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動かない動物「ホヤ」、その生存戦略に迫る!

長谷川 尚弘
北海道大学、博士後期課程
支援総額: 458,500 円
目標金額: 650,000 円
達成率
70 %
サポーター
55
残り時間
41
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academist スタッフからの一言
「形態情報」×「遺伝情報」で群体性ホヤの進化の謎に迫る

脊椎動物に最も近い無脊椎動物、ホヤ。今回はホヤを幼少期から身近に見てきた、北海道大学博士課程の長谷川さんによる挑戦です。世界でも数少ないホヤ類の系統・分類学者としてホヤの採集・観察を日本全国で行っている長谷川さんは、あるとき「群体性ホヤ類の個虫のサイズが小さい」ことに気づき、この現象を数学的に説明できるのではないかと考えました。今回は、形態情報と遺伝情報を組み合わせることで、この仮説を検証します。これにより、あらゆる群体性固着動物に共通する進化の戦略が明らかになるかもしれません。新型コロナウイルスの影響を受け、一度は頓挫しかけた研究。その芽を摘み取らないためにも、応援をお願いいたします!

academist編集部

海の岩上での"陣取りゲーム"に勝つ方法

海中の岩に、海藻でもゴミでもない何かがくっついているのを見たことがありませんか? 実はそれらは、カイメン、コケムシ、サンゴ、そしてホヤといった固着性の動物(固着動物)です。

私たちが固着動物のくっついた岩を見たときには「なんか変なのがくっついてる」程度にしか思いませんが、彼らは岩上で命がけの陣取りゲームを行っています。岩上は、ワカメは生えているわ、フジツボはくっついているわと、まさに群雄割拠の世界です。この陣取りゲームに勝つために、固着動物たちは各自いろいろな戦略を立てています。

そのひとつが「群体性」です。群体というのは、「個虫」という無性生殖により作られたクローンが集まっている状態のことです。無性生殖は有性生殖よりもはやく新個体を作ることができるので、自分の横にスペースがあれば他のライバルよりもはやく陣地を奪うことができるわけです。

群体の個虫にはいくつか共通点があるのですが、私が注目しているのはその「サイズ」です。個虫は往々にして小さいことが多いのですが、ではなぜ、個虫は小さいのでしょうか。

「進化の過程で個虫は縮小していった」という仮説

研究をスタートした大学4年生の頃、ホヤ類を採集したときに群体性ホヤ類のなかでも種によって個虫のサイズがさまざまであることに気がつきました。彼らを研究するなかで、群体の個虫は進化の過程で小さくなったのではないかと感じ、次の仮説を思いつきました。「群体の個虫は小さいほど横方向にはやく広がることができるため、進化の過程で個虫は縮小していった」というものです。

ゾウは大人になるまでに時間がかかりますが、ネズミはすぐに大人になります。個虫も同様に、小さいほうがはやく大人になると考えられます。個虫がはやく成長することで、新個虫をどんどん増やすことができるようになります。

個虫が立方体の形状をしているとみなしてみます。1辺が1cmの個虫をもつ群体Aと2cmの個虫をもつ群体Bが1群体ずついると、最初は両群体の底面積は1cm2と4cm2になります。群体Aが1日ごとに個虫の数を2倍に増やすとすると群体Bも同じように個虫が増殖するのでしょうか。群体AとBの個虫の体積比は1:8の関係にあります。単純に考えて、群体Bは新個虫をつくるときに群体Aよりも8倍多くのエネルギーが必要になります。そのため、1回の無性生殖にかかる時間も8倍長くなると考えられます。したがって、群体Aが3日で8cm2になるのに対して、群体Bは等しい面積を手に入れるために8日必要になってしまいます。この個虫サイズと体積、群体の面積の関係を数理モデルで表現しました。

形態情報 × 遺伝情報 - 仮説検証の2つの鍵

個虫は進化の過程で縮小していったかどうかをさらに検証するために、私は群体性ホヤ類の飼育実験と分子系統解析を行いたいと考えています。

飼育実験では「本当に個虫が小さいほどはやく広がるのか?」という疑問を明らかにします。具体的には、同一の湾内で採集された群体性ホヤ類複数種をそれぞれ透明なプラスチックプレート上に移植し、飼育下の群体性ホヤ類を定期的に写真撮影することで、群体の成長速度を測定します。飼育実験の後に、群体と個虫の重量や密度、体積を測定し、個虫サイズと群体の成長速度の関係について考察します。

