組んでいます。今回の研究を通して、膜構造の利用に向けた基礎技術を確立し、膜構造のさらなる宇宙利用につなげていきたいと考えています。

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

私たちは、膜構造の宇宙利用を加速させ、将来の宇宙太陽光発電を実現したいと考えています。

膜構造の最もシンプルな利用方法は、単純に膜面を広げることです。実は、地球低軌道(LEO)では微小な大気抵抗が存在しており、膜面を広げることでより大きな抵抗を受けることができます。この現象を利用することで、ミッションが終了した人工衛星の迅速な軌道離脱が可能になります。このような装置はde-orbit(デオービット)装置と呼ばれ、宇宙環境保全への解決策として期待されています。私たちはこのde-orbit装置を通じて宇宙環境保全という課題に取り組みつつ、膜構造の活用機会を増やしたいと考えています。

そして、その先にある膜構造活用の究極ともいえるのが、宇宙太陽光発電(Space Based Solar Power)です。SBSPは宇宙空間に数km級の巨大な構造物を構築し、原子力発電所1基分に相当する1GW級の発電を行うことを想定しています。宇宙からの発電が実現できれば、石油や石炭などのエネルギー価格高騰の影響や従来の太陽光発電のような天候による供給量の増減にとらわれない、安定した電源供給が可能になります。また、1GW級の電源を安定的に供給できるため、地上の原理良く発電に置き換わるベースロード電源として期待できます。

また、宇宙からの電力送電には、マイクロ波による無線送電とレーザーによる伝送が検討されています。現時点では、両者ともに巨大な受信設備を要しますが、技術の発展とともに電力の需給方法に革新が起こることも考えられます。あくまで「もしかしたら」の話ですが、皆さんのスマートフォンやパソコンの充電器が不要となる世界が実現するかもしれません。

どのようなアプローチで実現しようとしていますか?

これまでの取組では、膜構造の中でも自己展開膜面トラス構造という構造に注目し、軽量で収納性が高いながらも、なるべく剛性の高い平面や立体構造を構築する研究を行ってきました。de-orbit装置の実現はこれまでの取組で実現可能と考えていますが、SBSPの実現には構造だけでなく様々な技術課題を克服する必要があります。SBSPには高い平面精度を保ちつつ、太陽光発電を行い、アンテナから電力伝送を行うことが求められます。SBSP自体が非常に大規模で複雑なシステムであるため、これらの実現には以下の3つのアプローチが必要だと考えています。

第一のアプローチは小型モデルを用いた各要素技術の開発です。SBSPは片面アンテナ、片面太陽電池の平面構造となるのですが、膜構造を用いて、アンテナや発電といった機能を実現できるのかを検証する必要があります。

第二のアプローチは大型化です。小型モデルを用いて、膜構造にアンテナ等の機能を実現できることを確認した後は、その構造を大型化することが必要です。構想されているSBSPは数km級の平面構造であるため、どのように膜構造を展開するかなど、シミュレーション等を用いて検証する必要があります。

第三のアプローチは産学官の連携です。SBSPの実現をある1つの組織で完結することは現実的にほぼ不可能であり、多くの方との協力が不可欠です。国内にとどまらず世界規模で産学官の連携を強化しSBSP実現に向けて取り組んでいく必要があります。

今回のプロジェクトで行う研究テーマはなんですか?

今回のプロジェクトでは、「宇宙太陽光発電の実現に向け膜構造の宇宙利用を加速させる!」と題した初めの一歩として、第一のアプローチである小型モデルを用いた要素技術の開発を行いたいと考えています。

私たちはこれまで、膜面構造の機械的な機能に関する研究を行ってきており、電気的な機能を持たせるための研究は行えておりませんでした。SBSPは膜構造にその電気的な機能を持たせることで初めて実現することが可能な構造物システムです。

まずは、16UサイズのCubeSatに搭載可能な膜面アンテナの開発を行うことで、膜面にアンテナの機能を持たせる技術および、発電機能を持たせる技術を確立したいと考えています。

