はじめまして。追手門学院大学心理学部の白砂大(しらすなまさる)と申します。
このたび、研究のクラウドファンディング(月額支援型)を始めさせていただくこととなりました。
私の専門は認知科学・意思決定科学という分野です。人がどのような思考・判断を行うのかについて、行動実験や計算機シミュレーションなどを通して研究しております。人は、AI=人工知能と比べて記憶容量や計算能力に劣っているはずなのに、なぜ・いかにして正確な判断が可能なのか。そのような「人の知性」に興味を持っております。
今回、「クイズ×認知科学」と銘打った研究プロジェクトを申請させていただきました
(詳細についてはプロジェクトページをご参照いただければ幸いです)。
早押しクイズを扱うのは、私自身も初の挑戦です。
【これまでの研究活動・業績についてはこちら↓】
https://sites.google.com/view/masaru-shirasuna/home/publications-works
なぜ早押しクイズという題材を扱おうと思い至ったか。
端的に申し上げれば、「やるなら今しかない!」と思ったためです。
学術的・社会的な背景はプロジェクトページに譲るとして、ここでは少し個人的な話をします。
実は私自身も、高校~大学時代にクイズ(いわゆる「競技クイズ」)をやっていました。その中で、人の思考や判断に漠然と関心を持つとともに、「クイズを認知科学を融合したい!」と思うようになりました。
早押しクイズは、知識の有無だけでなく、他者との競争、誤答に対するリスク判断など、様々な認知的要素が絡みます。しかし(私としては少々意外ですが)、心理学・認知科学で早押しクイズを題材とした研究は、私の知る限りありません。
かくいう私自身も、早押しクイズを扱うことで「人の知性」をより深く理解できるだろう、とは思っていたものの、具体的な研究の計画・実施には長年踏み出せないでおりました。
他方、近年はwebメディアなどが隆盛し、クイズが一層身近なものとなってきました。ただクイズを見るだけでなく、実際にクイズをプレイする人も増えてきたといわれます。
また昨今、ChatGPTなどのAIサービスが急速に発展しています。それゆえに「人らしさとは何か」という問いを考えることが、より重要視される時代になってきました。
このような時代にあっては、早押しクイズを通して「人の知性」を探る意義も(少なくとも以前よりは)あるのではないか。私はそう感じるようになりました。
「クイズ×認知科学」。
うまくいくかは分からない。やって後悔するかもしれない。
けれど、いつか誰かが必ずやるに違いない。そうなったら、私は絶対に後悔する。
クイズが1つの文化として見直されてきている今、そしておそらくまだ誰も挑戦していない今、「人の知性」のより深い理解に向けて、挑戦しよう。
長々と書いてしまいましたが、ここまでのことは、プロジェクトページにある最後の言葉にも集約されています(画像参照)。
最後に、この場をお借りして謝辞を書かせていただきます。
・まずは本プロジェクトを行うにあたり、お忙しい中ヒアリングや審査を行ってくださったアカデミストの皆様には、深く感謝申し上げます。
・また、推薦コメントの執筆をご快諾くださり、お忙しいところ素敵なコメントを執筆してくださった松香敏彦先生、本田秀仁先生、高橋太郎君にも、御礼申し上げます。
・構想段階からプロジェクトに興味を持ってくださり、申請書のチェックもしてくださった、大学院の後輩の今泉拓君にもお世話になりました (今泉君は、アカデミストにて月額支援型プロジェクト「感動は脳のギャップ萌えから生まれる!?認知科学×抱きつきしめじで心をつかむメカニズムに迫りたい!」に挑戦中です https://academist-cf.com/fanclubs/226 そちらもぜひご支援のほどよろしくお願いいたします)
・認知言語学がご専門でクイズプレイヤーとしてもご活躍されている、関西外国語大学の小坂健太君におかれましては、研究協力者として議論・分析に参画していただき、ありがとうございました(そして今後ともよろしくお願いいたします!)。
どこまで行けるか、今も期待と不安が入り混じった不思議な心持ちでいるとともに、いよいよプロジェクトが始まるのかと、身の引き締まる思いです。
まずは1年間、頑張ってまいりたいと存じます。応援・ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
追手門学院大学心理学部 人工知能・認知科学専攻
白砂大
## きょうのもんだい ######
Q. 2012年の今日5月22日に開業した、東京都墨田区にそびえる高さ634mの電波塔は何でしょう
A. 東京スカイツリー
【ひとこと】本プロジェクト、スカイツリーと誕生日が同じなのですね。スカイツリーは、大学時代に東京から千葉に通う間の電車の中から毎朝見ていました。でも、実は行ったことがないです。
Q. 英語では「cognitive science」という、心理学・計算機科学・言語学・神経科学などが融合する学際領域であり、情報の概念に基づいて生物の心や脳の働きを明らかにすることを目指す学問は何でしょう
A. 認知科学(にんちかがく)
【ひとこと】認知科学は学際的であるがゆえに、定義が非常に難しいです。あくまで私個人としては、このように捉えております(おそらく、10人に聞けば10通りの定義が返ってくる気がします)。なお「情報の概念に基づいて」というのは、計算機との類比、すなわち「人や動物が、『入力 (刺激・質問)』に対して何かしらの処理を行い、『出力 (反応・回答)』を返している」とする考え方のことです。
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