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レーザーで空気中のウイルスを検出できるか?

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NEXT GOAL
挑戦中
コーガ ジェームズ
量子科学技術研究開発機構、専門業務員
支援総額: 658,029 円
目標金額: 500,000 円
達成率
131 %
サポーター
44
残り時間
10
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academist スタッフからの一言
新型コロナウイルスを例にディープラーニングを活用して検証

アカデミスト下城

空気中のウイルスを迅速に検出することは、ウイルスによる感染症の予防のために重要だと考えられていますが、有効な検出手法はいまだ確立されていません。コーガさんは、高出力レーザーによってさまざまな物質の組成分析が可能な「レーザー誘起破壊分光法(LIBS)」が、空気中のウイルス検出として活用できるのではないかと考えました。これまでに、LIBSによって液体中のウイルスを検出できることが明らかになっていますが、空気中のウイルスが検出できるかはわかっていません。そこで今回、LIBSによって空気中のウイルス検出が可能かどうか、新型コロナウイルスを例にディープラーニングを活用した数値シミュレーションによって検証します。

なぜ空気中でのウイルス検出が重要なのか?

ウイルスは、現在世界中で流行している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をはじめ、インフルエンザ、麻疹、風疹などのさまざまな感染症を引き起こす病原体として知られ、過去から現在にわたって多くの人々を苦しめてきました。新型コロナウイルスなどの一部のウイルスは、感染者の咳やくしゃみ、会話、歌などから生じる飛沫やエアロゾルを介して感染することが知られています。空気中にウイルスが多く存在すると感染が起きる可能性が高くなるため、多くの人が行きかう空港、駅、イベント会場などでは、ウイルスを迅速に検出することが感染の予防と拡大を防止するうえで重要です。

ウイルスを検知する方法として、人の発熱を調べる熱スキャナーがありますが、発熱していない人がウイルスを排出することもあるため、この方法では確実に感染した人を見つけ出すことはできません。空気中のウイルスを直接検出する方法としては、空気フィルターなどでサンプルを採取し、PCRなどで分析する方法がありますが、検出には時間がかかります。また、リアルタイムに空気中のウイルスを検出できる方法としてバイオセンサーが開発されていますが、広い空間で使うためには多くのセンサーが必要になるという課題があります。

LIBSでの空気中ウイルス検出の可能性を新型コロナウイルスで検証

私は空気中のウイルスを迅速に検出する手法として、「レーザー誘起破壊分光法(Laser Induced Breakdown Spectroscopy: LIBS)」に着目しました。LIBSは空気中の物質をはじめ、さまざまな物質の元素組成を迅速に分析できる手法です。また、LIBSに用いられる超高出力テラワットレーザーは、一定の距離(最大数100m)の空間でプラズマを発生させることができるため、広い空間での検出が可能です。

LIBSは、まず高出力レーザーを物質に当てて物質を原子レベルにばらばらにします。ばらばらになった原子はイオン化する過程でプラズマを生成し、このプラズマはイオン化した原子に特徴的な光を発します。その光を分光器で波長成分ごとに分離して得られるスペクトルから、物質の元素組成を決定することができます。

これまでに、LIBSによって得られたスペクトルのパターンから液体に含まれるウイルスを識別できることが明らかになっています。しかし、空気中の飛沫に含まれたり、同じ液体中でも、空気に漂うことができるくらい極々少量で小さな液滴中のウイルスをLIBSによって検出できるかどうかはわかりません。

今回のプロジェクトの目的は、LIBSによって空気中のウイルスの検出が可能かどうか、ディープラーニングを活用した数値シミュレーションによって理論的に検証することです。理論検証の具体例として、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)について分析します。

理論検証にはディープラーニングを活用

数値シミュレーションでは、LIBSによるウイルスの検出を最適化するためにディープラーニングを活用します。ディープラーニングは、大量の複雑なデータの分析が必要な状況で広く用いられている手法で、コンピュータ上に人工ニューラル・ネットワークを構築し、特定の問題を解決できるように大量のデータを用いてそのネットワークをトレーニングします。たとえば、囲碁の勝負や、白黒写真をカラー化するためのトレーニングなど、ディープラーニングはさまざまな場面で用いられています。

