おかげさまで目標金額を達成することができました。ご支援いただいた皆様、SNS等で拡散していただいた皆様にお礼申し上げます。
この挑戦を通して、多くの方々からご支援とメッセージを頂き、これから研究を行う上での励みになります。ご支援金はこの研究の遂行のために有効に使わせていただきます。
また、今後研究グループのホームページやSNS等で研究の進捗状況もお知らせしたいと考えています。
なお、あと9日ではありますが、セカンドゴールとして60万円を目指して挑戦を続けます。特に電子線描画装置のメンテナンスが急務のため、そのための費用を確保したいと考えています。引き続き、ご支援をよろしくお願いいたします。
今後ともご指導ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
研究グループHP
http://www.opt-lighting.elec.mie-u.ac.jp/index.html
各種SNS(Facebook, Twitter Instagram, Line)は上記HPにリンクがあります。
naomi tanaka
光は三原色である赤、緑、青の光を混ぜ合わせることで、さまざまな色を実現できます。白色光とは、この三原色の光をすべて混ぜたときに実現できる光で、一般照明などに使われています。
広く普及していた蛍光灯は、加速した電子が水銀原子に衝突して発生した紫外線によって、ガラス管壁に塗られた蛍光体を励起し、可視光を得るという仕組みで白色光を実現しています。また近年普及しているLED照明に使われる白色LEDは、青色LEDの光と青色光を吸収して黄色光を発光する蛍光体を使い、白色光を実現しています。しかし実はこの白色LEDの疑似白色は、蛍光灯の白色と異なり青っぽい色をしているため、光を当てたときに物体の色を忠実に再現できないという課題があります。またLEDにはドループと呼ばれる大きな電流を流すと発光効率が低くなる問題もあります。
将来この問題を解決するには、LEDを凌ぐ新しい照明技術が必要であると考えています。その最有力候補がレーザー照明です。レーザーは単色性、指向性に優れた光で、干渉性もよいことから回折格子や偏光子などの光学素子との相性もよく、さまざまな特性をもつ光を作り出すことができます。またLEDに比べ小さな発光面積で強い光を発光させることができ、ドループも回避できます。
レーザー照明を広く応用するためには、白色光でレーザー発振ができる白色発光体を実現することが必要です。しかし、3色の光からなる白色光を、単色性のレーザー光と同じような性質をもつ光にすることは容易ではありません。
一番簡単に白色レーザー光を実現するには、LEDと同様に青色レーザー光を黄色蛍光体に照射して白色を発光する方法がありますが、蛍光体が拡散板となってしまうため、指向性、干渉性というレーザー光の特徴が失われます。またこの方法で実現した白色光はLEDと同じように青白い光になるため、照射された物体の色を忠実に再現することが難しくなります。
そこで、青色光に対して緑色や赤色で発光する量子ドットに注目しました。量子ドットとは、半導体からなるナノ微粒子で、レーザーやLEDなどの発光素子や生態観測をするための蛍光材料などに用いられています。この量子ドットは、バンドギャップより大きなエネルギーを吸収して発光させるという仕組みで、青色レーザー光を吸収し、緑色や赤色で発光することができます。
このように青色のレーザー光と量子ドットで発光する緑色と赤色の光を混ぜることにより、光の三原色が揃い、より白色らしい光を得ることができます。また緑色と赤色の発光波長を変えることで、容易に白色の色温度を変えることができ、昼光色から電球色までさまざまな白色を実現できます。
量子ドットのうち、最も高い発光効率を有するのはカドミウムを使った量子ドットですが、毒性が高いため、使用した場合に一般照明として普及することができません。しかし、カドミウムを使わない量子ドットでは発光効率に問題があり、照明用途に使うには困難です。
そこで、金属回折格子を用い、金属内の電子の集団振動と量子ドットで発光した光の電界振動が共鳴した表面プラズモン共鳴によって、光の取り出し効率を改善し、発光効率の向上を試みます。ここで用いる表面プラズモン共鳴とは、電子の振動と光の電界振動が共鳴しあう現象で、センサー、発光素子、太陽電池などにも用いられています。
その他、発光増強の手段として金属ナノ微粒子を用いた研究もありますが、この方法では微粒子がバラバラに基板上に配列するため、再現性に問題があります。そこで金属回折格子のように規則正しい周期構造を用いて発光増強を実現します。この方法は金属ナノ微粒子に比べるとコストがかかりますが、今後作製する金属回折格子のパターン形状が決まれば、マスクを用いるフォトリソグラフィや、金型を用いるナノインプリント技術を使うことで、作製コストの低減は可能であると考えています。
具体的には、青色レーザー光をポンプ光にして、緑色と赤色の発光が得られる量子ドットを金属回折格子中に埋め込み、表面プラズモン共鳴を利用して白色発光体を実現します。青色レーザー光を用いるのは、容易に入手できることと、青色で発光する量子ドットを埋め込む必要がないため、金属回折格子の設計を容易にできるからです。
実際の方法は、まずシミュレーションで構造を決定したAgの回折格子を、電子線描画装置を用いてガラス基板上に作製します。次に量子ドットをガラス基板上のAg回折格子上に塗布します。その後、青色半導体レーザーの光を照射して発光スペクトルを測定し、強い白色発光ができているかを確かめます。このように研究を進めることで、カドミウムを含まない量子ドットによる白色発光体を実現することを目指します。
これまでにガラス基板に、緑色に発光する量子ドットを塗布して蛍光観察をすると、緑色に発光することを確認しています。また、この量子ドットを金属回折格子に埋め込んだ試料に青色レーザー光を照射し、分光器を使って発光スペクトルを測定すると、微弱ではありますが緑色に光ることがわかりました。
ご支援いただいた研究費は、白色発光体の発光特性を評価する装置や実験に必要な消耗品費、成果発表旅費、電子線描画装置の維持費用などに使用したいと考えています。
