目標金額に達成いたしました!これもご賛同をいただいた皆様のご支援があったからこそと感謝の思いでいっぱいです。特に多くの応援コメントを拝見し、研究に対するモチベーションが一層高まりました。本当にありがとうございます。
残されているクラウドファンディングのオープン期間がまだ30日ございますので、セカンドゴールを目指したいと思います。セカンドゴールは120万円に設定させていただき、ファーストゴールの尿毒素除去に加えて、透析治療で同じく重要な過剰水の除去が可能な吸水性のスマートポリマーの開発という目標に向けて使わせていただきたいと思います。すでにオムツなどの吸水性ポリマーは世の中にもございますので、追加の予算でより優れた吸水性素材を開発できると考えております。
皆様の支援はもちろん、情報を拡散していただけることが大きな後押しになっております。オープン期間まであと1ヶ月ほどですが、引き続き応援のほどよろしくお願いします。
「肝腎要」という言葉のとおり、腎臓という臓器は、血液中の過剰水や過剰塩分、尿毒素を体外へ排出する重要な役割を担っています。この腎臓がはたらかなくなると体内に溜まった尿毒素がさまざまな症状を引き起こし、約1週間で死に至ると言われています。そのため、腎臓の機能が低下してしまった患者さんは、血液から定期的に尿毒素や過剰水を取り除かなくてはいけません。そこで行われる治療のひとつが「血液透析」です。
現在病院で行われている血液透析では、100L以上の透析液に対して膜を介して血液を流し、透析液と血液間の拡散・ろ過によって老廃物や過剰水を取り除いています。血液透析患者は国内に約30万人存在しており、腎不全になってしまった患者さんにとって、血液透析はまさに生命を維持する命綱です。
血液透析治療によって救われる患者が多くいる一方で、改善すべき問題点も多く残されています。「週3〜4回(1回3〜4時間)の通院を続けなければならない」「大型の装置、それを動かす電力、100Lを超える多量の水などのインフラ整備が必要」「治療のあいだ、ベッドの上から動くことができない」などがその代表です。
東日本大震災のとき、「透析難民」という言葉が世間を賑わせたことも記憶に新しいと思います。1万人近くの透析患者が透析治療を求めて被災地からバスで運ばれていく姿は大変ショッキングでした。これはインフラ依存度が高い血液透析治療を被災地域で行えなかったことから生じた問題です。海外に目を向ければ、インフラが未整備な多くの発展途上国で、東日本大震災と同様の状況が日常的に起こっています。
透析治療を必要とする人たちが安心して暮らせる社会を実現するために、インフラの有無に左右されない、持ち運べるほど小型で安価な血液透析装置の開発が求められています。私たちの目標は、「乾電池程度の電源で駆動し」「多量の水を必要とせず」「携帯可能で」「安価な」新しい簡易型透析治療装置を実現することです。
現在の血液透析は拡散・ろ過を行う仕組みであるために、大きな電力や多量の水が使われます。そこで、高性能な吸着剤・吸水材を開発することができれば、この課題が克服されると考えました。私たちは現在、「スマートポリマー」と呼ばれる機能性プラスチック材料を応用し、尿毒素を選択的・効率的に吸着する材料の研究開発を行なっています。
スマートポリマーという呼び名はいわばニックネームで、特殊な機能を発揮できるように人工的に設計した高分子(ポリマー)のことを指します。外部環境(温度、pH、光、磁場など)の変化に応答してその性質を変化させたり、特定の物質や水だけを選択的に吸着・吸水したり、あるいは体の中にいれたときに血液との適合に優れていたりするものなどがあります。血液透析のための材料として、尿毒素だけを選択的に吸着するように設計するには、スマートポリマー以外のさまざまな吸着剤との複合化が重要となります。
これまでの研究では、高吸水機能を有するスマートポリマーを用いて、血中から過剰水を除去することに成功しています。また、尿毒素のひとつであるクレアチニンを効率的に吸着する材料の開発にも成功しました。これは、クレアチニンを選択的に吸着可能な大きさの細孔を有するゼオライトという物質を、血液適合性に優れたスマートポリマーに含有し、さらに高い比表面積をもつナノファイバー状に加工することで実現したものです。しかし、将来的に新しい血液透析装置を実現するためには、「クレアチニン以外の尿毒素も吸着できる材料」や「より高効率に尿毒素を吸着する材料」の開発が必要不可欠です。
「クレアチニン以外の尿毒素」と一口に言っても、尿毒素には200以上の種類があり、どの吸着材がどの尿毒素を吸着するのに適しているのかを調べる地道な研究が必要です。今回の研究では、まずゼオライトや活性炭などを含む10種類以上の吸着剤を用いて尿毒素の吸着試験を行います。その中からもっとも良いものをポリマーと複合化し、ナノファイバー状に加工します。このナノファイバー材料を用いて血液中からどのくらい尿毒素が除去できるかを調べることを、最初のゴールとします。
今後の展開としては、ファイバー材料の形状を工夫することにより、尿毒素吸着の効率も上げていきたいと考えています。
いま私たちは、クレアチニン以外の尿毒素をターゲットにした新たな尿毒素吸着材料開発に着手しようとしています。より良い尿毒素吸着材料を探索するため、さまざまなファイバー材料を網羅的に制作し、その性能を検証するための研究材料費をみなさまにご支援いただきたく、クラウドファンディングにチャレンジします。
