皆様のご支援のおかげで、本日、目標金額に達成する事ができました。
本当にありがとうございます。現時点で、まだ ARICA のデータの送受信
に成功できていないという状況の中で、ご支援頂いた事に対して、大きな
責任を感じております。皆様からの思いが詰まったご支援ですので、次の
衛星開発につながっていく研究開発に利用させていただければと考えてお
ります。今後も、ARICA の運用は続けながらも、具体的な支援金の使い方
については、ARICA チーム内で十分に議論をし、皆様にご報告いたします。
ARICA の進捗についても、引き続き、academist から報告させていただきます。
ご支援、本当にありがとうございました。
突発天体現象のひとつである「ガンマ線バースト」は、宇宙で瞬間的に明るく輝く天体現象です。空のどこかで1日1回程度起こっており、わずか数十秒の間に銀河系のすべての星が放つエネルギーのおよそ1年分が放出されます。その起源は、太陽の質量の10倍を超える星が崩壊しブラックホールが誕生した瞬間や、重力波を伴う中性子星同士が合体したときに発生するという説が有力です。また、ガンマ線バーストは数十億光年以上離れた宇宙遠方で起こっており、ガンマ線バーストからの光を光源として利用し、宇宙の進化を研究するということも精力的に行われています。しかし、その正体の多くはいまだ解明されていません。
天体からのガンマ線の観測は大気が邪魔をするため大気圏外で行う必要があり、人工衛星に観測装置を搭載して行います。ガンマ線バーストなどの突発天体の研究において重要なことは、衛星が発見した情報を即座に世界中の観測者に知らせ、さまざまな望遠鏡でさらなる詳細な観測につなげていくことです。これらの詳細観測によって初めて、突発天体の正体に迫ることができます。
しかし、地球を周回する人工衛星は地球を約90分で1周するため、いつ、どこで起こるかわからないガンマ線バーストを衛星上の観測装置で発見しても、通常の地上局では即座にその情報を受信することは難しく、世界中の研究者にすぐに伝えることができません。
私たちは、衛星上でガンマ線バーストを発見したという情報を、地上ではなく、さらに上空を飛んでいる民間の通信衛星へ送ることで、即座に速報を地上で受け取ることが可能になるのではないかと考えました。この新しい速報システムを衛星上で実証するため、「 ARICA(AGU Remote Innovative Cubesat Alert system)」の開発を3年前にスタートしました。ARICA衛星の命名、設計、開発、さまざまな地上試験、衛星から送られてくるデータを可視化するためのプログラム開発、Twitterを用いた広報活動まで、青山学院大学の学生が主導して行っています。
ARICAは大きさが10cm角、重さが1kgの衛星で、「キューブサット」と呼ばれます。キューブサットは超小型であるため、開発期間を数年、予算も一般的な衛星に比べるとはるかに低く抑えることができ、大学の一研究室での開発が可能です。ARICAはこの小さなキューブの中に、現在利用可能な民間衛星通信であるイリジウム衛星とグローバルスター衛星の小型通信端末、バッテリー、太陽電池パネル、そして速報するデータの一部となるガンマ線検出器を搭載しています。この検出器は、榎戸輝揚氏がacademistで実施したプロジェクト「カミナリ雲からの謎のガンマ線ビームを追え!」で開発したガンマ線検出器の信号処理をする基板をほぼそのまま組み込んでいます。
このARICAは宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「革新的衛星技術実証2号機」の実証テーマのひとつに選定され、2021年10月1日にイプシロンロケットによって打ち上げられる予定です。
2021年10月1日 12:00 追記:本日のイプシロンロケット5号機の打ち上げは、地上設備の問題により中止となりました。打ち上げの日程につきましては、後日あらためて追記いたします。
2021年10月4日 19:00 追記:イプシロンロケット5号機の打ち上げ日が、2021年10月7日と告知されました。
2021年10月7日 12:30 追記:本日のイプシロンロケット5号機の打ち上げは、上空の風が強いため中止となりました。打ち上げの日程につきましては、後日あらためて追記いたします。
2021年10月28日 17:00 追記:イプシロンロケット5号機の打ち上げ日が、2021年11月7日と告知されました。
2021年11月8日 12:00 追記:11月7日天候不良のため、イプシロンロケット5号機の打ち上げ日は、2021年11月9日と告知されました。
ARICAはまず、半年の運用を目指しています。普段は衛星の健康状態を知らせるデータを定期的に地上へ送り、突発的なガンマ線の信号を検知すると速報が約1分間継続して衛星から送信されるという運用を行います。また、どれだけ迅速に地上から衛星への命令(コマンド)を送信できるかについても調査します。これらの取得および送信したデータをもとに、突発天体速報システムとしての実用性を検証します。
