抗精神病薬の持効性注射剤について、その有用性について記事をまとめました。
あわせて、臨床研究に関する試験デザインに着目し、費用対効果評価によってその有用性がより分かりやすく評価できることにも触れました。
http://urx2.nu/ZNiQ
http://urx2.nu/77VO
http://urx2.nu/RbBV
現在チャレンジ中のクラウドファンディングでは、この点について詳細な研究を予定しています。
なお、私は持効性注射剤を発売している企業との利益相反はありません。
本研究で想定する、抗精神病薬の使用方法について図に示しました。
費用対効果評価を行う際は、実際の臨床の場面を想定した薬の使用方法を踏まえ、マルコフモデルを作成してシミュレーションを行います。
今回の研究では、統合失調症の治療の場面を想定し、最初に使用した薬で地域移行を達成できなかったり、再発してしまったりした場合に2番目の薬に切り替えるという治療戦略を想定しています。
このような薬の切り替えを想定した費用対効果評価は、先行研究などで行われている手法である事、そして薬の切り替えは実際の臨床場面で良く行われる事から、一定の妥当性があるものと考えられます。
今回の研究で、評価対象になる抗精神病薬の一覧(あいうえお順)をお示しします。
いずれも、当院において一定数以上の単剤処方の実績のある薬剤を対象にしていますのでご了承ください。
〇非定型抗精神病薬
アセナピン(シクレスト®)
アリピプラゾール(エビリファイ®)
オランザピン(ジプレキサ®)
クエチアピン(セロクエル®)
パリペリドン徐放錠(インヴェガ®)
ブロナンセリン(ロナセン®)
リスペリドン(リスパダール®)
〇定型抗精神病薬
ハロペリドール(セレネース®)
※ブレクスピプラゾール(レキサルティ®)については、もう少し症例数が確保された場合に評価対象に加える予定です。
今回の研究が、医療費の抑制・適正化に貢献できる可能性がある事をお示ししています。
どうぞご覧ください。
http://qq2q.biz/XcVR
なぜ、抗精神病薬の適正使用が必要なのかを、動画を交えてご紹介しております。
症状を軽減することを追求しすぎることよりも、薬の効果と副作用のバランスを考えた治療が、患者さんのメリットになると考えています。
https://www.facebook.com/notes/村田-篤信/統合失調症の薬抗精神病薬の効果と副作用について/10157123105159588/
本研究に関連し、昨年の学会(日本神経精神薬理学会)で発表した内容が、英文投稿に関する推薦演題として選出頂きましたのでご報告いたします。座長の先生をはじめ、多くの先生方にご理解頂けたことを嬉しく思います。また、本研究のニーズが裏付けられたのではないかと考えております。
発表した内容は、以下の様なものでございます。
結論:入院して抗精神病薬による治療を開始し、①地域移行を達成したが再発した後に薬を切り替える、または➁地域移行を達成できない場合に薬を切り替える、という想定下では、
アリピプラゾールを最初に、次にリスペリドンを使用する治療戦略が費用対効果に優れる。
また、アリピプラゾール以外の薬についても再発予防効果が高まれば、費用対効果に優れるという結果が得られる、というものです。添付した図は、アリピプラゾール以外について費用対効果が優れるという結果が得られるにはどういう結果が求められるのか?、という解析結果を示したものです。
とくに、「メタボリックシンドロームになりやすい」ことで有名なオランザピンは、副作用を軽減する介入だ重要であることが分かります。
このように、それぞれの薬の治療効果を最大限にするにはどうすればよいのか?というシミュレーションが実施できるのが、本研究の醍醐味と考えております。
この研究では、excelによる解析を行いましたが、より詳細な解析を行うにはより専門的なソフトを用いる必要があります。何卒、本プロジェクトへのご協力をお願い致します。
当院の抗精神病薬単剤化率について
本年度の、当院における抗精神病薬の単剤化率は、91.67%でした。このデータは、精神科臨床薬学研究会の全国処方調査に提出いたしました。
また、お陰様で多くの患者さんが、地域移行を達成されました。これには、患者さんが薬物治療に理解頂き、多くのスタッフ、ご家族の皆様の協力が大きいと考えております。
〇本研究に関連し、以下の様な動きがありましたのでご紹介いたします。ご理解頂いた皆様に、改めて感謝を申し上げます。
平成32年度に予定されている診療報酬改定の要望事項の根拠として、私たちが報告した本研究に関連する下記論文を引用いただくことが決まりました。
精神科領域における医薬品適正使用を目的とした、薬剤師業務の拡大を目的に日本病院薬剤師会精神科部門から要望事項として提出頂きました。(日本病院薬剤師会雑誌 平成31年 2月号より)
論文名:費用効用分析による精神科病棟薬剤業務の薬剤経済学的有用性評価
日本病院薬剤師会雑誌 54(7): 835-840 2018
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研究報告レポート(PDF版)
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