本研究で白色発光体を実現した後には、白色レーザー光源の実現に向けて研究を進めていきます。具体的には、簡単な共振器構造を作製し、青色レーザー光や量子ドットで発光した緑色や赤色の光を反射させ、ガラス基板側から光を取り出します。金属回折格子による表面プラズモン共鳴と、共振器構造における共振の効果で、青、緑、赤色の光がそれぞれレーザー発振と同じような効果が得られれば、3色の混色により白色レーザー光源が実現できると考えています。
現在のところレーザー照明は、車のヘッドライトや舞台照明のスポットライトなど、レーザー光の特徴である指向性が求められるところで応用開発されています。今回の研究のように光を制御できる光学素子(回折格子や偏光板など)を用いることで、白色レーザー光を一般照明や植物工場などに応用できると、LEDの後継として幅広く利用されると考えています。将来的には、この白色レーザー光を用いた応用開拓とそれに必要な光学素子の開発も進める予定です。
元垣内敦司
Date | Plans |
---|---|
2019年6月 | クラウドファンディング挑戦 |
2019年8月 | 研究開始 |
2020年3月,9月 | 応用物理学会春季および秋季学術講演会で研究成果を発表(予定) |
2021年3月 | 応用物理学会春季学術講演会で研究成果を発表(予定) |
〜2021年3月 | 電子線描画装置のメンテナンス、白色発光体の設計、電子線描画装置を用いた金属回折格子の作製、金属回折格子に量子ドットを埋め込んだ白色発光体の作製と発光特性評価を行う |
2021年3月 | 国際会議での発表や論文発表1編(予定) |
2021年4月〜2023年3月 | 表面プラズモン共鳴を用いた白色レーザー発振の実現を目指した研究を行いながら、この白色光源を用いた応用開拓を並行して進め、応用に関する共同研究テーマを設定して実施する。応用する照明用途に応じて必要な光学素子の作製も行う。 |
研究の詳細な進捗などをレポートにまとめてお送りします。応援よろしくお願いします!
研究報告レポート(PDF版)
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金属回折格子の電子顕微鏡写真をはじめとした作製した試料等の画像(電子版)10枚1セットをお送りします。
金属回折格子の電子顕微鏡像等の写真(10枚) / 研究報告レポート(PDF版)
8 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
現在この研究で予定している直近の学会発表は令和2年3月の第67回応用物理学会春季学術講演会で、この講演会にて本研究に関する発表をする際、謝辞にお名前を掲載させていただきます。また、発表資料(電子版)を送付いたします。お力をお貸しください。応援よろしくお願いいたします!
なお、発表資料のなかで公にすることが難しい内容を削除したうえで送付する場合がありますので、ご了承ください。研究の進捗状況によっては学会発表の時期が前後する場合もあります。また、令和2年4月以降もこの研究内容に関する発表を行う際にも謝辞にお名前を入れさせていただき、発表資料(電子版)を送付いたします。
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 金属回折格子の電子顕微鏡像等の写真(10枚) / 研究報告レポート(PDF版)
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研究グループのホームページ( http://www.opt-lighting.elec.mie-u.ac.jp/ )にお名前を掲載させていただきます。
研究室HPにお名前掲載 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 金属回折格子の電子顕微鏡像等の写真(10枚) / 研究報告レポート(PDF版)
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本研究成果を発表する際の謝辞にお名前を掲載し、論文をお送りいたします。なお、掲載される論文誌と掲載方法によって別刷りの郵送、またはpdfファイルの送付のいずれかになります。
※研究成果をまとめられるよう努力いたしますが、論文の掲載に至らない可能性もございますこと、ご承知おきいただけますと幸いです。
論文謝辞にお名前掲載 / 研究室HPにお名前掲載 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 金属回折格子の電子顕微鏡像等の写真(10枚) / 研究報告レポート(PDF版)
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三重大学にある私たちの研究室をご案内いたします。実験装置の見学や研究内容の説明をさせていただきます。日時は別途ご相談でさせていただきます。ご希望がありましたら、懇親も兼ねた意見交換会も考えたいと思います。ご参加をお待ちしています!
※開催地までの交通費は各自ご負担をお願いいたします。
研究室見学ツアー / 論文謝辞にお名前掲載 / 研究室HPにお名前掲載 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 金属回折格子の電子顕微鏡写真(10枚) / 研究報告レポート(PDF版)
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講演会に出張いたします。本研究の研究成果を中心として私の研究内容について、ご要望にお応えする形で講演させていただきます!
※旅費・宿泊費等は別途頂戴いたしますのでご留意ください。
出張講演 / 研究室見学ツアー / 論文謝辞にお名前掲載 / 研究室HPにお名前掲載 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 金属回折格子の電子顕微鏡像等の写真(10枚) / 研究報告レポート(PDF版)
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