ARICAで実証しようとしている民間衛星通信を利用した突発天体の速報システムは、金沢大学のグループが中心となり2017年にJAXAの公募型小型ミッションとして提案し、現在候補のひとつとして選定されている日本独自のガンマ線バースト探査衛星「HiZ-GUNDAM」で使用することが検討されています。さらに、私の研究室ではARICAに続く次号機の開発を進めており、その衛星においてもARICAで実証する民間衛星端末を搭載することを考えています。このように、今回の実証実験は将来の衛星での利用への道を開く非常に重要な位置づけとなっています。
ARICA衛星の開発は科研費および大学の研究費でなんとか行いましたが、打ち上げ後の運用にかかる経費が足りていないのが現状です。民間衛星通信を利用してデータの送受信を行うため、現在の計画では半年の運用で約150万円の通信料金が発生します。今回いただいた支援金は、ARICAの運用経費に使用させていただきたいと考えています。また、考えたくはないのですが、打ち上げの失敗や衛星の不具合などで衛星からのデータが受信できない状況に陥った場合、いただいた支援金はARICAに続く次号機の衛星開発資金として利用させていただければと思います。
私たちの衛星開発はまだ始まったばかりです。今回のクラウドファンディングをきっかけに応援していただける方々とのつながりを持ち、今後10年で日本独自のガンマ線バースト探査衛星を実現することを目標に、開発を進めていきたいと思っています。さらに、現在も共同で研究を進めているアメリカやヨーロッパの国々、中国、台湾、韓国をはじめとした世界中の研究者と連携し、ガンマ線バーストの正体解明を目指していきます。皆様からのご支援が、将来への宇宙科学の探求へとつながっていきます。ご支援のほどよろしくお願いいたします。
時期 | 計画 |
---|---|
2021年10月1日 | ARICA打ち上げ (予定) |
2021年10月-2022年4月 | ARICA運用期間 |
2021年11月 | 第65回宇宙科学技術連合講演会にてARICAの口頭発表 |
2022年5月-8月 | 論文執筆 |
2022年5月以降 | 運用資金の獲得ができれば、延長してARICA運用を続ける |
マスコットキャラクター「ARICA」による解説がついた、わかりやすい研究成果のレポートを送付いたします。
研究報告レポート
47人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
研究報告レポートの中にお名前を掲載いたします(匿名、イニシャル、愛称での掲載も可能です)。
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53人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
今回の研究やガンマ線バースト研究の最前線に関するミーティングの参加権です。ガンマ線バーストについての一般向けの講演を配信し、皆さまと気軽にお話しできる場を持てればと思います。衛星を一から作り、打ち上げるまでの苦労などについてもお話しいたします。
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40人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
今回の研究の結果をまとめる英語原著論文の謝辞にお名前を掲載いたします。
論文謝辞にお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ参加権 / 研究報告レポートにお名前掲載 / 研究報告レポート
15人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
ガンマ線バーストや今回の研究成果についての一般向けの講座をオンラインで開催します。数回に分けて、ガンマ線バースト発見の歴史から、最新の研究成果、そしてキューブサットの作り方までお話できればと考えています。質問ができる時間も多く設けますので、お気軽にご質問ください。
オンライン講座受講権 / 論文謝辞にお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ参加権 / 研究報告レポートにお名前掲載 / 研究報告レポート
5人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
青山学院大学物理科学科の坂本研究室ホームページ内のARICAのページに、お名前を掲載いたします。
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3人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
1対1での個別ディスカッションにご招待いたします。また、坂本研究室にもご招待いたします。ARICAの開発が行われた実験室やガンマ線バーストの追観測などに使用されている小型ロボット望遠鏡「AROMA-N」の見学などができます。
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