医師の方々は患者さんを治療することができます。では、現在の医療で救えない患者さんは誰が救うのか。私たち研究者に与えられた使命は、現在の医療では救えない患者を救うことなのだと思います。
緊急災害時における透析難民問題に代表される現在の透析治療の課題を克服することを目指し、「低インフラ環境での透析治療」を実現させるため、サポーターになっていただけますと大変幸甚です。ご支援のほど、よろしくお願いいたします。
***
―クラウドファンディング参加をご検討いただいている法人の皆様へ―
今回のクラウドファンディングの挑戦者が所属するNIMS(国立研究開発法人物質・材料研究機構)には、
法人からの寄付金取り扱いに制約がございます。
本プロジェクトへの支援をご検討いただいている場合には、academistまでお問い合わせください。
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時期 | 計画 |
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2019年4月 | クラウドファンディング挑戦、執筆活動、スポーツ関連団体との会議 |
2019年8月 | 研究開始 |
2019年11月 | バイオマテリアル学会にて中間報告 |
2020年4月 | 論文作成開始 |
2020年5月 | 高分子学会にて結果発表 |
2020年8月 | 論文投稿 |
2020年12月 | 論文掲載目標 |
研究の詳細な進捗などをレポートにまとめてお送りします。応援よろしくお願いいたします!
研究報告レポート(PDF版)
20人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
2020年5月の高分子学会年次大会にて本研究に関する発表をする際、謝辞にお名前を掲載させていただきます。また、発表資料(電子版)を送付いたします。お力をお貸しください。応援よろしくお願いいたします! ※学会発表が叶わなかった場合、その後の学会発表資料の謝辞にお名前を掲載いたします。
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
22人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
サイエンスカフェにご招待いたします。日時は2020年中の開催を予定しています。ご参加をお待ちしています! ※当日ご参加いただけない場合には、後日資料を共有させていただきます。
サイエンスカフェ参加権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
17人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
私どもが開発しているスマートポリマーのうち、自宅でも遊べる形状記憶ポリマーをプレゼントさせていただきます。 ※画像はイメージです。
スマートポリマーをプレゼント / サイエンスカフェ参加権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
6人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
本研究成果を発表する際の謝辞にお名前を掲載させていただきます。 ※研究成果をまとめられるよう努力いたしますが、論文の掲載に至らない可能性もございますこと、ご承知おきいただけますと幸いです。
論文謝辞にお名前掲載 / スマートポリマーをプレゼント / サイエンスカフェ参加権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
3人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
私たちの研究室をご案内いたします。施設の見学や本プロジェクトに関する説明をさせていただきます。日時は2020年中を予定しています。ご参加をお待ちしています! ※当日ご参加いただけない場合には、skype等のビデオ通話で意見交換をさせていただきます。
研究室見学ツアー / 論文謝辞にお名前掲載 / スマートポリマーをプレゼント / サイエンスカフェ参加権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
講演会に出張いたします。本プロジェクトやわれわれが開発しているスマートポリマーについて、ご要望にお応えする形で講演させていただきます! ※旅費・宿泊費等は別途頂戴いたしますのでご留意ください。
出張講演 / 研究室見学ツアー / 論文謝辞にお名前掲載 / スマートポリマーをプレゼント / サイエンスカフェ参加権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。
研究報告レポート(PDF版)
20
人
が支援しています。
(数量制限なし)
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 他
22
人
が支援しています。
(数量制限なし)
サイエンスカフェ参加権 他
17
人
が支援しています。
(数量制限なし)
スマートポリマーをプレゼント 他
6
人
が支援しています。
(数量制限なし)
論文謝辞にお名前掲載 他
3
人
が支援しています。
(数量制限なし)
研究室見学ツアー 他
0
人
が支援しています。
(数量制限なし)
出張講演 他
1
人
が支援しています。
(数量制限なし)