この研究では、2つの観点でディープラーニングを活用します。

ひとつ目は、「スペクトル生成シミュレーション」です。空気中にはウイルスの他に揮発性有機化合物などさまざまな物質が含まれているため、ウイルスを検出する際は、実際の空気で生成したプラズマのスペクトルが、特定のウイルスを含む空気に特徴的なスペクトルのパターンかどうかを判別することになります。

そこで、さまざまな物質組成の空気で生成されるスペクトルのデータを用いて人工ニューラル・ネットワークをトレーニングし、新型コロナウイルスを含む空気に特徴的なスペクトルを判別できるようにすることで、ウイルス検出に活用できるかどうか調べます。さらにその結果から、検出に最適なスペクトルが得られるようなプラズマを生成させる条件を決定します。

2つ目は、「超高出力レーザー伝搬シミュレーション」です。このシミュレーションは、さまざまなレーザーパルス形状から生成するプラズマを計算し、そのデータを用いて人工ニューラル・ネットワークをトレーニングします。これによって、検出に必要な幅・長さ・温度を有するプラズマを生成するのに最適なレーザーパルス形状を決定します。

研究費サポートのお願い

クラウドファンディングを通じて得た資金は、シミュレーションのために使用します。レーザー伝搬シミュレーションやスペクトル計算を実行するには、大きなメモリと高速CPUを搭載したパソコンが必要です。また、ディープラーニングの計算にも大きなメモリと多数のGPUコアが必要となります。残りの資金は、この研究プロジェクトの成果を学会や論文で発表するために使用します。

私は現在、研究の大半の時間を理論物理学に集中させています。過去には、レーザーによる空気中の物質の分析について研究したことがあり、その研究がウイルスを検出する方法になりうると考えました。今回のプロジェクトでは、そのアイディアを理論検証することが目標です。

今回挑戦する研究は非常に難しいものですが、現在のCOVID-19のパンデミックの状況に、何らかの形で貢献できるのではないかと期待しています。いつの日か、超高出力レーザーを用いたウイルス検出装置の開発に繋げていくことを夢見て、この研究を進めていきます。

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ご寄附いただいた皆様へ、確定申告により税制上の優遇措置が適用される領収書を量子科学技術研究開発機構より発行致します。

なお、領収書の日付は、お申込み受付日やカード決済口座からの振替日ではなく、アカデミスト株式会社より量子科学技術研究開発機構に入金された日付となります。

【法人・団体様からのご寄附】
・寄附金の合計額と寄附金の損金算入限度額のいずれか少ない金額が損金に算入されます。なお、損金算入限度額は、その法人の資本や所得の金額によって異なります。詳しくはこちらをご確認ください。

【個人様からのご寄附】
・所得税…寄附金額(総所得金額の40%を上限とする)から2,000円を差し引いた額を、当該年の課税所得から控除することができます。
・個人住民税…量子科学技術研究開発機構を寄付金控除の対象法人として条例で指定している都道府県・市区町村にお住いの方は、個人住民税の控除を受けることができます。
所得税・個人住民税につきまして、詳しくはこちらをご確認ください。

(※編集部注:2021年4月9日に寄付金に関する説明について一部修正いたしました。)
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お問い合わせ先

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 イノベーションセンター 研究推進課
TEL: 043-206-3023 E-mail: kifu@qst.go.jp
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挑戦者の自己紹介

コーガ ジェームズ

私は日系三世アメリカ人です。祖父母は100年ほど前にアメリカに移住し、父はスペイン風邪の大流行の直前に生まれました。私はアメリカの大学と大学院に通い、1993年から日本に住んでいます。現在、COVID-19のパンデミックは世界を混乱させています。このパンデミックのおかげで、私たち家族は自宅で過ごす時間がずっと長くなりました。そんななか、私は最近、マックスという名前の犬を飼い始めました。ある日、私は、イヌが迅速で効率よく新型コロナウイルスを検知でき、空港やスポーツイベントで感染者を嗅ぎ分けるために使用されていることを知りました。しかしながら、このイヌたちも感染するリスクがあるという問題があります。このイヌによる検知方法は、イヌの安全性に注意を払ってはいると思いますが、私からすればマックスのような犬を必要とせずに、ウイルスを検出する別の方法を探りたいと思い、今回クラウドファンディングに挑戦することにしました。