16U CubeSatに搭載可能な膜面アンテナを実現することができれば、SBSPにつながるのはもちろんのこと、超小型人工衛星による衛星通信コンステレーションにも応用可能なアンテナを提供することが可能になります。

Why we need your support

今回のacademistへの挑戦を通じて、私たちの事業活動を多くの方々に知っていただき、ご支援とご関心を頂きたいと思っています。私たちの柔軟構造の技術が将来の大型宇宙構造物の実現に少しでも寄与できたらうれしく思っています。

皆様からの支援金は膜面アンテナを構成する機械部品の試作および試験にかかる費用に充てたいと考えております。本研究の成果を「宇宙実証の成功」という形で皆様にご報告することができたら幸いです。

宇宙開発という概念は、すでに「夢」から「産業」に変化しており、多くの国々が次の覇権を獲得するために莫大な資金を投入しています。私たちは日本が国際競争で出遅れないためにも全力で取り組んで参りますので、どうかご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

Recommender's comment

宮崎 康行
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 教授

SBSPが実現すれば、人類は脱炭素社会に向けて大きく前進できます。一方、昨今、超小型衛星を用いた宇宙ビジネスが急速に発展する中で、超小型でも大電力・大容量通信が求められています。このプロジェクトは、そういった直近の要請に応え、かつ、将来のSBSP実現にも直結するものです。挑戦者であれば、自身の解析・設計技術を駆使してプロジェクトを成功させ、その先の未来を切り拓いてくれるものと大いに期待しています。

青木 義男
日本大学特任教授 日本大学第一中学高等学校校長

現在の持続可能な宇宙開発において、スペースデブリ対策は最重要課題です。衛星の小型化と所定のミッション終了後、速やかに軌道離脱が可能なシステムの搭載が必須機能となります。また、地球モニタリング用合成開口レーダの受信アンテナなど、大型宇宙アンテナの構築には幕面やテザーの展開構造は重要な技術です。コスモブルームはこれらの技術開発に豊富なノウハウを有し、新たな宇宙開発に貢献できる企業と確信しております。

伊東 明彦
大田区南六郷創業支援施設 六郷BASE インキュベーションマネージャー

宇宙空間で柔軟構造物を扱うための解析、設計、開発に関わる技術は、宇宙開発を進めていく上で必須な技術であり、今後、更に求められることが想像されます。コスモブルームさんは、大学研究室の卒業生を中心に起業された企業であり、大学で蓄積された技術を社会に普及・還元していくために起業しました。彼らが、苦悩し、また挑戦し続けている姿を見ており、日々成長していく姿を見ています。きっと、社会に大きな貢献をしてくれるでしょう。

森 治
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 教授

昨今の宇宙開発は急速に発展しており、中でも超小型・小型衛星の利用が盛んになってきました。挑戦者の技術は小さく収納された構造物を大きく広げることを特長とし、超小型・小型衛星に適用することでこれらを高機能化・多機能化することが期待できます。プロジェクトを通して、今後必要不可欠となる展開構造物の実証・技術確立していくことで、SBSPの実現に向けて技術をつないでいけると信じております。

Project timeline

Date Plans
2024年4月 デオービット装置の開発および膜面アンテナの要素技術開発
2026年3月 膜面アンテナの概念モデル(BBM)開発
2026年4月 膜面アンテナの試験モデル(EM)開発
2026年10月 膜面アンテナのフライトモデル(FM)開発
2027年4月 膜面アンテナの宇宙実証
2028年4月 膜面アンテナの大型化およびSBSPの研究開発を開始
2030年以降 SBSPの実証実験を実施
2050年代 SBSPの実用化

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You may provide additional support in addition to the amount of your return. No sales tax will be charged on the additional support.
5,500 JPY tax included
Featured : 研究報告レポートにお名前掲載

academist Journalに寄稿する研究報告レポートにお名前を掲載します。
このリターン実施は○年○月を予定しています。

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研究報告レポートにお名前掲載

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25 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

11,000 JPY tax included
Featured : オンラインサイエンスカフェ

本プロジェクトに関するオンラインサイエンスカフェにご招待します。
このリターン実施は2024年7月を予定しています。

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オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポートにお名前掲載

