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渡邊 孝明
Pledged: 1,021,000 JPY
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渡邊 孝明

放課後等デイサービスに通う自閉症、ADHD、学習障害等を抱える子供たちの話を伺う機会に恵まれました。周囲に思いが理解してもらえず日々苦悩している子、懸命に症状に抗いながら努力を続ける子等、多様な個性のあり方から学ぶ中で、ゲノムを安全に維持する仕組みに取り組む自身の研究を、これらの症状を少しでも軽減し希望を増やすことに役立てたいと考えました。これまで京都大学、中外製薬、基礎生物学研究所、米国Cleveland ClinicやCedars-Sinai医学センターを経て現職に就き、生命科学を様々な視点から眺めてきました。この研究には医学部生も参加しており、若い力にも受け継がれることを期待しています。

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

自閉症スペクトラム、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害、統合失調症、双極性障害等の大きな要因となる22番染色体の部分欠損に対して、全く新しいアプローチで症状の軽減を図り、生きにくさを抱える多くの人々やご家族の暮らしに希望を増やすことです。

現代では多くの方が様々な神経精神症状と向き合われており、人口1000人に対して、自閉症スペクトラムは約10人、ADHDは約50人、学習障害は約200人、統合失調症や双極性障害は約7人にみられます。22q11.2欠失症候群(指定難病203)は、生涯を通じてこれらの症状を示す可能性が著しく高まる疾患です。私達の細胞の遺伝情報は23組の染色体に分かれて存在しており、両親から1セットずつ、計46本の染色体を受け継いでいます。22q11.2欠失症候群では片方の22番染色体の一部が失われており(欠失)、染色体欠失を伴う疾患では最も頻度が高く2000-6000人に1人の割合で認められ、先天性心疾患等と共に頻繁にみられる神経精神症状に多くの方が悩まれています。また症状の程度は幅広く、軽度の症状を抱える方が、実は染色体欠失を伴う潜在的な可能性も考えられます。

どのようなアプローチで実現しようとしていますか?

欠失した22番染色体の領域には30以上の遺伝子が存在し、このうち様々な遺伝子の発現をコントロールするマイクロRNAという分子の合成を担うDGCR8タンパク質が注目されてきました。しかしマイクロRNA合成に関わる他の遺伝子の異常が精神症状を示す例はほぼ無いことから、マイクロRNA合成以外のDGCR8機能が影響する可能性があると私たちは考えました。

私たちはDGCR8が傷ついたDNAを修復する働きをもつことを見出し、さらに遺伝子の情報を書き出し利用する転写という細胞機能の異常で生じるR-loopという障害物や、DNAを傷つける酸化ストレスという状況の解消にも関わることを明らかにしつつあります。実は、脳の神経細胞や主にそれを保護するグリア細胞は、異常が生じても迅速に新たな細胞増殖により補充することが難しく、DNAを修復し障害物を取り除くシステムが極めて重要であると考えられています。そこで私たちは、ゲノムDNAを安全に保つ新たなDGCR8機能が損なわれることが22q11.2染色体欠失を伴う神経精神症状の大きな要因ではないかと考え、この機能を補うことで神経精神症状を軽減することを目指しています。

今回のプロジェクトで行う研究テーマはなんですか?

3つの内容を計画しています。一つ目は、あらゆる細胞への分化能力で注目されるiPS細胞を利用します。細胞バンクより22q11.2欠失症候群の患者さん由来のiPS細胞を入手して神経系細胞に分化させ、神経機能に悪影響を与える酸化ストレスやR-loopの生成を調べます。

二つ目は、神経細胞を取り巻くグリア細胞の一つであるミクログリアに着目します。脳などでの免疫系を担当するこの細胞は、神経を保護する一方で、時に炎症応答に関わり障害を受けた神経細胞を食べてしまいます。これの性質が様々な病態にどう関わるのか多くの謎が残されており、DGCR8作用が低下したミクログリアが神経細胞にどのように働きかけるのかを観察します。

三つ目は、正常DGCR8の代わりにDGCR8変異体を産生するマウスの解析です。このマウスを用いて、酸化ストレスやR-loopが生体内で蓄積するか、神経細胞やミクログリアを含むグリア細胞の数や形態が変化するかを調べます。将来的には、これらを足がかりに、マウスの認知・学習機能に影響が見られるか、DGCR8の発現量や作用を高めると改善されるかを検討し、臨床的アプローチに挑戦したいと考えています。

Why we need your support

多くの方が向き合われている神経精神症状の背景に、普段聞き慣れない22q11.2欠失症候群が関わる可能性があること、それに対する新しい取り組みがスタートしていることを、症状に悩まれている方々やご家族の皆様に是非知って頂きたく挑戦しました。また自閉症スペクトラム、ADHD、学習障害、統合失調症、双極性障害等が正しく社会に理解されるきっかけとなることも願っています。

就学年齢の方が学校生活を少しでも楽に、日々の努力を実りあるものに感じられるように、ご家族様が成長後の我が子の生活に抱く不安を少しでも軽減できるように。成人の方が社会・家庭生活を少しでも穏やかに過ごせるように。日々ご尽力されている医療・教育・福祉等関係者の方々の一助となるように。症状に向き合う姿に勇気をもらい励まされる人の輪が広がるように、願いを込めて研究に取り組みます。