分子系統解析では「群体性ホヤ類は個虫が小さくなるように進化してきたのか?」という謎について推測します。ホヤ類は、日本各地でスキューバダイビング、シュノーケルや底引き網により、包括的に採集します。そして採集したホヤ類を形態形質に基づいて種同定した後に、遺伝物質を抽出。これをもとに系統解析を行い、ホヤ類の系統関係を推測します。

最終的には、これら飼育実験と分子系統解析の結果を併せて群体性ホヤ類の進化の過程を考察します。また、今回の研究計画では仮説の検証以外にも副産物として新たな知見が得られることが期待できます。たとえば、群体性ホヤ類を飼育することで今まで知られていなかった生態が観察されたり、ホヤ類を包括的に採集することで未記載種(いわゆる新種)が見つかったりするかもしれません。

研究費サポートのお願い

私はここまで説明した研究をブラジル・サンパウロ大学の博士課程に入学し、現地で実施する計画で約2年間準備してきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で留学を断念せざるを得なくなりました。留学の計画は頓挫しましたが、それでも本研究への想いは捨てきれず、日本国内で博士課程の研究を行うことに決めました。

飼育実験用の実験装置の作成や分子系統解析に必要な試薬、材料であるホヤ類の採集のための渡航・滞在費など、本実験の遂行のためにはまとまった資金が必要になります。当初は、博士課程の研究者のためのサンパウロ州政府による奨学金を研究資金に充てることを計画しておりましたが、ブラジル留学が叶わなくなってしまった現在、日本国内での研究を遂行するための資金が不足しています。そこで、皆さまに研究資金の一部をご援助いただきたいと考えています。

本研究プロジェクトの様子はSNS等を通じて皆さんに随時配信していきます。また、サポーターの方々にはホヤについての簡単な講演(解剖をお見せします)への参加権や、ホヤ標本を差し上げます。さらにサポーターの方々のなかでも多大なご支援をいただいた方には未記載種(新種)の命名権を差し上げます。私と一緒にホヤの研究を発展させていきませんか。ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

挑戦者の自己紹介

はじめまして、北海道大学理学院の博士課程1年生の長谷川尚弘です。私の専門分野はホヤ類の系統分類学で、未記載種(新種)のホヤ類を報告したり、ホヤ類がどのように進化してきたのかを研究したりしています。ダイビングをして目当てのホヤを見つけたときの高揚感とヘンテコな形のホヤ類を観察している時のワクワク感が堪りません! 研究対象がホヤのためか、寿司屋や海鮮居酒屋に行くと友人たちから「ホヤ料理は食べないの?」と、しばしば勧められます(笑)。お酒の肴としてもホヤが好きなので、私は「Yes!」と即答してしまいます。これを機に、皆さんがホヤ類を含めた固着動物にご興味をもっていただけると嬉しいです。

長谷川 尚弘

研究計画

時期 計画
2021年4月  研究開始、飼育実験スタート(ホヤ採集は年中行います)
2022年6月 国内学会発表
2023年7月 国際学会発表
2024年3月 論文の投稿

リターンの説明

1,000 円 (税抜)
注目のリターン: 研究報告書(PDF)
研究報告書(PDF)

フィールドワークや飼育実験、系統解析の研究進捗をレポート形式でまとめたものをお送りします。このご支援は空港までの片道分相当の金額にあたります。

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21人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

5,000 円 (税抜)
注目のリターン: 学会発表謝辞
学会発表謝辞 / 研究報告書(PDF)

学会発表時にお名前を謝辞に載せることでお礼いたします。このご支援は解剖用のハサミ1本相当の金額にあたります。

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14人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

10,000 円 (税抜)
注目のリターン: 群体ホヤ標本
群体ホヤ標本 / 学会発表謝辞 / 研究報告書(PDF)