研究計画

時期 計画
2021年4月 クラウドファンディング挑戦
2021年7月 シミュレーション手法の検討
  • 1) 空気のモデルの検討
  • 2) レーザー伝搬シミュレションコードのGPUチューニング
  • 3) スペクトルコードの検討
  • 4) ディープラーニングの検討
2022年7月~ シミュレーションの開始
  • 1) レーザー伝搬シミュレーションのパラメータ調査
  • 2) スペクトル計算
  • 3) ディープラーニングの学習開始
2023年7月~ データ解析、論文執筆
  • 1) ディープラーニングの学習
  • 2) データ解析
  • 3) 論文執筆

リターンの説明

1,000 円
注目のリターン: 研究報告レポート(PDF)
研究報告レポート(PDF) / 寄付金受領証

プロジェクトの結果をレポートにまとめて、2021年12月ごろにPDFでお送りします。

支援する

11人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

5,000 円
注目のリターン: 研究報告レポートに謝辞掲載
研究報告レポートに謝辞掲載 / 研究報告レポート(PDF) / 寄付金受領証

研究報告レポートの謝辞に皆さまのお名前を掲載いたします。

支援する

15人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

10,000 円
注目のリターン: オンラインサイエンスカフェ
オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポートに謝辞掲載 / 研究報告レポート(PDF) / 寄付金受領証

オンラインでのサイエンスカフェにご招待します。皆さまと高パワーレーザーなどについてディスカッションしたいと考えています。実施は2021年8月ごろを予定しています。

支援する

13人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

30,000 円
注目のリターン: オンライン講座受講権
オンライン講座受講権 / オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポートに謝辞掲載 / 研究報告レポート(PDF) / 寄付金受領証

レーザーによる空気中のウイルス検出の可能性についてのオンラインセミナーへご招待します。実施は2021年11月ごろを予定しています。

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1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

50,000 円
注目のリターン: 論文謝辞にお名前掲載
論文謝辞にお名前掲載オンライン講座受講権 / オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポートに謝辞掲載 / 研究報告レポート(PDF) / 寄付金受領証

論文の謝辞に皆さまのお名前を掲載いたします。

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1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

100,000 円
注目のリターン: 1対1の個別ディスカッション権
1対1の個別ディスカッション権 / 論文謝辞にお名前掲載 / オンライン講座受講権 / オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポートに謝辞掲載 / 研究報告レポート(PDF) / 寄付金受領証

レーザーによる空気中のウイルス検出の可能性についての、1対1での個別のディスカッションにご招待します。皆さまのご要望に応じて、高強度・高出力レーザーなどについてもお話できます。実施は2021年12月ごろを予定しています。

支援する

3人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

このプロジェクトは、 2021年04月07日(水) 10時00分 から 2021年05月27日(木) 17時00分 までの間に目標金額500,000円を達成した場合のみ、決済が確定します。
お支払について
お支払にはクレジットカード(VISA, Mastercard)、銀行振込、コンビニ決済、Pay-easy、PayPalをご利用頂けます。
セキュリティについて

当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。

1,000 円

研究報告レポート(PDF) / 寄付金受領証

11 人 が支援しています。
(数量制限なし)

支援する
5,000 円

研究報告レポートに謝辞掲載 / 研究報告レポート(PDF) / 寄付金受領証

15 人 が支援しています。
(数量制限なし)

支援する
10,000 円

オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポートに謝辞掲載 / 研究報告レポート(PDF) / 寄付金受領証

13 人 が支援しています。
(数量制限なし)

支援する
30,000 円

オンライン講座受講権 / オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポートに謝辞掲載 / 研究報告レポート(PDF) / 寄付金受領証

1 人 が支援しています。
(数量制限なし)

支援する
50,000 円

論文謝辞にお名前掲載オンライン講座受講権 / オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポートに謝辞掲載 / 研究報告レポート(PDF) / 寄付金受領証

1 人 が支援しています。
(数量制限なし)

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100,000 円

1対1の個別ディスカッション権 / 論文謝辞にお名前掲載 / オンライン講座受講権 / オンラインサイエンスカフェ / 研究報告レポートに謝辞掲載 / 研究報告レポート(PDF) / 寄付金受領証

3 人 が支援しています。
(数量制限なし)

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