支援頂いた資金は、iPS細胞等の購入や培養、マウスでの解析、成果発表等の費用に充てる予定です。

将来的に、マウスでの認知・学習機能の改善効果を検討し、臨床的アプローチに挑戦したいと考えています。ご支援と情報共有のほど、どうぞよろしくお願い致します。

About donation receipt

ご寄附いただいた皆様へ、確定申告により税制上の優遇措置が適用される領収書を東海大学より発行致します。

なお、領収書の日付は、お申込み受付日やカード決済口座からの振替日ではなく、アカデミスト株式会社より東海大学に入金された日付となります。

【法人・団体様からのご寄附】
・全額損金算入が可能です。(法人税法第37条第3項第2号)

【個人様からのご寄附】
・所得税…寄附金額(総所得金額の40%を上限とする)から2,000円を差し引いた額を、当該年の課税所得から控除することができます。
・個人住民税…東海大学を寄付金控除の対象法人として条例で指定している都道府県・市区町村にお住いの方は、個人住民税の控除を受けることができます。

Recommender's comment

谷口 俊恭
東海大学 医学部医学科 基礎医学系 分子生命科学・教授

日本では約4,500人もの方が22q11.2欠失症候群という病気で悩んでいます。染色体の一部が欠けているのが原因ですので、そこに手がかりがあるはずです。渡邊先生はその欠けた部分にあるDGCR8という遺伝子の新しい働きをたくさん見つけてきました。それを詳しく調べることでこの病気の治療法の開発につなげたい、と日夜、研究に励んでおられます。私もこのプロジェクトの研究成果に大いに期待しています。

木村 穣
東海大学 医学部・客員教授

遺伝子導入マウス作成について本邦の草分けとして、その後も遺伝子操作マウスを通じて遺伝子機能の個体レベルでの解析やヒト疾患のモデルマウス開発に取り組んできた私ですが、渡邊先生とは東海大学に来られる前から企業や海外でのプロジェクトリーダーとしての実力を先輩の研究者の方々から伺っておりました。DNA複製やDNA修復に関しての第一人者として緻密な研究を続けてきた彼ですが、治療困難なこの疾患に対してのアプローチ法を必ず樹立してくれると信じています。みんなで応援しましょう。

清水 宗茂
東海大学 海洋学部水産学科 准教授

22q11.2欠失症候群は、染色体の微細欠失が原因とされ、心疾患だけでなく、知的障害やADHD等も併存する指定難病に該当します。渡邊先生は、染色体の欠失領域に含まれるDGCR8がDNAの修復や酸化ストレスへの制御にも影響を及ぼすことを、世界に先駆けて明らかにされています。本研究を推進することで、新たな治療法が開発され、関係するみなさまのQOL向上に繋がることを期待しています。

三浦 浩美
東海大学 医学部医学科 基礎医学系 分子生命科学・助教

22q11.2欠失症候群における神経疾患に着目し、DGCR8による酸化ストレス制御の影響を明らかにすることで、独自の視点からその原因解明を目指しておられます。併存しうるADHDやうつなどの様々な神経精神症状は、重度から軽度に至るものの生涯を通じてその人自身や周りのご家族をも長く苦しめるものでもあります。渡邊先生の「どうにかしたい!」という熱い思いで、新たな知見が見出されることを期待しております。

Project timeline

Date Plans
2024年4月 実験を進めてデータ取得。
2025年12月 論文執筆を開始し、一部成果を国内学会で発表。
2026年1月 実験計画の修正を行い、追加実験を計画・実行。
2026年12月 論文投稿を開始し、成果を国内学会で発表。
2027年 産学連携等を通して新たな症状改善アプローチとしての可能性を検討。

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1,000 JPY
Featured : 22q11.2欠失症候群に関する研究動向レポート

22q11.2欠失症候群に関する国内外の研究動向をまとめたレポートをメール等で送付します。
このリターン実施は2024年5月を予定しています。(無断での配布、転載はご遠慮ください。)

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22q11.2欠失症候群に関する研究動向レポート / 寄付金領収書

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22q11.2欠失症候群に関する研究動向レポート May, 2024

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Featured : 22q11.2欠失症候群に関する研究動向レポート(複数回)

22q11.2欠失症候群に関する国内外の研究動向をまとめたレポートを2024, 2026, 2028年にメール等で送付します。(無断での配布、転載はご遠慮ください。)

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22q11.2欠失症候群に関する研究動向レポート(複数回) May, 2026
22q11.2欠失症候群に関する研究動向レポート May, 2024

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10,000 JPY
Featured : 実験操作の紹介動画

実際の研究現場に関心のある方、研究という仕事に興味のある方などを念頭において、実験操作の紹介動画を一定期間、共有します。(無断での配布、転載はご遠慮ください。)

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実験操作の紹介動画 June, 2024
22q11.2欠失症候群に関する研究動向レポート May, 2024
22q11.2欠失症候群に関する研究動向レポート(複数回) May, 2026

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50,000 JPY
Featured : オンラインミーティング

研究の進捗報告とディスカッションを行います。具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。
このリターン実施は2025年以降を予定しています。

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22q11.2欠失症候群に関する研究動向レポート May, 2024
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実験操作の紹介動画 June, 2024

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200,000 JPY
Featured : 出張講義

本研究に関する出張講義を行います。具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。
※宿泊費・交通費は別途いただきます。
このリターン実施は2025年以降を予定しています。

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22q11.2欠失症候群に関する研究動向レポート May, 2024
22q11.2欠失症候群に関する研究動向レポート(複数回) May, 2026
実験操作の紹介動画 June, 2024

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Supporters will be charged the funding amount only if the project reaches the funding goal (JPY 1,000,000) before 17:00 on April 25, 2024 (JST: GMT+9).
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