群体ホヤの一部を切り出して作成した標本を郵送にてお届けいたします。研究としても使用可能なものです。ぜひ観察してみてください。このご支援は潜水器材の修理・点検1回分の金額にあたります。

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16人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

30,000 円 (税抜)
注目のリターン: 論文の謝辞に氏名掲載
論文の謝辞に氏名掲載 / 群体ホヤ標本 / 学会発表謝辞 / 研究報告書(PDF)

本研究プロジェクトの成果をまとめた論文の謝辞にお名前を載せることでお礼いたします。また、公表された論文はメールでお送りいたします。論文の出版までにはお時間をいただきますが、ご了承ください。このご支援によって調査にかかる滞在費が賄えます。

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3人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

50,000 円 (税抜)
注目のリターン: 単体ホヤ標本
単体ホヤ標本 / 論文の謝辞に氏名掲載 / 群体ホヤ標本 / 学会発表謝辞 / 研究報告書(PDF)

私が採取・作成した単体ホヤ標本を郵送にてお届けいたします。研究としても使用可能なものです。群体ホヤ標本とぜひ比較観察してみてください。このご支援でホヤ採集地までの往復の移動費等が一挙に賄えます。

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0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

100,000 円 (税抜)
注目のリターン: ホヤについてのオンライン講義
ホヤについてのオンライン講義 / 単体ホヤ標本 / 論文の謝辞に氏名掲載 / 群体ホヤ標本 / 学会発表謝辞 / 研究報告書(PDF)

ホヤについてのオンライン勉強会にご招待いたします。ホヤがどんな生物なのか、実際のフィールドワークの様子、ホヤの解剖などご紹介いたします。このご支援で論文の投稿料等が一挙に賄えます。

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1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

500,000 円 (税抜)
注目のリターン: 新種ホヤの命名権
新種ホヤの命名権 / ホヤについてのオンライン講義 / 単体ホヤ標本 / 論文の謝辞に氏名掲載 / 群体ホヤ標本 / 学会発表謝辞 / 研究報告書(PDF)

現在、新種のホヤであることが強く疑われる標本が手元にあります。本種の名前を一緒に考えませんか? このご支援で目標金額の80%を一気に達成することができます!
※あくまでも新種として正式に公表された場合に限ります。命名できない可能性もございますので、その際は何卒ご了承ください。

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0人のサポーターが支援しています (限定 1 個)

このプロジェクトは、 2020年10月07日 10時00分 から 2020年12月03日 17時00分 までの間に目標金額650,000円を達成した場合のみ、決済が確定します。
お支払について
お支払にはクレジットカード(VISA, Mastercard)をご利用頂けます。
銀行振込について

銀行振込をご希望の方は下記のフォームよりご連絡ください。 フォームへ

セキュリティについて

当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。

1,000 円(税抜)

研究報告書(PDF)

21 人 が支援しています。
(数量制限なし)

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5,000 円(税抜)

学会発表謝辞 / 研究報告書(PDF)

14 人 が支援しています。
(数量制限なし)

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10,000 円(税抜)

群体ホヤ標本 / 学会発表謝辞 / 研究報告書(PDF)

16 人 が支援しています。
(数量制限なし)

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30,000 円(税抜)

論文の謝辞に氏名掲載 / 群体ホヤ標本 / 学会発表謝辞 / 研究報告書(PDF)

3 人 が支援しています。
(数量制限なし)

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50,000 円(税抜)

単体ホヤ標本 / 論文の謝辞に氏名掲載 / 群体ホヤ標本 / 学会発表謝辞 / 研究報告書(PDF)

0 人 が支援しています。
(数量制限なし)

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100,000 円(税抜)

ホヤについてのオンライン講義 / 単体ホヤ標本 / 論文の謝辞に氏名掲載 / 群体ホヤ標本 / 学会発表謝辞 / 研究報告書(PDF)

1 人 が支援しています。
(数量制限なし)

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500,000 円(税抜)

新種ホヤの命名権 / ホヤについてのオンライン講義 / 単体ホヤ標本 / 論文の謝辞に氏名掲載 / 群体ホヤ標本 / 学会発表謝辞 / 研究報告書(PDF)

0 人 が支援しています。
(限定 1 個)

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