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11 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

33,000 JPY tax included
Featured : 論文謝辞にお名前掲載

今回の研究が論文化した際に、謝辞にお名前を掲載いたします。
このリターン実施は2026年11月を予定しています。

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論文謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ

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5 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

55,000 JPY tax included
Featured : 会社HPにお名前掲載

会社HPに専用ページを設け、お名前を掲載します。
このリターン実施は2024年7月を予定しています。

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1 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

77,000 JPY tax included
Featured : 出張講義およびミニ展開構造の組立ワークショップ

出張講義と私たちが検討してきた展開構造物の小型モデルを組み立てるワークショップを実施します。

このリターン実施は2024年8月を予定しています。

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出張講義およびミニ展開構造の組立ワークショップ / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / 会社HPにお名前掲載 / 論文謝辞にお名前掲載

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77,000 JPY tax included
Featured : 実証予定のデオービット装置膜面にお名前掲載(小)※限定20名

デオービット装置の膜面にお名前を掲載した際のお写真をお送りいたします。

【内容】
1×5cmサイズでお名前を掲載いたします。
実証前の地上での写真および実証時の写真をデータでお送りいたします。

【実施時期】
リターンの実施時期は2025年度を予定しております。
※実証機会の都合で前後する場合がありますのであらかじめご了承ください。

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実証予定のデオービット装置膜面にお名前掲載(小)※限定15名 / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / 会社HPにお名前掲載 / 論文謝辞にお名前掲載

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110,000 JPY tax included
Featured : 個別ディスカッション

本研究について個別にディスカッションする機会を設けます。具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。
このリターン実施は2024年10月を予定しています。

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個別ディスカッション / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / 会社HPにお名前掲載 / 出張講義およびミニ展開構造の組立ワークショップ / 論文謝辞にお名前掲載

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110,000 JPY tax included
Featured : 実証予定のデオービット装置膜面にお名前掲載(中)※限定10名

デオービット装置の膜面にお名前を掲載した際のお写真をお送りいたします。

【内容】
1.5×7.5cmサイズでお名前を掲載いたします。
実証前の地上での写真および実証時の写真をデータでお送りいたします。

【実施時期】
リターンの実施時期は2025年度を予定しております。
※実証機会の都合で前後する場合がありますのであらかじめご了承ください。

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実証予定のデオービット装置膜面にお名前掲載(中)※限定5名 / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / 会社HPにお名前掲載 / 論文謝辞にお名前掲載

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220,000 JPY tax included
Featured : 実証予定のデオービット装置膜面にお名前掲載(大)※限定5名

デオービット装置の膜面にお名前を掲載した際のお写真をお送りいたします。

【内容】
2×10cmサイズでお名前を掲載いたします。
実証前の地上での写真および実証時の写真をデータでお送りいたします。

【実施時期】
リターンの実施時期は2025年度を予定しております。
※実証機会の都合で前後する場合がありますのであらかじめご了承ください。

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実証予定のデオービット装置膜面にお名前掲載(大)※限定3名 / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ / 会社HPにお名前掲載 / 個別ディスカッション / 出張講義およびミニ展開構造の組立ワークショップ / 論文謝辞にお名前掲載

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Supporters will be charged the funding amount only if the project reaches the funding goal (JPY 2,000,000) before 17:00 on May 23, 2024 (JST: GMT+9).
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Credit cards (VISA, Mastercard), bank transfer, convenience store payment, Pay-easy and PayPal are available
Additional Support
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Securities

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論文謝辞にお名前掲載 and others

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55,000 JPY(tax included)

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出張講義およびミニ展開構造の組立ワークショップ and others

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実証予定のデオービット装置膜面にお名前掲載(小)※限定20名 and others

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110,000 JPY(tax included)

個別ディスカッション and others

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実証予定のデオービット装置膜面にお名前掲載(中)※限定10名 and others

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220,000 JPY(tax included)

実証予定のデオービット装置膜面にお名前掲載(大)※限定5名 and others

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